何でもそうだが、何かを覚えたり身につけたりするためには、最低限必要な「知っておくべき言葉」がある。
釣りもそうで、これを知っておかないと説明のしようがない、調べようがない、なんて言葉を紹介したいと思う。
なお、下記は海釣りメイン、ルアーもやるけどエサ釣りの方が多い、釣り人7年生の俺の私見に基づくものなので、絶対的に正しいってわけではないので注意。
船釣り編
上から~m
船の人からのタナ(狙いの水深)の指示方法のひとつで、海面からどれくらい下に落とすか、ということ。
例えば「上から25」と言われたら、糸を25m出すということ。
どれくらい糸が出ているかの判定だが、大きく2つ。
ひとつは、リールについているラインカウンターを見ること。
先に言うと、これはオススメできない。
リールを使い始めて最初の方は合っているのだが、次第にズレてくる。
また、その瞬間は突然きたりもする。
表層でも底でもない中層の釣りは、タナが合わないと全く釣れない。
釣れたとしても目当てでない魚=外道だろうし、単なる偶然で再現性がない。
もうひとつは、ミチイトの色で判定すること。
こちらの方が間違いない。
PEラインは、10mごとに目印あり、1mごとに目印あり、まったく目印なしって感じで、目印の有無がある。
船釣りでは目印なしを使うことはあまりなく、できれば1mごとに目印があるタイプが好ましい。
10mごとの目印でだいたい合わせて、あとは感覚で!ってことでもいいのだが、こんな記事を読んでいるようなビギナーは大人しく1mごとの目印タイプを使っとけ。
船宿の貸し竿にまいてあったラインが10mごとだったら、感覚を鍛えるか自前を買うかしよう。
で、どんな釣りで使うのかというと、代表的なのは深場のアジ、イサキ、マダイなど。
注意点としては、表層や底物の釣りと違って、このようなタナの指示をする釣りは中層の釣りで、潮の流れの影響を受けやすいこと。
潮が弱い時は、仕掛けを落としたら真っすぐ落ちていく。当たり前だ。
海面から見ると、垂線を降ろすイメージ。
10m糸を出せば、水深は上から10mになる。当たり前だ。
が、潮が速い時は、潮に寄って仕掛けが流されてしまう。
海面から見て垂線を降ろすイメージ=海面から見て90度ではなく、海面から見て70度だったり110度になる。
つまり10m糸を出しても、水深は7~8mだったりする。
だから、糸の長さを合わせていてもタナが合わないなんてこともある。
仕掛けが水の中で自分がイメージする動きをしていないこともあるので、指示ダナで釣れなかったら長めに出すとか調整してみよう。
下から~m
船の人からのタナ(狙いの水深)の指示方法のひとつで、海底まで落として、そこから何m巻くか、ということ。
例えば「下から3~5m」と言われたら、底を取ってから3~5m巻くということ。
どれくらい糸を巻き取ったかの判定だが、大きく2つ。
1つは、上からパターンと同じくリールのラインカウンターを使うことだが、同様にお勧めできない。
もう1つは、使っているリールがひと巻き何センチ巻き取るかを調べて計算すること。
例えば、ひと巻き70センチであれば、4巻きくらいで3mになるということ。
そんなん知らねえよ!という人も多いと思うが、リールには型番が必ず書いてあるので、スマホで調べればいい。
年季が入ったリールは記載が消えてしまっていたり、古いモデルは検索しても出てこなかったりもするが、その時は、底から1巻きだと釣れない、次は2巻きで試す、次は3巻き・・・とか試してみるしかない。
そういう意味でも、ある程度やったら貸し竿は卒業して、自前で用意しよう。
どんな釣りで使うのかというと、代表的なのは浅場のアジ、タチウオ、アオリイカなど。
竿頭
その日その船で一番釣れた人のこと。
