【釣り方】船釣りをしてみよう。きっと良い日になる

釣り方

オカッパリもいいけど、船釣りも楽しい。
お金はかかるけど、沖に出ないと釣れない魚はたくさんある。

概要

船釣りは、その名の通り、船に乗るタイプの釣りのこと。
対義語は、船に乗らない「オカッパリ」。

船は揺れるしなあ~とか、ハードル高そう・・・とか、ちょっと気後れというか無邪気にノリノリになれない人も多いかと思うが、最高の釣りになることも少なくない。
絶対にやるべき!とは言わないが、選択肢から除外するのは勿体ない。

船釣りの概要を紹介するとともに、少しでも魅力が伝われば幸い。

船釣りの良いところ

  • オカッパリよりも深いところに行くため、魚の種類も量も多い。
  • ポイントには、ほぼほぼ魚がいる。長年をキャリアを持つ船長が経験と魚探で探すんだから当然。
  • 釣れる魚は、よい種類、よい型、多く釣れることが多い。
  • 釣り方を教えてくれる。ダメなところを指摘してくれる。だから上手になる。
  • 非日常感を味わうことができる。見慣れた風景も、船から見れば乙なもの。ビール飲むのもいい。
  • 早起きするため、一日を長く使える。釣りして釣果で飲んでも早い時間に寝られる。

船釣りの悪いところ

  • オカッパリよりも金がかかる。安くて数千円、高いと二万を超えることも。
  • 揺れるので、船酔いしたりザッパーンを食らう。道具も自分も汚れやすい。
  • 乗ったら帰りまで降りられない。途中で辞めることができない。
  • エサや仕掛けを売ってくれることもあるが、ほぼ事前の準備が全て。忘れ物は致命傷。
  • オカッパリと違い、コンビニも釣具屋も使えない。メシや水分含めて段取り大事。
  • 船によっては、設備がショボかったりトイレが狭くて汚かったりする。
  • 船長や中乗りがイヤな奴だと、一日中気分が悪い。
  • 船長の判断が、釣果にダイレクトな影響を与える。

良い船と悪い船

まず、船が大きい・新しい・速い等、船舶自体の性能の話がある。
もちろん大きい方が居住性というか混んでも釣りやすかったりするし、速い方がポイントに着くまでの時間が短く移動もスピーディだし、新しい方が設備もよかったりする。
重要と言えば重要なのだが、決定打にはならない。

人によるが、やはり最重要ポイントは「釣らせる船か否か」と「気持ちよく釣りができるか」だろう。

「釣らせる船か否か」

船長のポイント選びや指示の正確さ、アドバイスの有無や精度などが代表的。
船にとって、たくさんの船宿がある中で「あそこの船は全然釣れない」なんて言われたくないし、そうなってしまうと客足も遠のいてしまう。

もちろん釣り人としてはいっぱい釣りたいわけだから、船側と釣り人の利害は一致している。
が、海の男は概ね粗いし、船全体の釣果が悪ければ焦りも生まれるので、必ずしも丁寧にフレンドリーに教えてくれるわけではない。

だから、指導が厳しくなることもしばしばある。
これに気を悪くしてしまう人もいるし、実際に俺も二度と乗らないと思ったこともあるが、向こうも切実なので、ある程度は仕方がないと割り切ったほうがいい。
もちろん、マグロみたいにギャンブル性というか不確実性が高い釣りもあるわけなので、釣れなかったからといって全てを船宿のせいにしてはいけない。

「釣らせない船なのに感じが悪い」という船は最悪なので、もしそういう船に出会ってしまったら、もうその日は仕方がないと諦めて二度と乗らなきゃいい。
東京湾の船宿は、放っておいても客が来ることもあり大して釣らせる船でもないのに感じが悪い船がチラホラある所見。

「気持ちよく釣りができるか」

釣り人にとって気持ちよく釣りができるか否かは、いい天気で、嫌な感じの人がまわりにいなくて、優しく的確なアドバイスがもらえて、たくさん釣れること。
これが一番なのだが、これはかなりの贅沢なので、全部が揃うことはないと思った方がいい。

