サビキは、釣りの初心者向けに入門編として、あるいはお手軽な釣りスタイルの一つとしてメジャーな釣法である。
とはいえ簡単で底が浅いというわけではなく、なかなかに面白い釣り方であるので、ヘタクソなりに俺流解釈を紹介したいと思う。
サビキ釣りの定義
厳密な定義はどうでもいいんだが、「ここでは仕掛けにエビっぽい疑似餌を使った釣りのこと」と定義する。
コマセ(撒き餌の小さいエビみたいなの)を使うか使わないか、あるいは後述するの釣り方のバリエーションは論点としない。
イメージは、こんな感じ。絵がヘタクソなのは許せ。
殆どの場合、堤防などのオカッパリで小魚釣りするイメージしてもらえればよいと思う。
糸(ミチイト)にサビキ仕掛け・オモリ・コマセカゴ(エサを入れる)を接続するだけの簡単な釣りと思って差し支えない。
上カゴの場合に使うオモリ。5~10号でよいかと。あまり軽さにこだわる必要はないと思う。
トリックサビキについては、後述。
サビキの釣り方
サビキの釣り方には、ざっくり足元サビキ、ウキサビキ、ブッコミサビキがある。
足元サビキは最もメジャーなサビキで、一般に「サビキ」といえばコレ。
足元に落としてシャクって誘う。(シャクる=ゆさゆさする)
ウキは付けず、表層~中層~ボトムといった風にタナ(水深)を替えつつ探って釣る。
表層はイワシ、中層はアジ、低層はコノシロなど。釣り場や時間にもによるけど。
ウキサビキは、単にサビキの釣り方にウキを付ける釣り方。
足元サビキは堤防沿いしか狙えないが、ウキがあることによって少し投げることができるのがポイント。
足元と少し投げただけで釣果も魚種もかわってくるので、サビキをするならウキは持っておきたいところ。
堤防沿いだと望まない雑魚が釣れてしまうことも多いが、3~4m離すだけで「そこまで来る魚」だけに限定できるのでアジやイワシだけ釣ることができる。
ただ、ウキであるがゆえに風や潮で流されてしまうこともしばしば。
昼間の堤防は混雑することも多いので、他の人のゾーンに流れたりオマツリ(絡まってしまうこと)しないよう気を付けよう。
ブッコミサビキは、文字通りブッコミ(投げ釣り)スタイルのサビキ。
中層~ボトムを狙う。
サーフや磯でやるなら、少し大きめの仕掛け、重めのオモリが適合するかと思う。
サビキに使うエサ
活性が高い場合はエサなしでシャクってるだけで釣れたりもするが、基本的にはコマセ(撒き餌)を使う。
サビキ釣りでは、アミという小さなエビをコマセにする。
コマセは、ブロック状に冷凍されたものとレトルトがある。
個人的には冷凍ブロックの方が釣果がよい所見であるものの、冷凍は解かしてしまうと使い切るしかないが、レトルトは保存可能な袋上でキャップもあり、必要な分だけ取り出すことができて便利。
また、コマセはけっこう臭いし手が汚れたりするのだが、レトルトだと臭くないし手を汚さずコマセカゴに入れられるため愛用する人は多い。
主に冷凍コマセの話だが、コマセを解かすとコマセ汁が出る。
この汁について、これがまた臭いのだが、汁気を切ってコマセだけを使う人もいるが魚にとってはいい匂いなんだろうということでそのまま使う人もいる。
おすすめは、この汁にパン粉とアジパワーなどの集魚剤を混ぜて使うこと。
集魚剤は海の中でニオイを発して集魚効果が期待できるし、パン粉はコマセ汁を吸ってくれるしコマセの沈み具合を調整してくれて釣果アップに貢献してくれる・・・気がする。
パン粉。しょせん釣り用なので、安いものや業務スーパーで売っているものでOK
