幸福の資本論とは、幸福の定義と幸福を追求するための方法について論理立てて述べている著書である。
幸せとは
幸せのポイントは、自由、自己実現、絆である。
自由とは、縛りつけるものがない状態。
自己実現とは、なりたい自分、ありたい自分を実現できている事。
絆とは、良好な人間関係。
以上は、人間が幸せと感じやすい要素である。
これらの幸せは、資本によって生み出される。
幸せのポイントと資本のつながり
幸せは、資本という土台の上に成り立つ。
この土台(資本)がしっかりしてないところに幸せを生み出そうとしても脆く、すぐに崩れ落ちてしまう。
金融資本は、お金に縛られない自由を生み出す。金融資本がない場合、沢山働きお金を作り出す必要があるため、自由がなくなる。
人的資本(自分の実力・努力・才能)は、自己実現を生み出す。自分の実力・能力を通して、良い成果を出し本来自分が思い描いている姿を実現させる。
社会資本は絆を生み出す。自分と自分の身の周りとのつながりは絆を生み出す。
一般的に人間は、3つの資本のうち1つでも欠けると不幸だと感じやすい。
だが現実には、3つ全ての資本を持っている者は稀であり、資本が全て揃っていないと幸せになれないという事ではない。
著者は、人は資本の有無によって8つの人生パターンに分類できると述べている。
8つの人生パターン
上記の資本の有無により、人生のパターンは8つに分類される。
何も持っていない:何の資本も持っていない(貧困)
基本的に人間は何かしら一つの資本を持っている。たとえ、一つも持っていなかったとしても、3つの資本のうち一つでも手に入れれば最下層から脱却する事ができる。
1つだけ持っている:3つの資本のうち何かしら1つだけの資本を持っている
金融資本→お金だけ(退職者)
人的資本→自己実現だけ(ソロ充)
社会資本→友達だけ(プア充)
2つ持っている:2つの資本を持っている
金融資本と人的資本→自分の仕事の能力で、お金を稼げている(金持ち)
人的資本と社会資本→自己実現ができていて、かつ自分の気の許せる人が見の周りにいる(リア充)
社会資本と金融資本→仕事はできないけれど、自由でいられるくらいのお金を持っており、気の許せる人が身の回りにいる(旦那)
全てを持っている:すべての資本を持っている者(超充)
ほとんどの人は該当しない。
何も持っていない、あるいはすべてを持っている者は基本的に例外であるため、両者に惑わされ悲観的になる必要はない。
貧困と超充に関しては例外であり考慮の必要がないため、残り6つのパターンのうち、自分にとっての幸せがどのパターンであるか、どの幸せを目指すかを認識する事である。
資本と資産の循環
資本を元手に投資を行い、資産を増やしていくという考え方であり、幸福のためには重要な考え方である。
(例)
人的資本を元手に投資→自分の能力を元手に投資をし、良い報酬をもらい、結果として金融資本を増やす。
金融資本を元手に投資→お金を元手にスキルアップのためのプログラミングスクールに投資をし、結果自分の実力を上げ人的資本を増やす。
資本と資産の循環では、投資をした資本の元手を増やす。或いは、元手とは異なる資本を新たに手に入れることが可能。
投資する元手(資本)があれば、投資を行い、それ以上の利益を得ることができる。
裏を返せば、投資をする資本がなければ、それ以上の対価を得ることができず、ずっと最下層のままである。
人間関係
人間関係には主観と現実の2つの観点があり、それぞれの見方には以下のような違いがある。
<主観>
人間は、愛情空間(本当に気を許せる人)と友情空間(たまにしか会わない友達)が大部分を占めていて、そこから外れた空間がお金の世界(貨幣空間)だと思っている。
<現実>
愛情空間と友情空間はほんのわずかであり、ほとんどはお金の世界である。
つまり、世界のほとんどはお金でつながっているという事。
(例)
アメリカに中古車を取り扱う車屋があった。その店のオーナーは、日本とアメリカの戦争で家族を亡くした経験から、日本に恨みがあり、アメリカでは人気のある日本車を取り扱わなかった。
結果、その店のオーナーは、何の資本も手に入れる事ができなかった。
仮に、そのオーナーが日本とはお金の関係であると割り切っていたのなら日本車を取り扱い、すべての資本を手に入れられる可能性があった。
このように、人間関係を主観的に見てしまうということは、幸せに向かう上で足を引っ張る要因になってしまう。
必ずしも主観的に人間関係を捉えることが悪いという意味ではないが、主観的なモノの見方しかできないことは、自分自身を幸せから遠ざけることとなる。
幸せを最大化させるためのアプローチ
ここでは幸せを最大化させる方法について述べる。
金融資本
経済的独立:金銭面で誰かに頼らない
分散投資:一点集中せず、様々なエリアに分散して投資する事
人的資本
自己実現:自己実現する
集中投資:主軸を定め、集中的に取り組む
社会資本
愛情空間を密の濃いものにし、それ以外の殆どをお金の繋がりにする。
友情空間は、関係性が弱いわりにしがらみが強くコスパが悪いため、そこに投資する必要はない。
※社会資本しか持っていない者(プア充)には、このアプローチは当てはまらない。
当レポートでも述べたとおり、資本は幸せを生み出すための土台になるため、重要な役割を果たす。
資本を最大化して幸せを追求するためには、以上の事を実践する必要がある。
まとめ
幸せとは、やみくもにつかもうとするのではなく、手順を踏んで構築する。
まずは、自分にとっての幸せを見極める。その後に、その幸せを手に入れるためには、何の資本が必要かを整理して、資本(土台)を作る、あるいは増やす。
一連の流れを行った後に、次はさらに資本を循環させて、幸せを追求する。
ここで、注意しなくてはならないのは、土台がしっかりしていないと幸せはすぐに壊れ落ちてしまうという事。
いったん流れに乗ることができれば、循環によってもっと幸福になることが可能であるが、何の資本も持ち合わせていない状態では、幸せを生み出すことができない。
幸せは正しい方法を実践すれば生み出せることが、学問的に証明されている。
今自分は幸せでないと嘆くのではなく、当レポートで紹介した方法を実践してほしい。

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