2022/2/8に行った勉強会「ITリテラシーについて②~ITリテラシーが低い人~」についてのレポートと感想である。先日行ったITリテラシーについての続きになるテーマであり、今回はITリテラシーが低い人にはどのような特徴があるのか、どのようなことを心がける必要があるのかについて触れていく。
おさらい
ITリテラシーとは、ITに関しての理解するための考えであり、ITLS(IT Literacy Standard)により以下のように定義されている。
「社会におけるIT分野での事象や情報を正しく理解し、関係者とコミュニケートし、業務等を効率的・効果的に推進できるための知識・技術・活用力」
ITを利用する人すべての人間が知っておくべき概念である。

「ITリテラシーが低い人の特徴」と「そうならないために意識すべきこと」
ITリテラシーが低い人には以下のような特徴がある。そして、そうならないためにはどうすれば良いのかを紹介していく。
理解が曖昧で表面的である
物事や言葉の意味を理解せずニュアンスだけを捉え、我が物顔でその言葉を使っている表面的な人を指す。「それらしい言葉を使える、自分はできる人間だ」とアピールしたいという気持ちから、このような行動をとる。
しかし、曖昧な言葉を使うことは、相手がその言葉を理解するために時間を要してしまう。つまり相手の時間を無駄にしているということであり、仕事の効率を下げてしまうということを自覚することが重要である。
- 漠然とした言葉を使わない
物事や言葉の意味を理解していない状態で使わないこと。何も理解してない漠然とした状態で言葉を使うのではなく、理解した上で抽象化することは問題ない。 - きちんと調べる
わからないことがあった場合、そのままにするのではなく調べる癖をつけること。 - 定義づけを行う
漠然とした言葉を使い調べていない状態では、定義づけることはできない。特に頭脳労働を行う人間であれば定義づけたうえで考え・判断するという手順は必須であり、必ず行わなければならない概念と言える。
調べない・面倒くさがる
何かわからないことがあったとき、すぐ人に聞く人間のことを指す。
- 「まず人に聞く」をしない
少し調べ、自ら確認することで解決できることばかりを聞くというのは、相手の時間を無駄にしていると言える。新人や立場の弱い人間の場合、わからないことが多く質問をする機会も多いと思うが、わからないからという理由だけで、何も考えずに質問ばかりしてはならない。
しかし、役職が上の人間は例外である。役職が上の人間は、仕事の量・お金・時間の価値が異なるため、考えることに時間を割くよりも重要なことが多いからである。 - 「まあいいや」で済まさない
わからない状態で放置しないようにすること。担当者に確認を取らないとわからない、時間を費やして準備をする必要があるような状況といった、その場で結論を出すことができないようなとき以外では行ってはいけない。 - 手間を惜しまない
手間をかけることは、成長や経験を積むために必要な行為である。これからレベルを上げるべき人間が手間を惜しむことは、成長を拒むことと同じと言える。何もスキルがない状態であるからこそ、誰でもできることを率先して行い時間を掛ける必要があり、手間をかけることは成長・成功への先行投資である。
リスクを理解できていない
ネットワーク上の小さな言動が多くの人に迷惑をかけてしまうかもしれないことをケアできないなど、危険性を理解できていないということである。日常生活ではリスクを理解し、不要な言動をしないように気を付ける人はいるが、ITに関して無頓着な人間が多い。ITリテラシーとして注意するのではなく、すべての行動において気を付けるべきである。
- トラブルになりそうな言動をしない
SNS上で、ネガティブな内容や、人が傷つくような内容を書かない。ネットワークというものは老若男女関係なく不特定多数の人が常に見ており、便利な部分もあるが、いつみられているのかわからないという恐怖感もある。ネットワークの恐ろしさを理解することで、不要な発言は自然に控えられる。 - 疑いを持たれるような言動をしない
自分のスマートフォンを業務用PCで充電するといった行為をしない。この行為はただの充電であってもデータを抜き取ろうとしている、悪質なウイルスを送りこもうとしていると他人から疑われてしまう。自分は悪意のある行為をしているつもりはないかもしれないが、その行為によりトラブルにつながる可能性もある。疑いを持たれる言動をしないことは、トラブルにつながらないためにも必要なことである。
