2021年8月31日勉強会レポート モジュール「在庫購買管理」について

社内勉強会

複数あるモジュールのロジ系の中の1つ在庫購買管理(MM)とはなにかについてのまとめ。

在庫購買管理にはどのような作業があるのか、業務的な目線で考える重要性、SAP導入の際に必要なコンサルタントとしての思考などについて。

 

SAPとは

改めて、SAPとは導入先の顧客の業務を管理し、業務を成立させるための基幹業務システムのこと。

業務を成立とは最短距離で楽にできればいいというわけではなく、正しく手続きされ管理されているということ。

業務のかたまりをモジュールと呼び、複数の種類がある。

 

モジュールの種類

会計 ロジ その他
・財務会計(FI)

・管理会計(CO)

・販売管理(SD)

・在庫購買管理(MM)

・生産管理(PP)

・人事管理(HR)

・プラント保全(PM)

・プロジェクト管理(PS)

※()のアルファベットはSAP業界内の各モジュールの呼称

 

在庫購買管理(MM)について

在庫購買管理とはおおまかに言うと、外部への発注とその状況の管理、発注により届いたもの=在庫を管理すること。

※今回のモジュール説明は機能では無く業務の目線で考える。

 

①在庫管理

在庫管理業務には、棚卸、廃棄、在庫移動、評価替がある。棚卸とは個数の管理。

この個数の管理を業務の目線でどのように行われるのかと考えることがSAP技術者として考えるべきこと。

全ての業務・アクションには「インプット・アウトプット・プロセス」が存在していて、在庫を数えるという業務において何がインプット・アウトプット・プロセスになるのか。

簡潔にいえば届いた在庫がインプット、数える作業がプロセス、数え終わった在庫の数がアウトプットとなる。

 

しかし技術者として業務的な考えをすれば、それだけではない。

そもそも在庫の数というのはシステムで管理されているはずであり、インプットは届いた在庫であるが、システムを絡めるとシステム上に登録されている在庫(帳簿在庫)も含まれることになる。

プロセスは届いた在庫の数とシステム上の在庫の数を比較する作業。

アウトプットが比較した結果と差分、それによって数を数えなおすこと。

 

在庫は届いて終わりではなく、そもそもどのような目的で在庫を管理し、その数を数える必要があるのかということを考え、システム上のデータと実物との差異がないかを確認することが業務の目的ということになる。

棚卸以外にも、在庫移動と言って別の拠点や部署の在庫不足を補うために移動したり、不良品や期限切れ、市場価値がなくなったものは廃棄したり、評価替などを行う。

これは棚卸の負担や手間を軽減することや、新しいものを仕入れるためのプロセスにもなる。

 

②購買管理

購買管理とはいわゆる発注。

外部に発注したあとには、納品・検収行い問題がなければ請求書が届き支払いとなる。

発注書と納品書を見比べながら発注した数と届いたものの数が間違っていないか、破損・汚損による不良品がないか、請求書が届き納品されたものと差異がないか請求書照合をして支払う。

ではこれを業務的な目線つまり「インプット・アウトプット・プロセス」を考えると、インプットが発注書・納品書・請求書、プロセスは照合、アウトプットが支払いとなる。

「だれが」「どのように行うのか」という要素もあり、発注においては個々の組織や担当者が行うケースもあれば、専門の窓口部門に集約して発注を行うケースもあり、それによって考えられる仮説や検証も異なる。

 

③業務・モジュール間のつながり

SAPでは業務・モジュール間のつながりも意識する必要がある。

例えば、発注ではどのように発注数を決めるのか。安全在庫数を下回った時、売上目標、生産計画などを基準に発注する。

ではこの安全在庫数と売上目標というのはどのようにして決まるのか。それは過去の売上やトレンドおよび市場価値などにより分析して決定する。

発注だけをみても様々な業務とのつながりがわかり、在庫購買管理のモジュールだけでなく、ほかのモジュールとのつながりもある。

業務を行うということをイメージしつつ検討を行うことは、モジュール間のつながりも意識することである。

 

3.まとめ

在庫購買管理について業務的目線での内容だったが、共通して言えることは単純に作業をするものではなく、考える・イメージすることが重要である。

単に在庫購買管理といっても発注・在庫管理の業務内容だけでなく、業務には「インプット・アウトプット・プロセス」があることを常に意識して、1度の考えで終わらず、アウトプットだったものがインプットになるか、プロセスがインプットになったときアウトプットはどうなるかなど継続する。

特にロジ領域の業務に関してはイメージが必要。

 

コンサルティングとは企業の導入目的・人員・規模・組織の習性など、企業ごとに仮説を立て検証すること。

世の中に同じ会社というものは存在しない。業種・規模による共通点はあっても全く同じというわけではない。

つまり知らないことが多くそれが当たり前であり、そのような状況でも考えてイメージし続けることが頭脳労働である。

 

SAPの導入とは、ただシステムをセットアップするだけではなく、セットアップをして導入をした企業がシステムを利用したことでプラスの未来を得られるようにすること。

プラスの未来を期待して大きな金額を支払う企業相手に「わかりません」は通用しない。

常にイメージして仮説を立てて検証し続けることを当たり前にできるようにすることが重要である。

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