人気の船宿では同じ魚種の船が複数でることもあるが、その場合はトータル1位。
どんな釣りものであっても、一番を取ることは誇らしいものだ。
今まで以上に、釣りのことが嬉しい!楽しい!!大好き!!!になる瞬間。
もちろん、調子に乗り過ぎてはいけない。何も釣れない日もあるんだから。
自分が一番になったからって、釣れない人をディスるなんて以ての外。
ただ、どんな船でも一番になることは簡単ではない。
というのも、どこであっても、釣り名人どころか達人、釣り仙人みたいな人がいるから。
偶然の力を借りたとしても、そういう人に勝つことは容易なことではない。
釣り人としての総合力は置いといて、「その釣りに慣れたかどうか」を判定する方法の一つとして、竿頭の半分釣れたか?という非常にわかりやすい基準がある。
何度か乗ってみて、安定してそれが達成できるなら、その釣りにおいては中級者くらいになったと思ってよいかと。
流し
船釣りにおいては、一つの場所にずっと一日とどまることは、あんまりない。
順調だから長居することはあるが、魚の方の食いが悪いとか、見切られてきたとか、群れ自体が移動しているとかで、移動しながら釣りをすることの方が多い。
はじめていいよーと言われてから次に移動するまでの1ラウンドのこと、流しという。
例えば、「最初の流しで顔が見れました」とか、「ひと流しで3つあがった」とか、「この流しで最後になります」とか、そんな感じで使われる。
釣果を安定して確保するために、ひと流しごとに何匹と目標を立ててもいいし、ちょこちょこ移動する釣りなら今回は休憩とか、長い1日を有意義に過ごすためのラウンドみたいに解釈すればいいかと思う。
凪(なぎ)
風がないこと。
ベタ凪ともいう。
風がないということは波も大してないので、移動するときも揺れが少ない。
そんな日は潮もそこまで速くないので、釣りがしやすいし、絶好の船釣り日和だ。
(ベタ凪で塩だけクソ速いって日には、あたったことがない)
注意点としては、夏はベタ凪だとクソ暑いこと。
ある程度の風があると気持ちいい、というか少しの風もないとシンドイ。
熱中症リスクも高まるので、水分補給と体の冷却をいつも以上に意識すること。
もう一つは、潮があれば誘いは入れずに流れに任せるという手もあるのだが、潮が弱いと積極的に誘いを入れないと釣れなかったりする。
あるいは、コマセの拡散具合がいつもと変わったり。
その辺は、やりながら調整しよう。
ミヨシ
船の先っちょ側の席のこと。
探れる方向・・・広い。目の前だけでなく、船首側も探ることができる。
オマツリしやすさ・・・少なくとも片側には人がいないため、オマツリしづらい
船酔いしやすさ・・・船のアップダウンをダイレクトに受けるため、酔いやすい
トイレの近さ・・・「大」や女性の場合は後ろのトイレにいくしかないので、遠い。
船長からの距離・・・遠い。何か言っていてもアナウンス以外は聞こえない。
船員からの見やすさ・・・前方のため視界に入りやすく、最も助言やサポートを受けやすい
釣れやすさ・・・釣れやすい(詳細は後述)
ザッパーン・・・食らいやすい、荷物や自分が濡れやすく、船室や後ろへの移動がめんどい
スペースの広さ・・・広くて過ごしやすく、荷物も置きやすいが、背もたれがないのが難点
釣果は得やすいが、船の揺れによっては釣り自体もしづらくシンドイ目にあうかも。
胴の間
船の真ん中くらいの席のこと。
探れる方向・・・両隣に人がいるため、前方向を探るしかない
オマツリしやすさ・・・両隣に人がいるため、オマツリしやすい
船酔いしやすさ・・・普通。ミヨシほど酔いやすくはないが、トモほど快適でもない
トイレの近さ・・・そんなに遠くない
