はじめに
これは、2021/10/30にSAP認定を久しぶりに受験した時の話。
できれば、それなりにキャリアのあるオッサンほど読んでほしい。
なぜ受験しようと思ったか?
背景は、みっつ。
ひとつめは、SAPにはCALというクラウドで気軽に使うことができる環境があるのだが、それを使うため。
正確にいうと、誰でも使えるのだが、期間限定のお試しだったり、バカ高い正規のライセンスを購入する必要がある。
SAPパートナーであれば格安で使うことができるのだが、そのためには認定資格を持ったプロパーが複数人必要だったので受けることにした。
ふたつめは、従業員が増えてきて、色々と指導したり勉強会をしたり、資格取得を強要したりしているのだが、頭である自分がオレ関係ないもんねーというスタンスでは示しがつかないこと。
みっつめは、単に久しぶりに資格試験というものを受けてみようと思ったから。
様変わりした認定試験
恐らく16年ほど前にFIとSDとMMを受けたのだが、その時はSAP社に出向いて受験した。
コロナのせいでリモートになっている話は聞いていたのだが、リモート受験ってどんな感じなのかな?という漠然とした不安はあった。
パスポートを見せないといけない等は予め認識していたので、WebカメラのあるPCじゃないとダメなんだろうなーくらいの認識でしかない。
ただ、試験官が英語しか話さないとのことだったので、その点は少し日和った。
というのも、海外の案件も日本語が話せない人との関りも10年くらいはなく、ただでさえ貧弱な英語力が更にナマクラになっていることは想像に難くない。
とはいえ、試験を受ける程度のコミュニケーションであれば大丈夫でしょ!という平常通りの楽観的なスタンスでしかなかった。
金の払い方
以前は、普通に5万払って受験したと記憶している。
今回もそうなんだろうと思っていたら、全然違っていた。
どの試験をいくらで受けるという方式ではなく、何らかの試験を受けることができるチケットを買うという方式に代わっていた。
1年の間で1回受けられるチケットなら2万ちょい、6回受けられるチケットなら7万ちょいという2通りがあった。
今回は、私とスタッフのみさきちゃんの2名が受けることにしたので、2名分で15万くらい。高い。
みさきちゃんには3つくらい受けてもらわないと帳尻が合わん。
私はもちろん、新人がちょっと勉強して受かる程度の試験のわけだから、どうせなら6つ取ろうと考えていた。
この時はまだ、完全に舐め切っていた。
試験対策
まったくしなかった。
だって、新人や若手がちょっと勉強したくらいで合格する程度の試験だよ?
俺様20年もSAPやってるのよ?馬鹿なの舐めてんの?
自力だけで受かるに決まってるじゃん。
前に受けたFIとSDも、それで受かったし。
その日の夜も、飲みに行っていた。
自分が落ちるなんて、1%も考えていなかった。
いざ、試験
10月の中下旬ごろ、みさきちゃんから合格の連絡があり、安心した。
まあ彼女は優秀だし、これからSAP業界で活躍していく人材なのだろうから、社会人になる前に取ることができてよかった。
そこで、そうだ、俺も受けなきゃ!と気づく。
私が取れたら、CALがまた使えるようになるんだから。
試験の予約
予約はWebから可能で、なんなら当日でも即予約可能であることに驚いた。さすがグローバル企業のSAP社。
金曜の夜に予約して、土曜の15時から受けることにした。
その前に、専用アプリのインストールやらZoomの動作確認やらを済ませる必要があったが、すぐに終わった。
明日サクッと受かるだけだな、としか考えていなかった。
試験の開始
前の日に飲みすぎて、昼過ぎに起きる。
メシとフロを済ませ、試験を受けるオフィスへ。
事前に、不正防止のため同じ部屋に誰もいないこと等の条件は聞いていたので、誰もいないことを確認し、接続。
接続トラブルがあり少し遅れてしまったが、5分ほど遅れて接続しても受けることはできた。
試験官の英語が聞き取りづらい。
こいつの英語ややこしいなー、なんて思ったが、何のことはない。
暫く英語でコミュニケーションを取っていなかったので、自分の耳が腐っていたのだ。
ここで一つ落ち込む。
パスポートを見せたり、部屋の中に誰もいないことをWebカメラで確認したり、色々。
不正防止のため携帯電話や紙とペンなどがデスクにないことなどをチェックされたが、コーヒーや煙草は何も言われなかった。
