当レポートは、業務フローの役割を明らかにした後、販売管理の業務フロー(在庫出荷・仕入先直送・返品)について大まかな流れと、抑えるべきポイントを述べます。
業務フローとは
業務フローとは、業務の流れを「誰が」「何を」行うのか、明確に示した図です。
図で表すことにより、視覚的に理解しやすく、見る人によっての認識のずれが生じにくいメリットがあります。
裏をかえせば、業務フローは誰が見ても認識のずれがないものでなければならないという事です。
そのため、自分だけが理解できるというものではなく、業務フローを見る人の立場に立って作ることが求められます。
また、「業務フローは文章を書かないから簡単に書ける」というものではなく、文章で説明すべきことを図に凝縮させなくて示さなくてはなりません。
販売管理とは
販売管理とは、モノやサービスを販売し、その対価をもらう販売行為を管理することです。
当レポートでは、販売の業務にあたる在庫出荷、仕入先直送、返品について述べます。
業務フローを理解する
ここからは、業務フローを書きますが、これらを暗記することには全く意味がありません。
業務の順序や、やり方は企業によって異なり、それら業務を反映する業務フローも企業によって異なります。
業務フローに関しては、本質を理解することが大切です。作業の本質を理解していれば、企業ごとに業務の順序や、やり方が異なっていようと対応でき、業務フローを書くことができます。
在庫出荷
企業自らが抱えている在庫を顧客の注文に対して出荷
☆Amazonのネットショッピングをイメージ
在庫出荷の業務フロー
在庫出荷の大まかな流れ
発注→在庫を保管している場所に出荷指示→商品の出荷処理→商品を出荷→顧客に対価を請求
- 大まかな流れについてはどの企業においても同じですが、「場所(どこに商品を保管しているのか)」や「対価を請求するタイミング」においては取引条件によって異なります。
在庫出荷のポイント(仕入先直送にも共通)
- 上長の承認は原理原則行います
- とはいえ、在庫出荷に関していえば販売を行わない限り利益を出すことができないため、よほどの問題がない限りYES
- 発注書や、受注請書は意思を表す証明の役割があります
- 取引において証明は必ず意味があります。それぞれの業務をどのように行うか?ではなく、「なぜ行うか?」を理解しましょう
仕入先直送
企業自らが抱えていない商品の注文に対して仕入先から出荷
☆楽天市場をイメージ(楽天市場は店ごとに商品を出品している。顧客から注文を受けるのは楽天市場で、商品を出荷するのは各出品元)
- 在庫出荷と、仕入先直送の大まかな流れは同じですが、仕入先直送では自らの在庫を出荷するわけではなく、仕入先から商品を出荷する点が異なります
仕入先直送の業務フロー
仕入先直送の大まかな流れ
発注→仕入先に発注と出荷指示(ここが在庫出荷と異なる点)→仕入先が商品の出荷処理→仕入れ先が商品を出荷→顧客に対価を請求
- 仕入先直送と、在庫出荷は大まかには同じです
- 在庫管理同様、大まかな流れについては、どの企業においても同じですが、「請求のタイミング」は企業の取引条件によって異なります
仕入先直送のポイント(在庫出荷と異なる点)
- 受注を受けた後、仕入先に対し顧客から受けた注文を発注する業務が必要です
- 仕入先に対し、商品の対価を支払うプロセスがあります
返品
返品を受け入れる
☆買った物を返品するイメージ
返品の業務フロー
返品の大まかな流れ
返品依頼を受ける→返品が適切か協議→返品依頼に対しての対応
- 返品依頼に対してどのような対応を取るのかは、シチュエーションによって様々です
返品のポイント
- 返品のシチュエーションによって企業がどのような対応を取っているのかは実に様々であります。そのため、様々なシチュエーションを想定し、とるべき対応を洗い出す必要があります
- 返品においての承認は特に慎重な判断が求められます
- 不当な理由による返品を防止し、カスタマーサービスを改善するためです
まとめ
業務フローの本質を理解することが大事であるという事は既に述べました。
「WHY(なぜ)」は業務の本質にあたり、共通する部分なので理解する必要があります。
一方、各プロセスの「HOW(どのように)」「WHAT(何)」「WHEN(いつ)」「WHERE(どこで)」「WHO(誰が)」の部分は企業のやり方によって異なります。企業の特色をより正確に把握することが求められます。
販売管理に関していえば、ほとんどの人が客側になったことがあるので、どのような流れで販売業務が行われているかイメージしやすいと考えました。
業務をイメージし、どのような業務の流れが考えられるか仮説を立て、企業の業務の実態と照らし合わせ検証することは適切な業務フローを書くために必要不可欠です。

コメント