だから、自分にとって何が一番なのか、重視するのかを見極めること。
天気がいいことなんて悪ければ乗らなきゃいいんだし、嫌な感じの奴がいたら今日はついてねーなーというだけの話くらいに思っておいた方がいい。

どんなに船長や中乗りがいい人でも、釣果が悪いとシンドイ一日になる。
逆に、船長や中乗りが嫌な奴でも、釣果が良かったら色々と許せたりする。

だから、釣れるか釣れないかを重視した方が楽しみやすいと思う。
もちろん、まわりが釣れていて自分が釣れていなければ、100%自分のせいなので船のせいにしちゃいけない。

仕立と乗合

船釣りには、仕立と乗合の2種類がある。
参加者や予算、シチュエーションに応じて選ぼう。

仕立

仕立は、簡単にいえば貸し切りのことで、自分たちのために船を出してくれて、船の中の釣り客には自分と知人しかいないという状況になる。

だから、釣りをするにも仲のいい友達しかいないわけだから変に緊張することはないし、船長や中乗りは自分たちのサポートに集中してくれるし、オマツリ(絡まる)などトラブルが発生しても知った仲だからギスギスすることもないのが良いところ。好きな場所を釣り座にできるし。

悪いところはズバリ価格で、自分たちだけのために船を出してもらうわけだから、自分たちだけでコストを負担することになる。
船のサイズや中乗りの有無なんかにもよるが、5~10万くらいは必要になる。
これを参加者で頭割りするわけだから、高くつくことも多い。
逆にいえば、ある程度の参加者数を確保できていれば安上がりになるともいえる。

お金に余裕がある人は、5万くらい出せば素晴らしい環境で特別な体験ができるので、少人数でも試してみるといいと思う。
俗にいう大名釣りってやつだね。

あと、船にとってはその日一日を自分たちのためにあけておくわけだから、予約は必須だし直前だとキャンセル料が発生するケースもあるかと思う。
良心的な船宿は、悪天候の場合は自ら無理に船を出さないってこともある。

乗合

スタンダードなタイプが、こちら。
少人数でたくさんの人たちが参加するタイプ。
麻雀でいえば、仕立がセットで乗合がフリー雀荘ってところ。

ひとりいくらで参加するため、概ねは一万円前後くらいとコストを抑えられやすい。
自分が乗らなくても船が出ることが殆どであるため、キャンセル料もかからない。
色々な人が参加するため、隣になった人と仲良くなったりするのもgood。

逆に、たくさんの人が乗るためビギナーに挟まれてオマツリしまくりで釣りにならん!!!なんてことも有り得る。
また、たくさんの人が乗る以上、船長や中乗りは自分に対して個別に気を配ってくれたりしないし、多少は教えるけど基本は自分で頑張ってくれよ!となる。

いきなり仕立に乗るのはハードルが高いかと思うので、まずは友達と乗合にするのがよいかと。
ブレないハートを持つ人は、是非ソロチャレンジしてみよう。
基本的に自分自身だけでなんとかするしかないので、釣り人としてのレベルも上がりやすい。

東京湾でオススメの船

いつもアジの乗合で使っているのは、葛西の「須原屋」という船宿。
都内だから電車釣行できるし、駅からそう遠くない上に送迎もあるので、アクセスが良い。
船長たちは感じのいい人たちばかりで、気持ちよく釣りができる。
ここは客も民度が高い気がする。
ゴミが持ち帰りなのと、都内発な分だけ行き帰りに各一時間~一時間半くらいかかるのが難点。
カワハギは竹岡沖まで乗るので、けっこう時間がかかる。

アジでいえば、川﨑の「中山丸」もよかった記憶がある。
川﨑から出るので移動時間が短いし、船の人たちも感じが良かった気がする。
車前提だが川﨑なので都内からの移動も楽だし、コストコのちょい先なので帰りに寄ってもいい。

マグロのフカセの乗合は、葉山の「長三郎丸」。
葉山は都内からもさほど遠くないし、好きな港。
フカセのキハダは本当にエキサイティング。
大島の先まで行くので片道3時間くらいと移動時間が長いのと、それゆえに燃料も通常以上に使うせいか船代が高いのが難点。
海の男だけあって言い方はキツい時もあるが、たくさん釣ってほしい、無事に釣りあげてほしいという気持ちからだと思える、いい船。