試験の最中もスパスパ吸っていたが、特に怒られなかった。
次に、試験を受けるためのアプリを立ち上げるのだが、まあこのアプリが重いし動きがおかしい。
とにかく遅くてホワイトアウトした画面が続く。
試験官に急かされるのだが、急かしたいのはこっちの方だ。
本番スタート
ようやく画面が切り替わって試験が始まり、言語を選んでスタート。
ここからは、以前に受けた試験と殆ど同じ。
全部で80問あり、ラジオボタンかチェックボックスで回答するスタイル。
記述式の問題は一つもない。
で、難儀したのが、なぜかAlt+Ctrl+Delを押さないと画面が切り替わらないこと。しかも、毎回。
問題が表示される→回答するが画面に反映されない→Alt+Ctrl+Del→回答が反映される→次の問題へをクリック→Alt+Ctrl+Del→次の問題に遷移・・・という具合。
これがなかなかストレスフル。
で、問題を解いていくのだが、サクサクと確信をもって回答できるのはGLや組織などだけで、S/4ならではの問題や元々詳しくない固定資産は確信が持てない問題ばかりだった。
ショックだったのは、APとARがあやふやだったこと。
いや、確かに督促だとか連絡文書だとか触ったことのない機能もあったが、そもそも20年もやっていて触ったことがないことや、触ったことがある機能のことがあやふやなのかよ?と自分自身にショックを受けた。
自分のSAP屋としての力量は全く疑っていないが、キャリアの長さでなんとかしていただけで、本当はSAPのことをしっかり理解していなかったのだなと愕然とした。
また、自信を持つことはよいこと(というか当たり前のこと)ではあるが、甘く見たり舐め腐ったりというのはよろしくない。
試験はあくまで試験なのだから、事前準備や心構えを正しておくことは、当然すべきであったと反省している。
試験を終えて
結果から言うと、落ちた。
そしてその後、3時間後にリベンジして合格した。
試験結果
一回目のスコアは、AP&ARが24、決算が57、GLが75、組織&プロセス統合が58、概要と導入が20、固定資産が50、トータルが50。
二回目のスコアは、AP&ARが65、決算が67、GLが88、組織&プロセス統合が86、概要と導入が88、固定資産が80、トータルが79。
一回目の敗因は、AP&AR、概要と導入、固定資産。
AP&ARは督促と連絡文書あたりが曖昧だったこと、概要と導入はS/4自身やSAP社が謳っていることを把握しきれていなかったこと、固定資産は単純に知識不足。
とにかく、舐め腐っていた自分自身のマインドが問題だったということに尽きる。
問題について
ここでは個別の問題には触れないが、実際にFIコンサルとして現場で求められる知見についての問題は半分もなかったように思える。
支払プログラムや組織構造、チェック代入や伝票タイプなどは身近な問題なのでスラスラ解けたのだが、とにかくS/4になってからの導入理論やエイジングあるいは決算コクピットなど馴染みのない問題に難儀した。
このあたりは、FIコンサルとして現場で求められるか否かは置いておいて、試験対策として勉強しておく必要がある。
また、存在自体は知っていても大して使い込んでこなかった、パラレル元帳や通貨タイプおよび会計原則などは理解の浅さが浮き彫りになった。
それなりにキャリアがあっても、最近触っていない機能なんかは立ち戻って認識を正さなければならないし、S/4で追加変更になった部分のキャッチアップはしなければならない。
最後に
SAPという製品の知見や導入については、相当な自信を持っている。
だからこそ、若手や新人がちょっと勉強すれば取れる程度の試験なんて準備もせずに合格して当たり前だと思っていた。
でも、試験は試験なんだから対策はしなきゃダメ、過去の蓄積でやっていけているし~ではなくS/4になってからの差分のキャッチアップはしなきゃダメ、分かっていることも分かった気になっているだけだったりするし理解が曖昧だったりするのだから正しい理解を定着させなきゃダメ。
結局は受かったとはいえ、自信家の20年選手が若手や新人が受かる程度の試験に落ちたのだ。
その事実は消えない。
これからの自分の戒めにしようと思うことができたことは、良かったのだと思う。
株式会社Exciter代表。アラフォー。釣りとSAPが好き。
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