このレポートは、大学3年生の2月~4年生の3月末の約1年間アルバイトとしてExciterに勤務した私の体験記です。ここでは時系列順に「Exciterで働くことにした経緯」「実際働いてみてどうだったか」「1年働いてみて思うこと」の三部構成で自分の思いを綴っていこうと思います。当時の心境をなるべくリアルに書くので、少しでも読者の方に気付きや何かをするきっかけとなれば幸いです。
Exciterで働くことにした経緯
私は新卒で働く会社で、ITコンサルとしてSAPプロジェクトに従事することが分かっていたため、学生のうちからSAPのことを少しでも学んでおきたいと考え、Exciterのアルバイトに応募しました。ここではなぜ私がITコンサルの仕事を新卒で選ぶことにしたのか、実際にExciterで働くことになるまでの流れをお話します。
なぜITコンサルの仕事を選んだのか
私は就活初期からITコンサルを視野にいれており、就活を進めていく中で特にSAPに興味を持ち始めました。まずは私がITコンサルに興味を持った理由を仕事内容の面と人生設計の面からお話します。
仕事内容の面でITコンサルに興味を持った理由としては、おおまかに
- クライアントワークであること
- 他人の目標や夢を支える仕事をしたかったこと
- 2.を実現する上でITの力はとても強力であること
の3点です。
1.に関して、私は自分が何をしたい・どうなりたいということよりも、人からの期待に応えることの方がモチベーション高く行動できる人間だと自己分析していました。自分がどんな時に頑張れていたかを振り返ってみると、その原動力の根底には誰かが存在していたと思います。誰もみていない時でも誰かしら(架空の恋人とか・・・笑)を設定して、その人の期待を裏切るまいと頑張ったりしていました。こういった人間なので、クライアントワークのように顔を合わせながら信頼関係を築いていき、お客さんの期待・要望に応える仕事にはやりがいを感じることができそうだと思っていました。
2.に関して、私は1.にあるように自分自身が思うやりたいことが、正直あまり思い浮かびません。そのため自分の目標や夢のために頑張っている人を心から尊敬しています。そして自分に内なる目標や夢がないからこそ、そういったものを持って頑張っている人をサポートして、実現するお手伝いが出来たらとても素敵だなと思います。自分が仕事をすることで、お客さんとなる会社やその社員が描く理想を実現出来たらいいなと思いました。これだけみるとかなりキレイごとのような感じも否めないのですが、きちんと現実もみながら頑張りたいです。
3.に関して、私はIT、特にシステムがいかに強力かを実感した経験があります。私は営業系のインターンをやっていたことがあるのですが、その会社は私が入った時点ではかなりアナログで、勤怠や営業の成果報告を全てLINEのメッセージでやりとりしていました(アナログというのもちょっと違うかもしれませんが)。出勤日のLINEには何百人という社員からのメッセージが飛び交っていたため、素人目にみても管理できているのか心配になるくらいでした。しかし、ある日突然システムが導入されたことにより、
- 勤怠管理が確実にできるようになった
- 営業成果の報告漏れが減った
- 営業成績が可視化され、社員間での競争促進につながった
- 営業の進捗が見やすくなったことで、営業目標が立てやすくなったり上長から具体的なFBが受けやすくなったりした
- PDCAを回す習慣が定着した。また営業成績が良い人のPDCAを参考にさせてもらうこともできた
などなど、たくさんの恩恵を感じることになりました。一番下っ端だった自分でもかなり大きな変化を感じたので、管理職の人や経営陣からするとより大きなインパクトがあったのではないかなと思います。
ここで2.の話に繋がっていきます。このシステム導入によって営業マンは本業の営業により集中できるようになりました。営業マンはチームや個人の成績を上げるという役割がありますが、実際には営業活動以外にも管理の手間や事務作業が多く発生します。しかしITシステムを導入してうまく活用できれば、無駄なものを効率化できるだけでなく、本業をより成長させることに繋げられるのだと感動しました。こういったシステムの知識を持つ人間になればより2.を達成しやすいだろうと考え、システムに関わる仕事をしたいと思うようになりました。