仕立で乗っているのは、三浦半島の間口漁港「千良丸」。
ここは船も小さいし大した設備もないが、船長と中乗りが両方いい人で、必ず楽しい一日を過ごすことができるから好き。
アジ、イサキ、マダイ、ワラサ、アオリイカ、ヤリイカ、キハダ、色々と楽しませてくれた。
これからもお世話になりたいと思っている。
船が小さいので、少人数の仲間内ユースがオススメ。

同じ間口漁港なら、「喜平治丸」
こちらは乗合で何度か。コマセキハダとイカだったかな。

他にも良い船宿はあるかと思うが、参考まで。

注意点

睡眠について

船釣りは楽しいのだが、悪い点に挙げた通り、準備の比重が非常に高い。
釣りの最中でもコンビニや釣具屋に行くことができるオカッパリと同じノリでいてはいけない。

その準備のひとつとして、最も重要なことは「コンディションを整える」だと思う。
アウトドアの鉄則の一つで、簡単にいえばちゃんと寝てこいということ。
遠足みたいなものでワクワクして寝られなかったもするが、とにかく寝ること。

寝不足だと注意が散漫になるし、陸よりも強い風と強い日差しにあたっていると、ことのほか疲れるもので、体力がガンガン奪われてしまう。
大きい船であっても多少なりとも揺れはあるし、その中でバランスを取ったり釣りに集中したりするのは、しんどいことなので、しっかり寝ておこう。
それに、あまり寝ていないと船酔いもしやすくなる気がする。

楽しむことが目的で船に乗るのに、疲れやすかったり、気が散ったりしては、楽しむどころではない。

船酔いについて

酔いやすい人と酔いづらい人がいるが、上記の通り睡眠不足だったりコンディションが充分でないと酔ってしまうこともある。
千葉の外房みたいに激しく揺れる場所であれば、船酔いしない人も即ゲロだったりもする。

だから、なるべく酔いづらいように、酔ったとしても少しでも度合いがマシになるようにしといたほうがいいよというのが俺の考え。

では、どうすればよいかというと、まず充分な睡眠をとること。
酒が残っているなんて論外。

次に、朝メシを必ず食うこと。
なんでもいいし、ガッツリでなくてもいい。
朝からそんなに食えねえよという人は、カップ麺ひとつでもいいし、お茶漬けなんかでもいい。
空きっ腹で乗ると酔いやすいし、メシを食えば頭も体も目が覚める。

で、メシの後に酔い止めを飲むこと。
大して酔わない人でも、飲んで副作用がないなら飲んどけ。
オススメは、アネロン。

メシの食い方も関係あるが、それは次で。

メシについて

船に乗ったら、メシは一度に食わずチマチマ食うこと。
イメージは、満腹でも空腹でもない状態をキープする感じ。
2時間くらい毎にオニギリ一個とか。

朝昼晩の3食という通常の食事と取り方が変わってくるが、そのスタイルだとメシの前は空腹で酔いやすいし、メシの後は満腹になり血糖値が急上昇することによって眠くなるし、だるくなったり注意力散漫になったりする。

だいたい6時とか7時に出船するなら、9~10時に一回、11~12にもう一回とかでok。
あんま釣れないとなんか食っちゃったりもするから、オニギリとかサンドイッチを3つくらい持っていくといいかも。

釣りの最中は手も汚れるし、揺れるから食べやすいものがいい。
お弁当タイプのものがダメではないけど、チマチマ食いと相性が悪いので、小量が個別包装になってるモノのイメージ。

船によってはレンジやポットを用意していることもあるので、カップ麺も悪くない。
ただ、お湯を捨てなきゃいけない焼きそばタイプや個別のカヤクが多い贅沢系なんかは避けた方がよくて、お湯を注ぐだけくらいのシンプルなやつがいい。

鉄板は、やっぱりコレ。

あるいは、これ。

船の上で食うカップ麺はマジでうまいのでお勧めではあるんだが、やはり船は揺れるし、不意の大きなユレもある。
そこでブチまけてしまうと、メシがなくなってしまうし、残念な気持ちになるし、船も汚してしまう。
船釣りにある程度の慣れができてからにした方がいいと思う。

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