この記事は新婚旅行を海外で過ごした体験談となっている。私は28才で結婚して、結婚式を挙げた翌々日に新婚旅行へ出発した。場所はインド洋の宝石や地上の楽園とも呼ばれるモルディブだ。
俗に海外旅行にトラブルはつきものだが、特に新婚旅行は挙式が終わり一息つくタイミングで、ストレスもより感じやすくなっているという話もある。それもケンカの一要因であったのかもしれないが、まさかあんな大ゲンカに発展するとは…
モルディブを新婚旅行先として選んだ理由
みなさんは海外の新婚旅行先として思い浮かべる国はどこだろうか?ハワイやヨーロッパ、オーストラリアなどは非常に人気が高い。それと並んで人気があるのがタヒチやモルディブだ。
ハワイは日程が合わず、ヨーロッパは長時間のフライトが苦手で、オーストラリアは行ったことがあったため、今後行く機会がないであろうモルディブを選んだ(2022年に再訪問することになるとは…)
また、綺麗な海と白い砂浜に囲まれた場所にただ身を置いて、ゆっくりと二人だけの時間を過ごしたかったのが理由でもある。
タヒチもモルディブと同じくらい新婚旅行先として人気があるが、当時モルディブの方が費用が安いという点が最終的な決め手になった。
旅行プランやモルディブについて
これからモルディブに新婚旅行もしくはプライベートで行かれる方もいるかもしれないので、選んだプランやモルディブについても少し触れておきたい。
モルディブについて
約1200の島々からなる島国で観光業がメインである。モルディブはイスラム教であり、首都はマレ。宗教はイスラム教なのでお酒の販売はしておらず、マレ市街のレストランでもお酒はメニューに載っていない。※各リゾート地ではお酒は飲めるのでご安心を。
気候については日本の夏と同じくらいで、スコールもある。そこまでカラッとしている感じではない。また、マレ市街地の治安は良好で日本と同等レベルと言われている。とは言え女性は肌の露出を控え、不要不急の外出はしないほうが良い。これは日本でも言えることだが。
なお、私たちのようにツアー会社にお願いした場合、空港に着いてから添乗員の案内の下、すぐに各島へスピードボートで移動する。
そのため、マレ市街に滞在することはないのだが、空港からフェリーを利用して10分くらいでマレに到着できるので、時間に余裕があれば是非お立ち寄りいただきたい。
また、私たちが新婚旅行に行ったのは10年以上前だが、ひょんなことから2022年にもう一度モルディブを訪れている。その際はマレ市街に滞在していたので、また機会があればご紹介したい。
モルディブまでの経路について
モルディブまでは以下3パターンの経由方法がある。
- 成田空港からスリランカ航空を利用して、コロンボを経由で行くパターン
- 羽田空港からエミレーツ航空を利用して、ドバイ経由で行くパターン
- 羽田空港からエミレーツ航空を利用して、シンガポール経由で行くパターン
旅行プランに余裕があれば、トランジット先で楽しむのもありかもしれない。
私たちはツアー会社に任せていたので、成田空港からスリランカ航空を利用するパターンだった。コロンボで乗り継ぎを含め、出発から到着まで約8時間くらいだった。
旅行プランについて
私たちはクラブメッドというツアー会社を利用した。今から10年以上前だが、費用は朝、昼、夜と食事付きで3泊4日で50万円くらいだったと記憶している。
宿泊施設として水上コテージを選択できるが、その分費用はぐっと上がる。私たちは水上コテージではなく、陸にある2人用の戸建て宿泊施設に宿泊した。
もし金銭面で余裕があれば、水上コテージへの宿泊をおすすめしたい。それだけで気分はさらにリゾート感を感じることができるだろう。
また、現地に日本人スタッフが多数いるため、英語を使えずとも現地で困ったときに何かと頼りなる点も本ツアープランの魅力でもある。
いざモルディブに出発!
成田空港から1回乗り継いで約8時間の旅。私も妻も海外旅行は初めてではないが、2人で海外に行くのは初めてだった。
若干緊張はしていたと思う。空港で食事をしたり、免税店を回ったりしたのも何だかいつもと違う新鮮さがあった。スリランカ航空の機内食は美味しく、新婚ということでケーキのサービスもあり、これには2人とも感激した。
機内では映画を見たり、本を読んだりとそれぞれの時間を過ごし、間もなく到着するモルディブに思いを馳せていた。
戦慄!島に向かう途中での恐怖体験!
モルディブに着いて無事入国手続きを済ませた後、添乗員がお出迎えをしてくれた。
さすがにリゾート地ということもあり、10社以上のツアー会社がそれぞれの乗客の到着を待ちわびていた。
空港から各島へはボートでの移動となる。同じツアー会社を利用して来た日本人達と合流し、ボートに乗り込んだ。島までは約15分で到着するとの説明を受けていた。
ボートのエンジンがかかり、しばらくはゆっくり進んでいたが、突然トップギアに!
想像してもらいたい。知らない異国の地で真っ暗闇の中、ボートに乗った途端に猛スピードで海を駆け抜ける恐怖を。
海も穏やかではなく、波も若干荒い。その波に合わせて時折ボートが上下に激しくジャンプしている状況を。
そんな中、船員をちらっと見てみるとニヤニヤと笑っているじゃないか。
楽しんでいる場合ではない。本当にこの人たちは信頼できるのか?