あまりコマセを使いすぎたり粉ものに頼りすぎると、「コマセ酔い」といって魚が食わなくなってしまうという人もいるが、通常の堤防であれば、よほど撒きすぎない限り大丈夫。
サビキで釣れる魚
対象魚は、アジ、イワシ、サッパ、コノシロなど。
堤防沿いにいる小魚であれば、だいたい釣れる。
メジナ、メバル、カマス、サヨリ、コサバ、ショゴ、ボラ、クサフグ、スズメダイなど。
なお、大きめの仕掛けを使えば、カマスやシマアジやイサキやデカサバなどの獲物をGetすることもでき、堤防でも沖でも場所を選ばない。
ヒラメやエイが食ってきたこともある。
サビキ釣りに適した場所
どこでもよいのだが、メジャーかつ一番良いのはズバリ堤防。
足場が良いこと、視界が良いこと、広さに極端な制限がなくコマセバケツ・釣り上げた魚を入れるバッカン(バケツ)やクーラーあるいは道具箱など釣り具を広げても困らないのが大きい。
磯やサーフは、足元が悪いし、時間によって潮位が変わるし、当然ながら手前側が浅いのでサビキには向かない。
ブッコミサビキやウキサビキであれば適合するが、釣り場のやりやすさを加味するとビギナーは堤防一択でいいと思う。
船釣りでは、それなりの魚を五目的に狙ったサビキ仕掛けを使うこともある。
OKな船であれば、メインの釣りの最中に、隣にもう一本出しておいてもいいかも。
タナ(水深)ごとの釣り方
エサであるコマセをどう扱うか?と同義かもしれない。
大きくは、仕掛けの上にコマセ袋をつける上カゴと、仕掛けの下にオモリ付きのカゴを付けるタイプの下カゴがある。
上カゴは、コマセがパラパラと下に向かって落ちていき、サビキの仕掛けにまとわせる感じ。
下カゴは、カゴに入れたコマセをシャクって煙幕を作って仕掛けを食わせる感じ。
基本的には撒きあげて煙幕の中に仕掛けを置く下カゴよりも、自然にコマセが下に落ちていく上カゴの方が理に適っているため、上カゴを推奨する。
別の言い方をすると、下カゴの方が難しいというかコツがいるので、できればそういうことを考えずに済む簡単な上カゴの方が初心者向けでもある。
タナの観点もあり、表層から中層は上カゴ、ボトム近くは下カゴが良いかと思う。
ただ、タナによって上カゴにしたり下カゴにしたりは面倒なので、最初から上下ともにカゴを付けてもいいし、予めウキ止めもつけておいてもいい。
足元でやるときはウキを外せばよいし、ボトムをやるときは下カゴにコマセを入れたらよいし、表層~中層をやるときは上カゴにコマセを入れて下カゴはオモリ代わりにすればよく、食いが悪ければ上下のカゴにコマセを入れてもいい。
仕掛けのサイズ
基本的には、仕掛けが大きくて食わなかったり食いが悪いことは多々あるが、仕掛けが小さいから食わないことはそんなにないので、小さめの仕掛けを使うのが良いかと思う。
具体的には、堤防であれば1-2号で全然ok。
魚種にもよるが、30cmほどのショゴや25cmくらいのサバでも釣りきれる。
ただ、1号など小さな仕掛けは切れやすいので、2-3号くらいでもよいかもしれない。
よく4号のサビキが売られているが、基本的にはもっと小さめのものを使ってよいと思う。
俺は、よく切られちゃうなと思ってから大きいものに交換している。
もちろん大きめのサバやカマスなど、ある程度の釣りごたえがある魚は6~8号くらいのものも使ったりするので、「堤防でちょっとしたサビキをする場合は小さくてok」くらいに思っておいた方がよいかと思う。
サビキ釣りのタックル(竿、リール、糸)
はっきり言って、なんでもいい。
適当なロッド(竿)、大きすぎないリール(1000~3000番)、ライン(糸)は太過ぎないナイロン2~3号ってところかと。