何もしてないのに壊れたと言う
ITリテラシーがない人間は無能が多いという話につながるが、そういった人間は自分の非を認められない。何もしていないはずはないが、怒られたくない・責任を取りたくない・トラブルを起こしたくないという考えからこのような言動をしてしまう。
- 自分の非があれば認める
何もしていないのに壊れるということは少なく、動かなくなった原因は必ず存在する。まずは自分の非を認めることが必要であり、認めることで同じことを繰り返さないようにと人間は学習する。 - 勝手な判断をしない
勝手な判断をしている人間は、自分自身が勝手な判断をしている自覚がない。何もしていないのに壊れたというのも、勝手な判断から生まれる発言である。自分が対象の物事について判断できる能力がない場合は、このような勝手な判断をせず非を認めることが重要である。
情報を疑わず鵜呑みにする
テレビや雑誌、新聞等のメディア、人が言ったことが正しいと思い込み、そのまま受け入れてしまう人。このような人間は「テレビで放送していたから」「○○さんが言っていたから」と発言することが多い。メディアで流れた・人が言っていたというのは事実であるが、それが正しさに直結するわけではない。
- 検証を行う
情報を鵜呑みにしてしまう人間には検証を行うという概念がない。検証をするという概念を持ち習慣づけることで、情報を鵜呑みすることはなくなる。検証というのは実験を行って結論を出すという意味ではなく、フラットに物事を考え一方的な見解を持たないようにするという意味である。 - サボらない
情報を検証せずに鵜吞みにしてしまうのはサボっているということである。さらに自分が鵜呑みにした情報が間違っていたとき、自分で検証もしていないのに情報源が間違っていたと他人のせいしてしまう。考えることをサボって人のせいにしているだけである。検証を行っていれば間違いに気づく可能性は高くなるため、サボることは悪質と言える。
注意すべきITリテラシーが低い人の行動
- メールアドレス、URL、ID/PASSを口頭で伝える
口頭で伝えることにより第三者に聞かれてしまい、情報漏洩につながる可能性がある。また、言い間違い・聞き間違いが発生し、正しい情報が伝わらない可能性がある。 - メールアドレス、URL、ID/PASSを付箋やメモに書き、PC等に貼り付ける・人に渡す
このケースも第三者に見られてしまい、情報漏洩につながる可能性がある。また、字が汚かった場合、読み間違えてしまう可能性がある。 - 業務用のパソコンでスマートフォンを充電する・私物USBを接続する
先ほども記述したが、データを抜き取ろうとしている、悪質なウイルスを送りこもうとしていると他人から疑われてしまう。 - 共有のパソコンに個人情報を残す
業務での共有パソコンに限らず、ホテルや図書館等の公共の場所に設置されているパソコンに個人情報を残してしまった場合、その後使用する人間が個人情報を安易に取得できてしまう。
まとめ
これまでITリテラシーが低い人間について触れてきたが、ITリテラシーが低いというのは人間として頭が悪いことと言える。自ら考えられる人間はこれまで記述したような言動を行うことはない。ITリテラシーは特別難しいことではなく、一般常識の範囲であり、内容を詳しく知らなかったとしても、無意識に行ってはいけないことであると理解できるはずである。
今後ITリテラシーはITに関わる業務・生活の中で知らなかったでは済まされない概念・常識として重要度を増していくと思われる。
感想
前回に引き続きITリテラシーについて扱ってきたが、内容を聞き進めていくとまさに一般常識の範囲であると思えた。
それと同時に、上記のような言動をする人を多く見た経験や、自分も間違ったことをしており、疑いを持たれることやトラブルにつながりそうになったこともあった。一般常識として普段の生活において様々な行動に気を付けていても、ITにおいては反映できておらず、ただスマートフォンやパソコンの普及により、世の中が便利になったというメリットの部分しか考えていなかったことを痛感した。何事においても一つ一つの行動に責任を持つべきであり、自分の安易な行動が自分を苦しめるだけでなく、多くの人に迷惑をかけてしまうことを理解し、ITと向き合う必要があると感じた。
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