2022年1月25日勉強会レポート 落としどころについて

社内勉強会

2022/1/25に行った勉強会「落としどころ」についてのレポートと感想である。

 

落としどころとは

落としどころとは、納得可能な着地点という意味であり、社会人に必要な概念といえる。

例で言うと、Aさん・Bさん・Cさんがそれぞれの意見の主張がある場合、3人が3人とも意見を曲げなければ結論を出すことは難しい。しかしそこで、それぞれの意見を通すことができる共通点を探し出し答えを見つけ出すことで、それぞれのベストではなくとも3人の納得がいく答えを出すことが可能である。

これが納得可能な着地点、いわゆる落としどころである。

 

仕事における落としどころ

仕事をする上で、意見がぶつかり落としどころをつけるべきシーンは大いにある。

人間同士の力量に差がないフラットな関係性や、それぞれの案が生産性やリスクがさほど変わらない場合、どちらかの意見をだけを採用してしまうと人は不公平感を感じてしまう。まずは生産性やリスクを比較した上で案を採用すべきであるが、大差がない場合は落としどころをつける必要がある。

さらに落としどころには、人間の様々な感情を平準化する役割もある。人間は感情の生き物であるため、贔屓や派閥により仕事が進められた場合、その時感じた我慢や恨みはなかなか消えない。感情をコントロールする上でもこの概念は重要である。

 

邪魔になる要素

仕事をする中で落としどころをつけるときに邪魔になる要素がある。それは感情と善悪二元論である。

感情とは、落としどころをつけるとき、「あの人の意見ばかり採用されていてずるい」や「お金を払っているから、途中で辞めるのはもったいない」というような怒りや不快感を指す。生産性やリスクという観点を基準にしたとき、「ずるい」や「もったいない」という感情は邪魔になる要素でしかない。

善悪二元論とは、物事を善と悪に分けて考えることである。0であるか100であるかで物事を考えるため、中間は存在しない。これは落としどころをつけるという概念とは相容れない。自分の意見を持ちベストな解決を導くことは悪いことではないが、意見を曲げないことで解決が長引くことは時間の無駄になる。そもそも揉めている時間や期間はあまり良いものではない。早く片付くことで悩みや心配事が減り、そこに割いていた時間を別のことに費やすことができる。そのために多少の譲歩を行い、落としどころをつける方が効率は良いと言える。

仕事・ビジネスシーンにおける判断の場合、まずは生産性やリスクという観点から判断し、それらが拮抗しているのであれば落としどころをつけるべきである。この時に感情や善悪二元論に惑わされ正確な判断力を失わないようにすることが重要である。

 

プライベートにおける落としどころ

プライベートに関しては仕事のように生産性やリスクを踏まえることや、感情を加味しないで判断するのは難しい。さらに落としどころをつけようと提案すると、「あなたはあっちの味方をするのか」と言う人も存在する。この場合生産性やリスクという指標がないため、感情や力関係が判断基準になってしまう。

このような状況に巻き込まれないために、感情的な人間と関わらないことが1つの方法として挙げられる。

 

 

例題

 落としどころをつけるという方法を身近なもので考え慣れるための練習問題。

 

・子供は21時に寝るというルール
・子供が見たいテレビは22時からスタート

上記2点についての解決策と、その解決策の問題点は何か、可能な限り挙げよ。

 

【今回の勉強会出席者の考え】

録画して後日見せる。

問題点:
録画を失敗する可能性がある。
次の日子供が友達とそのテレビの話ができず疎外感を感じる可能性もある。

 

その日だけは特別に21時以降も起きていてOK。

問題点:
睡眠不足になる可能性がある。
ルールが破綻してしまう。
他の兄弟がいた場合は不公平感が生まれてしまう。

 

21時に寝るというルールを決め直す。

問題点:
ルールの改定という名の後ろ倒しになるため、睡眠不足になる可能性がある。

 

ご褒美型にする。

問題点:
要求が高まる可能性がある。

 

ダメなものはダメと伝える。

問題点:
子供の不満が生まれる。

 

まとめ

落としどころとは、納得可能な着地点であるが、状況によってはこれを探るのは難しい。

仕事であれば力関係や生産性、リスクというわかりやすい指標があるため、落としどころを見つけやすい。そこに不満は残るかもしれないが、仕事である以上受け入れる必要がある。

しかし、プライベートでは力関係や生産性、リスクという指標は存在しないため、どうしても感情ベースになってしまう。理解をしたうえでどのような納得をするのかあるいは得られるのか、が重要である。この納得も感情ベースで決められる。つまり納得のいく着地点とは感情が追い付く着地点ともいえる。

 

感想

今回の勉強会を受けて、前職では落としどころをつけることなく、上に言われたことを受け入れている環境であったことを思い出した。もちろんそれは力関係がはっきりしている、自分の立場が低かった、メディアという独特な会社形態であったという様々な要素が関係していたが、やはりその時のもやもやした感情は今でも残っている。納得可能な着地点を探ることなかったが、これからITの世界で仕事を進める上で、前職のような状況になることはこれから数えきれないほどあると思うが、力がないから仕方ないと言って諦めるのではなく、いつか自分の力で納得のいく着地点を見つけ出すような力量をつけていければと思った。

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