当勉強会は、基礎力の起点になる自己肯定感についてであり、自己肯定感の実体を知りどのように育んでいくかを理解する目的で行われたものである。
自己肯定感とは
自己肯定感とは、自らの考えや存在を肯定できる感情のことであり、仕事をする上で、或いは自分で自分の背中を押し、自らを成長させるために必要である。
自己肯定感の必要性
仕事上
仕事においては、自信を持ってメッセージを発する事が必要である。
例えば、システム導入PJなどでは、顧客は時間と金を我々システム屋の為に、割いてくれている。それに対し、我々が自信の無いぼんやりとしたメッセージを発信し、責任から逃れるような態度をとっていては、顧客は不安になる。そもそも、そのような姿勢で仕事に臨むのは顧客に対して失礼である。
だからこそ、明確で内容のあるメッセージを発信する必要があるが、そのためには常に自分に自信を持つことが必要であり、その根源にあるのが、自己肯定感である。
自分の背中を押してあげる
成長するためには、自分で自分の背中を押してあげる事が必要である。逆に、自己肯定感がないと自分が行っている事が正しいという確信が持てず、恐れながら進むため成長が遅い、或いは全く成長できない。
だから、自分で自分の背中を押してあげる事が必要であり、それができるということこそが自己肯定感を持つことである。
自己肯定感が必要な理由については上記で述べた通りであるが、自己肯定感が低いとどのような事を引き起こすのか。
自己肯定感が低いとどうなる?
自己肯定が低いと全ての基礎力の成長にブレーキをかけてしまう。
聞く力→自分の解釈が本当に正しいのか確信を持つことができない
考える力→自分の考えが本当に正しいのか確信を持つことができない
伝える力→自分の発言に自信がなく、それに対して相手に反論されたら、ますます萎縮してしまう
このように、自己肯定感がないというのは一人前になるために必要な基礎力の成長にブレーキをかけてしまう。
自己肯定感が低いと、悪いようにしか作用しない事は明らかである。しかしながら、なぜ若手の多くは、それでも自己肯定感が低いのか。
自己肯定感が低い原因
恥をかきたくない
経験も、知識もない若手は好き放題恥をかく事ができるのにも関わらず、恥をかくことで自尊心が傷つく事を恐れ、恥をかくことから逃げようとしてしまう。
自尊心が傷つけられたくない
若手のうちは社会人としての経験も浅く、人に迷惑をかけて恥をかくのは当たり前。そうでありながら、自分に過保護になりすぎて傷つかない方向に逃げてしまう。
責任を取りたくない
若手のうちは責任能力がないため、とれる責任はごくわずかであり、たとえ責任を取らなくてはいけない場面があったとしても、とれる範囲のものでしかない。しかし、若手は明言を避け、責任を追及されることから逃れてしまう。
失敗したくない
経験も知識もない若手のうちは、沢山失敗する事は当たり前。しかし、失敗して人から笑われることで、自尊心が傷つくため、挑戦する事を避けてしまう。
このように、人からどう思われるかを気にしすぎてしまうため不安になり、自分に自信を持つことができない。
では、自己肯定感を高めるためにはどうすればよいのか。
自己肯定感を最大化するための処方箋
自己肯定感とは、コップの中の水のようなものである。このコップの形や、大きさは生まれつき、あるいは育った環境である程度決まっている。とはいえ、中の水は本人次第であり、水位が上がる、或いは、下がることがある。
嫌なことがあった時、あるいは自分が傷ついたりする時には、水位は下がってしまい、自己肯定感が低くなってしまう。人生においては、幸せなことより、嫌な事の方が多く、水位が下がる事の方が圧倒的に多い。
一方、「幸せと感じる事」をすることによって水位を上げる事ができ、自己肯定感を高める事ができる。
そのキーになるのが、金、自己実現、絆だ。人は、この3つの要素によって、幸せと感じやすい。もう少し具体的に「幸せと感じる事」について述べる。
若手のための幸せの処方箋
自己実現→仕事において、自己実現する事は難しいが、それ以外の趣味の分野などで自己実現する事は大いに可能である。
絆→若手のうちは金はないが、時間はあるため、誰かと時間をかけた絆を築く事ができる。
上記のように、若手には若手のうちにしかできない、幸せを感じるための処方箋がある。
Appendix[挫折]
コップの中の水がなくなると、人は挫折する。挫折は良くない事だと思われがちであるが、挫折する事は決して悪い事だけではない。挫折する事で全てをリセットし、新たなスタートを切れるというチャンスがあるからだ。
自己肯定感の実体と、自己肯定感を高める方法については、上記で述べた通りである。
自己肯定感を持つことは言うまでもなく必要であるが、それが過剰になり、行き過ぎてしまう事には注意しなければならない。
自己肯定感と自意識過剰
自己肯定感はないと話にならないのだが、自己肯定感を過剰に持ちすぎると、自意識過剰になるという側面も持っている。そのため、それが自意識過剰なのか、適度な自己肯定感なのかはきちんと区別する必要がある。
自信を持つことと、調子に乗ることは違う
自信とは、自分を信頼する事。一方調子に乗るとは、根拠がない或いは不充分な状態にもかかわらず自分が正しいと思い込んでしまう事。
慎重になることと、臆病になることは違う
慎重になるとは、丁寧にやる事。一方臆病とは、「怖い」、「失敗したらどうしよう」のように、感情だけが先行してしまい、その感情に対して何の裏も取らず、漠然と不安を感じている事。
大胆になることと、大雑把になることは違う
大胆とは、度胸を持ち思い切りやってのける事。一方、大雑把とは細かいところにまで気を配らず、ただ雑な事。
自己肯定感を持つことで自分の背中を押してくるが、それを見誤ってしまうと自意識過剰になってしまうため、意識的に注意をする必要がある。
まとめ
自己肯定感とは、仕事をする上で自らを成長させるために必要であり、自分でしか身に付ける事ができないものである。
自己肯定感を高めるためには、人からどうジャッジされるのか、恐れすぎないようにする、あるいは、自分を幸せにしてあげる事が必要である。
感想
私は怒られた時に、落ち込んだり、卑屈になったりして、どんどん臆病になってしまっていた。その根源にあるのは、自分自身の自己肯定感の低さである。
自己肯定感を高めるに、どんどん人から怒られたり、失敗したり、恥をかいていたりして、自分の精神力を高める事が特に私には必要である。或いは、当レポートで述べた「幸せを感じる事」を実践して、自分のコップの中の水を増やす事が必要であると感じた。なぜなら、自分自身のケアをできるのは自分だけであるからだ。

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