数年前、蒲田に住んでいた。
もっとも、上京してから三年後くらい、たった数か月の間のことだったが。
田舎から母親が遊びにきて、「たまには夫婦二人で出かけておいで」と言ってくれたので、デートコースを考える。
どこに行こうか迷ったが、嫁と付き合い始めた頃に住んでいた場所に足を運ぶことにした。
品川で京急の各駅停車に乗り換えて、暫く。
立会川を過ぎて、平和島を過ぎて、梅屋敷に着く。
当時それはそれはチンケな駅だったが、線路が高架になっており、エレベーターやドアのある待合室まである。
見慣れた風景が完全に様変わりしていた。
その中でも、昔よく行っていたコンビニが無くなっていたり、行こう行こうと思いつつ行きそびれていた店がそのままだったり。
住んでいたアパートは全く当時のままだったが、久しぶりに食べたかった当時通っていたラーメン屋は無くなっていた。
覚悟はしていたが、寂しくもあり残念でもあり。
とはいえ、残念がってばかりいても腹は減る。
思い出の焼き鳥屋さんの横にラーメン屋(中華屋?)が出来ており、お腹空いたしここでいいか~ということで、店に入る。
中は決して広くないが、座席をキュウキュウに詰めていないので、割とゆったりとした空間。
さっそくオーダーを済ませ、四方山話をしながら待つ。
麻婆豆腐麺。
辛さはあるが、予想を裏切る優しいスープ。
豆腐も挽肉も旨い。

マーラー麺。
辛い。そして旨い。最高。

高菜チャーハン。
大抵は塩っ辛いだけの焼き飯なのだが、なんとも優しい。
いわゆるラーメン屋さんや中華屋さんのチャーハンとは毛色が違う。
予想と全然違う味だが、美味。

こちらが外観。
チェーン店だったらしい。

思い出の駅、思い出のアパート、思い出のコインランドリー、思い出のコンビニ、思い出のラーメン屋、思い出の焼き鳥屋、思い出の総菜屋。
これらの半分くらいは無くなってしまっていたけども全てが懐かしく、また数年後に嫁と来られたらいいなと思う。
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