これら3点の理由に加えて、人生設計の面でもITコンサルを志望した理由があります。簡単にいうと、ITコンサルであれば、自分の能力と頑張り次第で将来的に自分の生活を自由度高くコントロールできると考えたからです。私は自身の将来像が明確にあるわけではありません。もしかしたらプライベートにすごく時間を使いたくなるかもしれないし、仕事を死ぬ気でやりたくなるかもしれないし、知り合いと一緒に別の仕事をする機会があるかもしれません。ITコンサルティングの業界でしっかり実力が認められる状態であれば、未来の自分がどんなことを望んだとしても、その道を選ぶことができると考えました。もちろんそのためにはまず仕事に打ち込み、ITコンサルタントとして、人間として一人前になる必要があります。残念ながら、自分は正直なところその域にたどりつけるという自信があるわけではありません。ただもしそれが実現できれば、きっと人生が今の何倍も楽しくなるだろうという確信があるので、今は社会人になったら目の前のことからがむしゃらにやろうと考えています。
ITコンサルの中でもSAPに興味を持ったきっかけは、SAPが会社の業務を全てカバーすることができる基幹システムであるという点です。SAPを扱うためには会社の業務がどのようにまわっているのか理解することが必要です。そういったことを学ぶのは単純に面白そうだなということと、価値の高いビジネスマンになるうえで、プラスになるという考えからSAPに興味を持ちました。また、現状SAP人材は需要に対して供給が追いついておらず、人手不足らしいということを知り、チャンスかなと思ったのもSAPに興味を持った理由です。
Exciterを見つけて、応募するまでの流れ
大学3年生のうちは学業や就活、他のバイトや課外活動などで忙しかったため、それらが全てひと段落した春休みに将来に活きるようなインターンを探し始めました。探すときにはとりあえずインターンの求人サイトで「ITコンサル インターン」や「SAP インターン」などと検索していました。とはいえITコンサルやSAPの仕事は何も知らない学生ができるようなものではないため、良い感じの募集はほとんど見付かりませんでした。しかしいろいろと調べていくうちに、Exciterのスタッフブログを見つけました。社長が総帥と名乗っていたり、ちょっと過激かなと思う表現があったりと気になる部分はありましたが、どのブログ記事も人間味があって面白かったこと、SAPについて学べる環境があること、また、記事にある勉強会の内容はSAPに関することだけではなく、IT全般の話や社会人としての一般論も扱っており、人として成長できる場所かなと思ったことが理由で応募することにしました。
最初に履歴書を送って選考通過の連絡がきたときはホッとした気持ちがあったと同時に、緊張もありました。面接は対面で実施するということだったので、住所を調べたところ2つ住所があるぞ、おかしいな、となりました。メールで確認したら同じ名前の別会社とこんがらがっていることが分かり、あまりにも初歩的なミスで悪印象になってしまったなと非常に後悔したことを覚えています。
面接当日
当日はたしか自分が早く着きすぎて、外で時間を潰すことになった記憶があります。建物自体はいわゆる普通の雑居ビルという感じでちょっと怖いな、大丈夫かな、と思っていました。
面接は事務の方と一対一で行いました。事前に読んでいたブログの記事では社長と面接したと書いてあるものが多かったと記憶していたので、少し安心してしまいました。社長には入社した後に初めてお会いしましたが、たぶん社長と一対一で面接していたらビビり散らかしていたと思います。もしかしたら逃げていたかもしれません。
実際働いてみてどうだったか
業務内容と働き方
基本的には週一ペースで出勤し、他の日も空き時間を活用して作業をしていました。4年生の最初の方はそこまで忙しくなかったため、ある程度の作業時間を確保できていましたが、後半になると研究が忙しくなり、出勤ができない週が増えてきました。
業務としては、最初は自分の過去や経験についてのブログ記事を作成していましたが、2,3カ月過ぎたあたりからSAP関係の基礎的な知識を資料としてまとめたり、勉強会の資料を作成したりといった作業が中心となりました。
辛かったこと
Exciterで働くなかで、現実を突きつけられて辛いなぁと思ったことが何回もありました。振り返ってみて何が特に辛かったか、3つにまとめました。
まず一つ目は社会人として働く上で当たり前のことが何一つできなかったことです。作業の進捗報告がなってないと何回も怒られたり、コミュニケーションがスムーズに出来なくて呆れられたりと目も当てられない状態でした。自分を一番苦しめたのは、これらはただ知らなかったから出来なかったという類のものではなく、普段から少しでも相手に配慮して生活することを心掛けていれば、自然とできるものであることです。少なくとも、そろそろ社会人になるという年齢の人間が抱えていていい問題ではないです。出来る人は当然のように出来るはずのことが自分には全く出来ていないという事実を前に、今までの人生何をやっていたのだろうと自己嫌悪していました。
