このレポートは、9/10に行った勉強会にて触れた、財務会計の振り返りと管理会計のまとめと感想である。
財務会計(FI)の復習
財務会計とは、株主・銀行・投資家など会社外部の利害関係者に対して、会社の財務状況を報告するために行う会計である。
報告は決算にあたり、報告というのは決算にあたり、株式会社の場合、決算を行い、決算報告書を作成し財務状況を公示しなければならないと、会社法にて定められている。
会社外部のために行う会計であるため外部会計ともいわれる。


管理会計(CO)とは
管理会計とは、財務会計とは対照的に会社内部の管理のための会計である。
財務会計では事実だけを記録していたが、管理会計では財務会計の範疇を超えた原価管理、実績と予定・計画(未来のこと)を記録する予実管理も行う。
費用・収益の分析し次年度の経営計画を立て、経営上の意思決定に会社内部に向けてのものであることから内部会計ともいわれる。
管理会計は財務会計のような法律での定めは無く、会社が任意で行うもので期限なども決められていない。
管理会計を行っていない会社もある。
管理していたとしても、業界・業種・会社によって管理する基準は様々でとても複雑な業務である。
原価管理
原価管理とは、製品やサービスにかかった原価を管理すること。
会社は利益を出すために活動しており、利益とは売値から総原価を引いた部分である。総原価というのは売上原価と販売費及び一般管理費を合わせたもの。
- 売上原価…仕入れ代。売上を出すために直接的にかかった費用。仕入れ値、または製造原価がある。
- 仕入値…製品を仕入れて販売するときの費用を指し、製品自体の価格とその仕入にかかる発送費などの経費がプラスされたもの。
- 製造原価…製造にかかった費用、いわゆる材料費・労務費・経費をすべて足したもの。この材料費・労務費・経費にはそれぞれ直接費と間接費とあり、直接費は製造に直接的に関わる費用、間接費は製造に間接的に関わる費用にわけられる。
- 販売費及び一般管理費…売上を出すために間接的にかかった費用。
- 販売費…製品・サービスの提供などに対して生じる経費。広告費や発送費などのこと。
- 一般管理費…会社の管理をするための経費。人件費や交際費などのこと。
原価管理は様々な業務とつながりがある。
今回の例で言うと、売値は販売管理、販売費及び一般管理費は財務会計、仕入値は在庫購買管理、製造原価は生産管理から来ており、これらの業務を適切に把握していない限り原価の計算を正しく行うことはできない。
予実管理
予実管理とは、会社の予算と実績を管理すること。
会社が活動する目的は利益を出すことであり、利益を出すために多くの会社が経営計画を立て目標を掲げる。
計画立案や目標設定というのは、闇雲に行われるのではなく、過去の売上や経費などの記録、いわゆる原価管理をもとに行われる。
1か月・1年にかかる様々な経費、売上見込みなどを考え、製品やサービスの新規計画や規模の拡大・縮小、販売・提供の終了の提案や、交際費の上限や人件費の増減などを考え、会社は事業改善を続け活動していく。
この予実管理の範囲は業界・業種・会社によってどこまで管理するのか範囲は異なる。
まとめ
管理会計というのは内部的なものであるが、会社の活動を続けるためにとても重要な業務であることがわかる。
原価管理の説明の部分で生産管理や在庫購買管理などのモジュールとの関係の話をしたが、直接的なつながりは無くても、財務会計の目的である決算のためにも管理会計は重要であるといえる。
株主や銀行からお金を支援してもらっている以上、会社は利益を出す努力をしなければならない。決算で良い報告ができるように、管理会計という業務をいかに正確に取り組むべきなのか、すべての活動の基盤ともいえるのではないだろうか。
原価管理も予実管理もとても複雑で、今回勉強したものはあくまで一例であり、原価の出し方や、予実管理の範囲などは定めがない。
さらに管理会計を扱うためには他の業務も正しく理解する必要があり、そこからいかに最適な管理ができるかがポイントであるといえる。
複雑な分野ではあるが、見方を変えれば管理会計を理解できていることは高い価値を持つという意味でもあるため、まだまだエンジニアの見習いにもなれていないが、目指したいと思う。
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