最初、なにが起こったのか頭がついていかなかった。
五島列島に行って、椛島で夕マヅメ中の出来事だった。
何かの拍子にラインが引っ張られ、右手親指の脇っちょにブスリ。
経緯
たしか6号のハリで、それなりに大きくカエシがある。
一応抜いてみようと試みるが、カエシ部分があり抜けない。つーか超いてえ。
その後、無視して刺さったまま釣りを続けるが、何かが針に少し触れるだけで痛い。
離島だし病院もないしで、福江島まで戻るまでは刺さりっぱなしでやるしかない。
翌朝、傷口が少し腫れてしまっており、針に何かが触れたときの痛みが倍くらいになっている。
朝マヅメを気にせずやるが、気にしないではいられないくらい痛い。
朝マヅメが終わり、福江島に戻り病院へ。
休日診療の病院に行くが、誰もいない。休日診療になってねえじゃんクソが。
しょうがないので五島中央病院という大きな病院に行き、手続きをする。
問診票を書き、熱を測ると37.3度。
やはり傷は傷なので体温が上がるらしい。
ほどなくして呼ばれ、診察開始。
なんでも、指の端っこの方であれば思い切って貫通させるのだそうだ。
しかし、刺さった場所がイマイチでその手は使えない。
じゃあ切るんですか?って聞いたら、「いえ、引っこ抜きます!」だと。
oh。。。
麻酔は上手だし効き目を確かめながらやってくれるのでいいんだが、「麻酔してても痛いと思いますんで、頑張ってください!!」ってさわやかに言われてもさあ。。。
じゃあ、やりますんで、あっち向いててくださいねー
行きますよー
ビッ
もうね、変な声でた。
アッッッッー!って。
いってえ。超いてえ。
でも、刺さってた針がなくなっただけで、感動的ですらあった。
学んだこと
今回勉強になったことは、まず、なんて人の体って脆いんだろう?ということ。
こんなチンケな針ひとつ刺さったごときで、色々なことが立ち行かなくなってしまう。
こんなチンケな針ごときで超いてえし、こんな小さな傷からもバイキンは入るし熱も出る。
次に、親指を怪我してしまうと色々と差し支えるということ。
同じ怪我をするなら、親指でなく他の指を犠牲にした方がずっといい。
例えば人差し指や中指も困るが、親指ほどの重要性は担っていない。
薬指と小指なんて、痛い以外は困らないんじゃなかろうか。
また、色々と釣りに慣れてきてスピードも正確さも向上していたものの、危ないものを取り扱っているという危機感が薄れてしまっていた。
これに気づくことができたことの価値は、非常に大きい。
初心に戻って真摯に釣りに向き合うことができることもさることながら、より大きな怪我やトラブルに見舞われる前に気づくことができた。
せっかくの釣りをしていて自分が誰かにやられて釣りが続行不能になるなんて本当に勘弁だが、もし、人様に怪我をさせてしまっていたら?
目や顔など深刻な部位だったら?
考えただけで、寒気がする。
自責点で自分がケガすることなんて、それに比べたら何でもない。
今回は自分の体がダメージを受けただったので、よかったとすら言える。
痛い目にはあったが、今回は本当にいい勉強になったと思う。
ビギナーに伝えたいこと
ビギナーがヘタクソなのは、当たり前。
ディスっているのではなく、当たり前の話として、改めて認識すべきだ。
ベテランだって、慣れない釣りや慣れない道具を使えば上手にやることはできない。
そして、釣り具というものは基本的に危険なものであるという事実。
ハリはもちろん、細くて切れづらいハリス、オモリとハリが一体化しているルアーなんてトップクラスに危険だし、中でも多方向に複数のハリが伸びており更にカエシもあるトリプルフックの危険度は極まっている。
ハサミやナイフなど直接的な刃物も扱うことは、言わずもがな。
そんなことは理解している、という人も多いだろう。
ただ、夢中になっていたり慣れによる油断によって薄れることはよくあるし、毎秒意識し続けることは不可能だ。
特にビギナーは、釣りを構成する各アクションに不慣れであるため、目の前のこと以外が見えなってしまうことも頻繁にある。
糸を抑える、ベールを上げる、ルアーやオモリの位置を確認する、糸を出す、キャストする等の行為に集中力のすべてを注いでしまい、それ以外に気を配ることができなくなってしまう。
また、ビギナーでなくとも、少し慣れてきたら漫然と行うようになってしまう。
その瞬間は、必ずある。
怪我やトラブルは、こういった時に発生するのだと思う。
危険なものをヘタクソが雑に扱えば、そんなことが起こるのは必然ともいえる。
「釣りいろは」の動画で、船上でルアーのフックが指に刺さってしまう動画を見たとき、「自分なんかよりキャリアが長くて上手で釣果もいい人ですら、こんなことがあるのか!!?」と愕然としたことを覚えている。
(決して、釣りいろはの人がうまいとかヘタとかいう話ではなくて)
釣りもアウトドア趣味のひとつであり、野外でなにかをするにあたっては、「ご安全に」を原則としなければならない。
怪我やトラブルなく家に帰ることが第一優先で、目的ということすらできる。
せっかく金と時間をかけて出かけているのに、楽しい時間を過ごすことすら、その次なの。
だから、せっかく釣りをするんだから楽しもう!と思うことは大事なんだけども、それ以上に「ご安全に」あるように。
これは、ビギナーに伝えたいことでもあり、自分に向けた戒めでもある。
コメント