そんな大物を狙うわけでもないので、釣具屋に売っているビギナー向けセットやダイソーのセットでもいい。
イメージは、こんな感じ。絵がヘタクソなのは許せ。
少なくとも、サビキ釣り用に新たに揃える必要はない。
個人的には、堤防釣りで色々な使い方ができるルアーマチックがオススメ。
サビキ、ウキ釣り、チョイ投げ、ヘチ釣りなど何にでも使える。
ちゃんねるよしゅあで使っていて試したが、布教したい一品。
磯竿を使う人もいる。
ビギナーには扱いが難しく手返しも悪くなってしまうが、ウキを使わなくても探れるレンジが広がったり他の釣りにも使えるので、サビキ用でなくとも一本は持っておいてもいいかと思う。
最初は安いものでいいと思う。最初は上手く扱えなくて傷つけたり壊してしまったりするものだから。
リールは大きすぎなければ何でもいい。ダイソーのリールは確か700円だし、そんなんでもいい。
ある程度、堤防釣りで使いまわしたいなら、それなりのメーカーの安めのリールを買っておけばいいと思う。
トリックサビキについて
サビキ釣りの亜種として、トリックサビキがある。
通常のサビキはエビ型の疑似餌で釣るのだが、トリックサビキは針にコマセをつけて、疑似餌でなく本物のコマセを食わせて釣るスタイル。
こんなアイテムを用意して、真ん中にコマセを入れて、ハリをなすりつけて巻き込む感じ。
疑似餌でなく本物のエサであるコマセを食わせるわけなので、通常のサビキ釣りよりも釣果がいい傾向にある。
隣がトリックをやっているとバンバン釣れて、通常サビキの自分が全然釣れないなんてことはよくあるので、サビキをやるなら仕掛けと餌付け器は入れといてもいいかも。
なお、時期や場所にもよるのだろうが、チアユを釣るときにも使う。
コマセをつけなくても、カラ針で釣れる。小さな仕掛けを推奨。
サビキ釣りに適した時間
基本的には、昼間。
夜に釣れないわけではないが、大まかにいえば昼間の方が釣果がいいと思う。
サビキ釣りの対象は小さいサイズの魚が多く、水温が高い昼間の方が釣れやすいかと。
豆アジなんかは夜でも常夜灯の下であれば釣れたりするし、夜でもコノシロなんかは釣れる。
イワシは夜はあんまり食ってこない印象。
もちろん季節にもよるし、地域や場所にも依存するため、ざっくりだけど。
その他もろもろ
サビキでオススメのアイテムは、パクっと挟むというか上側を閉じたら下側が開いて、手を汚さずコマセを補充できる下カゴ。
コマセバケツからパクっとできるので、2つくらいはキープしといて損はない。
コマセバケツ。バッカン(水汲みバケツ)として使ってもOK。
大小ひとつずつくらいはあっていい。
コマセで手が汚れるのがイヤな人は、コマセをジップロックにいれて、そこの端を切ってホイップクリームを出すみたいな感じで使ってもいい。
この手の袋を用意しておけば、釣れた魚を入れてもいいし、釣り用のバッグにはぜひ入れておこう。100円ショップやハナマサで売っている安いものでも全然OK。
あと、コマセが余ったら海にドバっと捨てちゃう人もいるが、やめよう。
どうせ魚が食うから大丈夫、という認識は間違い。
食い気のある魚が大量に接岸していたとしても、全部は食べてくれないし、食べ残しはヘドロになってしまう。
使う予定の量だけコマセを用意して、無駄が出ないようにしよう。
上述のジップロックにしておけば余った分は持ち帰って冷凍してもいいし、あまり大量に用意せず予備としてレトルトを常備しておく形でもいい。
海はゴミ箱じゃないからね。
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