2022年3月11日勉強会レポート 確率について

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はじめに

3/11に行われた勉強会の「確率」についてのレポートとまとめである。

以下に挙げる問題は数学における確率の勉強を主としたものではないため、正確な数字を出すことではなく、確率が低いか高いかのイメージのズレを学ぶことを目的としている。

 

問題1「クラスで誕生日が被る確率」

 

問:クラスに30人いて誕生日が被っている人がいる確率は?

答: 71%

 

10%以下だと考えた人も多いのではないだろうか。

「低い確率」だと思われがちだが、それは自分の体験上や1年が365日あることからあまり高くならないというイメージがついてしまっているためである。簡単な計算式で出せない確率はこのように脳の中のイメージから勝手に算出するが、このイメージによる確率と正しい「確率」は大きくズレてしまっていることが多い。このような勝手なイメージを取り除かないとフラットな考え方ができないとも言える。

 

問題2「ガチャの当たる確率」

 

問:当たりが1%のガチャを100回まわした時の当たる確率は?

答:64%(計算式:1-(99/100)^100≒64%)

 

1%だから100%まわしたら絶対当たるかというとそれは間違いである。

例えば50%当たるガチャを2回まわすと当たる確率は1-(1/2×1/2)=3/4=75%と計算式に起こせるだろう。数が大きいため計算するのは難しいだろうが、別の計算しやすい身近な数字で試してみてから考えることが重要である。

 

問題3「勝ち負けギャンブルにおける確率」

 

問:所持金が1万円で、勝つと+1,000円、負けると-1,000円の勝負をする。勝負は所持金が2万円になるか、ゼロになるかまで続けるとする。

このとき勝率が55%とすると、ゼロになる確率は?

答:14%

 

勝率が55%という点がポイントとなる。ただの勝ち負けであれば50%だが、勝率が55%であることからゼロになる確率の方が2万になる確率より「低い」と予想できる。

そこで期待値を求めてみよう。

仮に100回チャレンジしたとすると、

100×55%(勝つ確率)=+55,000円

100×45%(負ける確率)=-45,000円  つまり+10,000円の期待値となる。

所持金を2万にするためには1万の儲けが必要であることから、この問題では100回やれば勝てるということが分かる。負ける可能性については8回連続で負ける等といった極めて低い可能性であることも予測できる。

 

問題4「コインの裏表が出る確率」

 

問:コインを5回投げると全部表が出た。もう1回コインを投げた時に表が出る確率は?

答:50%

 

この問題では「5回投げた後、次コイン投げた際の表の確率」を聞いているのであって、「6回連続で表が出る確率」ではないことがポイントである。「5回投げて全て表だった」というのは既に固定された話であり、その後の確率に関わるものではない。つまり、表・裏ともに50%で出る。同じように、100回投げて全て表だった後、101回目はどうなのか、という問題でも50%の確率で表が出るという答えを導き出せるだろう。

 

問題5「袋の中の石における確率」

 

問:袋の中に1個以上の石が入っている。(袋の中の石の数をxとおくと、x≧1)1回で取り出した石の数が奇数である確率と偶数である確率どちらが高いか。1回で何個でも取り出すことが可能であり、くわえて石は区別するものとする。

答:奇数の確率が高い

 

1個以上入っているという点がポイントである。

このようにXに何の数字を入れて良いか分からない場合は、X=3(奇数)だった場合とX=4(偶数)だった場合、のようにパターンにわけて考えると良い

【X=3の場合】

1つ:A・B・Cだけ 3パターン

2つ:AB・BC・AC 3パターン

3つ:ABC 1パターン

⇒奇数個(1つ・3つ)は、4パターン

偶数個(2つ)は、3パターン

【X=4の場合】

1つ:A・B・C・Dだけ 4パターン

2つ:AB・AC・AD・BC・BD・CD 6パターン

3つ:A・B・C・D以外 4パターン

4つ:ABCD 1パターン

⇒奇数個(1つ・3つ)は8パターン

偶数個(2つ・4つ)は7パターン

 

どちらにせよ奇数パターンの方が多いことが分かる。

※X=0以上の場合は0も含まれるため、求められる確率は変わる0個以上であれば奇数も偶数も変らず50%だが、1という奇数が入る以上奇数の確率が上回る。

 

個数が分からないから何にも分からない!と考えを放棄してはいけない。

このパターンならどうだろうか、別のパターンならどうだろうかと考え、検証していく力が問われた問題である。

 

問題6「無限ホテル」

 

問1:無限に客室があるホテルがあり、今は満室となっている。そのホテルにもう1人泊めるにはどうすればよいか。※ホテルは1室1人が定員とする

答:部屋を1つずつ隣に移動してもらい、空いた1号室に新たに来た客を泊めさせる 

 

問2:問1と同じ条件で、次は1人ではなく無限の人を泊めるにはどうすればよいか。

答:既に宿泊している人には、今いる部屋の番号を2倍にした番号の部屋に移動させる。それにより奇数の番号の部屋が無限に空くためそこに案内する。

 

既にいる宿泊者に移動する部屋の番号を明確に伝えられるような方法をとらなくてはならない。そこで、偶数だろうが奇数だろうが×2をすると数は全て偶数となる性質を利用する。1人や100人など数字が決まっていれば問1と同じやり方で良いが、無限になるとそうは言えない。(無限+1の部屋に移動してほしいでは意味が通じない)

 

「無限」という普段使わない概念と「満室」という矛盾した問題で惑わされた人も多いだろう。私達が普段考えていることがいかに有限の世界の中での話かということが問題を通して分かる。

 

まとめ

 

確率は◯◯%と数字に表されることから絶対的な数値に見えるが、統計と同様にその実態についてはよく理解されていない。例えば50%という数値でも、宝くじが当たる確率であれば「高い」と思い、病気が治る確率と言われると「低い」と感じる。このように同じ50%という数字でも対象によっては高いか低いかのイメージが大きく異なってしまう。つまり確率にしても、結局のところ、イメージを頼りにして我々は判断する傾向にある。性質上仕方のないことではあるものの、そのような固定観念が自分の想像を阻害する事実を知ることは大切である。

コンサルタントとして、固定観念に支配されたままではユーザーの求めるものを提案することが難しく、自分の頑固な考えを捨てて柔軟に考えるスキルを身に付けるべきだと改めて感じた。また確率は数学として扱われるが、ビジネスにおいては計算が苦手だから解けない、ではなくどうすれば解けそうかと考えながら試行錯誤し、予想していくことが必要とされるだろう。

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