私は泳ぎが得意だが、妻も助けられるのか?私だけ生き残ったらどうしよう。
モルディブで新婚旅行に行った日本人2名が、海で溺死。そんなニュースが日本で流れるかもしれない。
万が一の場合は、映画タイタニックのジャックを演じるレオナルド・ディカプリオみたいにかっこよく最期を終えるか。なんてことを本気で考えていた。
もはや体感的には15分ではなく、1時間以上乗っていたのでは?と思うくらいに長かったし、島の明かりが見えてきたときには本当に心底ホッとした。
モルディブ人のナンパ!?嫁大丈夫?
やっとの思いで無事島に到着した後は、疲れ果てて寝床に向かい爆睡した。
翌朝起きてみると、目の前にはまさにネットで見た情報と同じ透き通った綺麗な海と白い砂浜が広がっており、モルディブに着いたことを実感し始めていた。島の大きさは30分くらい歩けば、島を一周できてしまうぐらいの場所だった。
モルディブ人のスタッフも多数いた。私たちはビーチベットでのんびりしたり、海に入ってシュノーケリングをしたり、プールでお酒を飲みながら、楽しいひと時を過ごしていた。
いい意味でゆっくりできるが、その分やることがない。何もしなくていいというのは意外に退屈なのかもしれない。私はひたすらビールを飲んで、気づいたらビーチベットで寝てしまっていた。
ふと起きると、妻が横にいないことに気づいた。探しにいくと、何やらモルディブ人と仲良さそうに話しているではないか。妻は私と違って社交的なので、割と知らない人でも話せるタイプだ。恐らくモルディブ人が声をかけたのだろうと思っているが、旦那の登場ですよ。と言わんばかりに間に入ってモルディブ人はどこかに去っていった。
今同じ場面に出くわしたとしても何とも思わないだろうが、当時は酔った旦那をほったらかしにした上、知らない男に声をかけられて、仲良くしているなんて許せん。と心のどこかで思っていたのかもしれない。これが火種になって事件が起きる。
ついに勃発!初めてのケンカはモルディブで!?
最終日の前日にそれは起こった。
私たちは結婚する前に約7年の交際期間があったが、ただの一度もケンカをしたことがなかった。お互いに興味がないということではなく、ケンカをする理由が見当たらなかった。それこそ波長が合っているのだと信じてやまなかったが、ついにその時が来てしまう。
マレから島に、20人くらいのお土産屋が来た日だった。島の中にもお土産屋はあるが種類は限られているし、そんな中お土産屋が様々な品を持って来たので、私もテンションが上がっていた。
前述の通り、島ではやることがないので、目新しいものがあればすぐに食いつく状態。
絶対に日本に戻った時に後悔するであろうわけのわからない置物とかが、なんだか神秘的に見えるし、おしゃれに見える。
ただ金額を見てみたら、結構高いなという印象を受けた。妻は楽しそうに見ていたので、あんまり買いすぎちゃだめだよと伝えて先に帰ることにした。
部屋で妻の帰宅を待っていると、両手に大量のお土産を抱えて帰って来た妻。
随分買ったなと思い聞いてみると、安かったからいっぱい買っちゃったという答えが返ってきた。
おかしい。安くはないはず。まけてもらったのか?と思い、手持ちのお金を確認してみたところ、全然手持ちが残っていないではないか。
昨日の件もあったし、若干イライラもしていたが、妻は悪びれる素振りも見せずに、
お金はなくなってないからと意味不明な言動を繰り返す。
現にお金が無くなっているにも関わらず、計算は間違っていないと認めない妻との押し問答が続き、堪忍袋の緒が切れ大ゲンカ。
妻も強情で絶対に非を認めない。これは埒が明かないと思い、仕方なく日本人のスタッフに助けを求めた。
買ったお土産を全て見せて日本円でいくらですか?と聞いたところ、トータル金額を聞いて絶句した。
なんと10数万円分使っていたのだ。それを聞いてさらに妻に腹が立ったが、なんとしてもまずは返金してもらわないといけない。
返金ってできるのか。私たちの英語力では絶対に無理だと思い、日本人スタッフに泣きついてお土産屋に交渉してもらえることになった。
案の定向こうは返金には応じられないと言い張っていたが、日本人スタッフの懸命な説得によりなんとか返金してもらった。
本当に日本人スタッフには感謝しており、お土産屋には真摯に謝ってなんとか事なきを得た。お互い部屋に戻った時は、言葉を交わさずに眠りについた。
今思えば、これは妻との長い結婚生活における第1ラウンドの始まりのゴングだったと思う。
まとめ
新婚旅行は特別で、2人のテンションも爆上がりになるのは間違いない。私たちも実際に楽しかったし、ケンカをしたことも今思うと良い思い出だ。
ただ、一歩間違えると普段しないようなミスをすることや、第三者を巻き込んだトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要だ。
ミスやトラブルが発生した際は、感情的にならずに冷静に対処することが重要なのだとつくづく感じた。その上でこれから先、暮らしを共にするパートナーを思いやることも大切なのかもしれない。
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