船長からの距離・・・一番近い。アナウンス以外の無線や中乗りとの会話も聞こえる
船員からの見やすさ・・・物理的距離が近いため、助言やサポートを受けやすい
釣れやすさ・・・釣れないわけじゃないが、もっともイマイチ(詳細は後述)
ザッパーン・・・そんなに食らわない、かかっても多少くらい
スペースの広さ・・・船にもよるが狭いことが多く、両隣にも気を遣う。背もたれがあるのがgood
釣果は最も得づらいが、船長が無線などアナウンス以外で話していることが聞こえやすく、気軽に話しやすいという長所もある。
(かなり貴重な情報源であることも多い)
トモ
船の後ろ側の席のこと。
探れる方向・・・広い目の前だけでなく、船尾側も探ることができる。
オマツリしやすさ・・・少なくとも片側には人がいないため、オマツリしづらい
船酔いしやすさ・・・揺れが弱いので、もっとも酔いづらい
トイレの近さ・・・一番近い
船長からの距離・・・そんなに遠くないが、会話は聞こえづらい(船による)
船員からの見やすさ・・・死角となるため、最も助言やサポートを受けづらい
釣れやすさ・・・釣れやすい(詳細は後述)
ザッパーン・・・ぜんぜん食らわない、自分も荷物も濡れない
スペースの広さ・・・まあまあ広いので過ごしやすく、荷物も置きやすい。背もたれがないことが多い
釣果も得やすいし、船の中では最も過ごしやすい場所。
が、排気のニオイで気持ち悪くなったり、仕掛けがスクリューに絡まるリスクなんかもある。
潮先
どこから潮がぶつかってくるか?ということ。
先っちょ(ミヨシ)が潮先になることもあるし、後ろ(トモ)が潮先になることもある。
ミヨシとトモのどちらかが潮先になることが殆どだが、フカセマグロみたいに右側を潮先にしてみんな右側で釣るなんてこともある。
釣りをする時間が長いほど魚は見切ったりスレたりして、釣れづらくなる。
だから、潮先にいる方が基本的には釣れやすいと考えていい。
なので、ざっくり潮先になりやすいミヨシやトモは釣れやすく、胴の間はそれに劣るということ。
もちろん例外はあり、コマセを使う釣りでは潮先よりも後ろの方がコマセが効いてくるので釣れる、なんてこともある。
まあ、コマセ食い過ぎて刺し餌を食わないってことも少なくないんだが。
どこが潮先になるのか、それは地域ごとの海流や、釣りものが何であるか、あるいはその船長の動かし方にもよるので、一概には言えない。
が、釣り座は前や後ろから埋まっていくので、できるだけ端っこに行った方がいいというのが釣り人たちの総意といっていいだろう。
これにはオマツリ回避や船の上での過ごしやすさも関わってくるので、必ずしも潮だけで決まるわけではないけれど。
早起きや前乗りしてまで望みの釣り座を取るか、ゆったり向かって空いてる席でもいいよとするか、それはお任せ。
だが、いずれにせよ釣れなかった時に釣り座のせいにすることのないように。後悔しないのが一番。
底潮
海底付近の潮のこと。
表層~中層の潮と底潮は分けて考えた方がよくて、例えば全体的に潮は弱いんだけど底潮だけ強いなんてことはよくあって、そうなると根掛りがしやすい、オマツリがしやすい、仕掛けが流されやすい、なんてこともある。
また、底潮が冷たいとか、水温に関わることも。
特に、底物の魚を狙う時には意識すべきかと思う。
オモリの重さを調整したり、針が少ない仕掛けやハリスが短い仕掛けに変えるなど。
また、それができるように仕掛けやオモリにいくらかバリエーションを持たせるよう準備しよう。
二枚潮
表層~中層の潮と底潮が、逆方向に流れていること。
めっちゃ釣りしづらい。自爆も含めてオマツリもしやすい。
だから、いつもよりオマツリに注意しながらやったり、ちょっと休憩タイムにしたり、長引くようならそれでも頑張るしかない。
コメント