この記事では、「役員」「社長」「代表取締役」という絶対聞いたことがあるけど、明確に定義が説明できなさそうな3つの言葉についてわかりやすく解説していきます。
役員とは?
役員とは、会社法との第 329 条 1 項に下記のように定められています。
役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。
つまり役員は、取締役、会計参与、監査役のことを指します。
また、役員等という場合は、上記の他に、執行役・会計監査人も含まれます(会社法第 423 条)。
これらの役職に就く役員は会社の経営上、重要事項の決定に深く関与している為、雇用契約形態を含めて従業員とは明確に区別されています。
会社法施行規則では執行役員までも含めているため、役員と思われることが多いですが、執行役員は会社法上の役員ではありません。
社内での役職にあたり、従業員という位置付けになります。
取締役とは?
取締役は出資者である株主の決議により選ばれた者で、会社の重要事項や経営方針を決める会社法で定められている役員のことです。
また取締役は、株式会社に必ず置かなければいけない機関です。
会社法上、取締役は 1 人又は 2 人以上置かなければならなく、取締役会設置会社は、取締役を 3 人以上置かなければなりません。
取締役会を設置している会社では、代表取締役が業務執行にあたります。
取締役の任期は、原則選任後2年以内に終了する事業年度の最終の定時株主総会の終結の時までと定められていますが、非公開会社は、選任後 10 年以内に終了する事業年度のうち最終の定時株主総会の終結の時まで伸長が可能です。
社長とは?
社長というと、会社で一番偉い人というイメージがありますが、会社法上に法的な定義はなく社内や取引先からの呼称として使用されています。
社長の中には、代表権(社外に対する会社の代表として取引や業務を遂行する法律上の権限)を持たない者もいます。
会長やオーナーが代表権を持っている場合には、社長は会社の代表として社外の業務を遂行する権限はありません。
このような場合には、代表取締役会長などが存在します。
代表取締役とは?
社長と混同しがちですが、代表取締役は会社法で定められた役職です。
代表取締役は、取締役会で代表として選ばれた役員で、業務の執行や会社を代表して契約締結などの権
限を持っています。
株式会社には、最低1名の代表取締役を置かなければなりませんが、法律上、人数の上限はありませんので、複数の代表取締役を置くこともできます。
社長と代表取締役社長の違いとは?
社長と代表取締役社長の違いは、代表権(社外に対する会社の代表として取引や業務を遂行する法律上の権限)の有無です。
社長は会社のトップとして意思決定をし、業務を遂行しますが、あくまで会社内部の責任者であり代表権を持たない為、社外との取引は出来ません。
一方で、代表取締役社長は、代表権を持ちますので社内と社外の最高責任者として全ての意思決定をすることができます。
おわりに
似たようなイメージの言葉でも法律上の定義や、役割に違いがあることがお分かりいただけましたでしょうか?
特にビジネスにおいては、用語を正しく使うことは大変重要ですので、ぜひこの記事も参考に、きちんと意味を理解して、使い分けていきましょう。

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