本レポートは2022年6月1日に行った社内勉強会「ラーニングピラミッド」についてのレポートである。
ラーニングピラミッドは、アメリカ国立訓練研究所という機関が発表している、学習定着率をピラミッドの図で表したもので、日本でも文部科学省が推奨している学習モデルである。
本レポートでは何かを学ぶすべての人に効率的な学びのモデルの一つとして紹介する。
勉強会内容
あらまし
ラーニングピラミッドとは、*図1のように学習方法とその効果との関係を図で表しており、下に行くほど学習効果が大きい学習方法ということになる。
*図1
学習法と定着率
ラーニングピラミッドは、学習方法に対して学習後の定着度を示すものである。
なるべく短い時間で理解度を深めたい、しかし効率的な学習方法が分からという人は、*図2を見て自分に合った学習法の参考にされたい。
図の見方として、例えば、「講義」を受けることや、「読書」をしただけでは、定着の効果が大きく得られないことがわかる。
対して、「グループディスカッション」に参加したり、「練習」したり、「他の人に教える」ことで学んだことが定着する。つまり、受け身より自らが進んでアウトプットする学習方法のほうが、より定着率が上がると考えられる。
*図2
出典:アメリカ国立訓練研究所の資料をもとに作成
とはいえ、パーセンテージの高い学習方法だけを取り入れることで効果が出ると読み取れるかというとそうではなく、学ぶことのインプットから始めて段階的に学習を進めたり、一方向的なインプットだけでなく、話したり、書いたり、教えたりと、進んでアウトプットをしていくことで効率が上がると考えられる。
まとめ
まずは学習定着率が低い学習方法でインプットしなければ、いきなり人に教えることはできないし、定着率の高い学習方法を単一で行うのは現実的ではない。個々人の向き不向きや環境に合った学習方法を掛け合わせることで効率的な学習法がわかってくると考えられる。今までアウトプットを行うことが苦手だった人も、勇気を持って能動的に行動し、学習法を見直していかれたい。
陰キャ・陽キャのコミュニケーション論
今回の勉強会の中で、いわゆる「陰キャ」と「陽キャ」のコミュニケーションの違いが話題に上がった。
我々は普段から調子の良いときは明るくなり、またその逆の状況になる場合もある。陰キャになっていると、他者とのコミュニケーションや、ラーニングピラミッドで言えば進んで他の人に教えたりディスカッションしたりすることができなくなり、必然的にコミュニケーションの質を高く保てない。逆に陽キャは進んで他者とコミュニケーションをとるため、インプット・アウトプットの量が豊富になりコミュニケーションの質も上がる。すなわち、受動的な人より能動的な人のほうが能力の向上に繋がり易いといえる。
感想
現役で東大受験に合格した人の学習法について話を聞いたことがある。その方法は、学んだことについて、実際に白板などを使って自分に教えてみるという方法だった。先生と生徒を一人二役でやってみることによって、教えきれないことは理解し切っていないことが判明する。学習の定着度が低い部分が明らかになるということだ。
それを考えると、これまで、自分の学習方法はインプットして、せいぜい練習問題に答えて採点するところまでだった。曖昧にしか理解していない部分は放置されてきたと思う。
今後、学習する際は、インプットのみならず、アウトプットの量も増やし、学習の質が高まるよう効率の良い学習法を探りながら進めていきたい。
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