2022年1月21日勉強会レポート 概念の展開

社内勉強会

2022/1/21に行われた勉強会「概念の展開」についてのレポートと感想である。

今回の勉強会では、信頼を得るための基礎力の一つである「考える力」の要素の一つにあたる「概念の形成」のあとに行うべき「概念の展開」について理解する目的で行われた勉強会である。

 

概念について復習

まず概念とは、対象の物事に対して共通する要素を指す。

概念の形成とは、共通する要素を定義することや見出すこと。共通の要素を見出していく中で抜け漏れ重複がないか、定義したものが合っているかといった違和感を持ち検証をするというプロセスも必要。

共通する要素を見出す際、ただ思いつきで羅列した場合、必ず抜け漏れ重複が発生し、概念の網羅性・完全性が失われてしまう。またこのやり方は、知識がある物事に対しては有効だが、知識・経験のない物事に対して活用することは難しい。

概念を見出すために必要なことは「切り口」を見つけること。見出した共通要素に整理とカテゴライズを行うことで切り口を導き出すことができる。

物事の真理の追究とは概念があるからこそできることであり、概念という考え方が存在しなかった場合、共通の要素を見出すことは不可能になってしまう。誤解を与えない良質なアウトプットを出すため、概念の形成を正しく行う必要がある。

 

 

概念の展開とは

  • Aが○○であるならば、Bも○○なのではないか
  • AとBには○○という違いがあるから、□□という違いもあるのでは

上記のように形成した概念から、さらに別の切り口を展開していくこと

 

例として料理に当てはめると、和食には煮物という調理法があるが、これは和食固有の調理法であるか・他のジャンルにはないのかと考えること。もちろん煮物は和食以外にも存在すると誰もが考えることができる。このような身近なことに関する概念の展開は、自身が持っている知識から導くことが可能。

 

しかし今後、仕事をする中で知識・経験のないものに対して概念の展開を行っていかなければならない。そのためには適切なアプローチが必要である。

考え方として、煮物という調理法があるとき、そのまま調理法という要素を切り分けるのではなく、まず食べ物には生で食べるものと火を通して食べるものがあることを切り口にする。それから火を通す調理法には焼く・煮る・蒸す・揚げるとリストアップし、次に和食・イタリアン・フレンチなどジャンルを当てはめることで、煮るという調理法が和食固有ではないと考えることができる。

さらにこの展開は1度で終わらせるのではなく、一度定義したものに疑いを持ち、検証を繰り返すことが必要。概念の展開が雑ではないか、また無理やり行っていないかを確認することで、精度が高まる。

勘所のいい人は無意識のうちに行っていることが多いが、それが概念の展開であるという概念は持ち合わせていないため、毎度同じパフォーマンスを発揮できてない場合がある。仕事をする上で概念の展開が必要になってくる我々はこれを習得する必要がある。

 

 

概念の展開の重要性

概念の展開は様々な場面で活用できる。

未経験の仕事を行うとき

例えばシステム導入プロジェクトを行うとき、一つとして同じ現場はない。導入する会社・業種・従業員数・プロジェクトメンバー・システムの構成・システムが担う役割・お客さんの要望といったすべての物事が異なる。つまり経験のないことを行うことになるが、そのとき未経験の人間と同じように不慣れで生産性が低い1からのスタートは通用せず、さらに言うとそのような人間は求められていない。

経験したことが全く役に立たないという意味ではないが、記憶としての経験は必ずしも価値には結びつかず、新たなプロジェクトの要求で記憶が役に立つことは稀である。エンジニア・コンサルタントという職種が担う役割において、全体から見れば記憶が活用されるケースは多くない。

そのため、未経験の役割や作業において、概念の展開を行うことが肝要であり、1からのスタートになることなく即戦力として活躍することの助けとなる。

 

資料作成

概念の展開は資料作成を行う場合でも活用される。

統一感がない、内容が伝わりづらい資料は概念の展開が十分に行われていない。伝わらない資料は資料としての意味を持たず、目的を達成し得ない。書き方や言葉の表現、レイアウトや色・オブジェクトなどの統一も概念の展開といえる。統一感があることで、資料を見る側はストレスなく理解することが可能になり、目的達成のための手段となる資料を作成できる。

 

これだけでなく概念の展開は様々な場面で、規模の大小関係なく活用が可能である。

 

 

感想

概念の展開という言葉を初めて聞いたが、内容を伺うと難しいものではなかった。しかし、自分が実践できているわけではない。

勉強会の中でもあった通り、これからプロジェクトに関わるようになったとき、自然と行えるようにならなければならない。

この勉強会に限らず、これまで習った内容を意識せず行うためには、まずは自分がやらなければならないことを意識することから重要だが、いきなりは難しいと感じた。日々の物事から概念の展開に限らず様々なことを実践していく必要があり、それをさらに業務で役立たせる必要がある。学んだことを一回聞いただけで終わらせることなく、身につくものにするために何をすべきなのか、改めて考える必要があると感じた。

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