二つ目は、「お勉強が少し出来るだけで仕事では使えない人間」に自分がなっていたことに気づかされたことです。一つ目に挙げたものが出来ていないというのもありますが、それに加えて学んだものを自分の中で適切に一般化して別の形で応用してみる、という能力が欠如してしまっていることをExciterで働く中で自覚しました。社長からは毎回のように「字面を暗記しているだけで理解していない」と指摘されましたが、いまだにその悪癖が抜けません。
三つめは、社長は自分がどんな人間かを見透かしており、自分が蓋をしていた自分の嫌な部分に向き合うことになったことです。私は表面的に温和な態度をとることで自分の陰湿な黒い部分を隠していたつもりでしたが、社長には全て見透かされていました。見る人からみればこんな簡単に自分という人間は分かられてしまうと、あまりにも自分の人としての薄っぺらさ、人生経験の浅さを強く実感しました。
1年働いてみて思うこと
成長できた部分
まず一つ目に、PCの簡単な操作やIT・SAPの基本的な知識を学ぶことが出来ました。実際に働いて役に立つレベルにはまだまだ全然達していないですが、少しでも準備が出来たのは良かったと思います。会社にはITやSAPの本が多くあったので、お借りして少しずつ読んだりしていました。
二つ目に、社会人として人として、自分に足りない部分を直視することで自分を少しずつ改めることができている(と信じたい)点です。例えば、今までは自分が傷つかないことばかりに気をとられていたが、少しずつそういった自己中心的な言動を減らせている気がします。まだまだそういった言動をしてしまうことはありますが、振り返ってみて良くなかったなと気付くことが多くなりました。これからも意識し続けて、良い意味で後から反省する回数を減らせるようにしたいと思います。
これからの自分の課題
辛かったことで挙げた自分の弱点を克服し、一人の大人としてまっとうに生きることができるようにしたいと思います。本当は大学生活残りの1年でもっとこういった問題に向き合うべきでしたが、正直目を背けていた部分もあり劇的な進歩をすることは出来ていないです。きっと社会人になったら痛いほどこの1年を後悔することになるでしょう。今から怖いです。快適なコミュニケーションがとれるようになること、暗記ではなくきちんと理解すること、人として深みのある人になること、全て一朝一夕で実現できるものではないので、ゆっくり着実に成長していきたいと思います。
成長するためには何が必要なのかを自分なりに考えて、
- 仕事に本気で取り組む
- 意識的にいろんな人と関わったり新しいことにどんどん挑戦したりする
の2つをテーマにこれから生きていこうと思います。自分は人として未熟だと感じる一方で、私が人として大人だな、すごいな、と尊敬できる人はどんな人なのかを考えてみると、やはりこの2点が共通点にあると思いました。そのため、自分はこれからこの2つを満たせるように頑張ろうと思います。
もっとこうだったらな、と思うこと
しいて言うなら、自分と同じ大学生のインターン生が他にいたらなーと思いました。留学生や社会人の方と一緒に仕事をする時間はとても貴重な時間でしたが、自分と同じような立場のインターン生は自分が勤務した1年間ではほとんどいなかったので、気軽に話せる同僚的な人はいないままでした。もしいたらまた違うExciter生活だった気がします。
最後に
1年間という短い間でしたが、人として様々なことを学ばせていただきました。社会人になる前にこの場所で働かせてもらって本当に良かったと思います。仕事のこと以外でもいろいろなことを話したり、釣りに連れて行っていただいたりと自分のことを気にかけてくださって嬉しかったです。卒業後にお会いした時には、少しはマシになったなと思ってもらえるよう精進します。本当にありがとうございました。
総帥コメント
客先業務やら卒論やらで時間がなかなか取れなかったりして、もっと教えてあげたいことはたくさんあったのだけど、後半タイミングが色々と合わなかったね。
記憶力が高いが故に何でも暗記で乗り切ってきたツケは、これからドンドン払うことになるので、とにかく地味でも地力を鍛え続けること。
そうすれば、アラサーくらいになれば必ず報われる。
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