この記事の目的は、大学付属校に進学を検討している中学生やその保護者に向けて、考慮するべきデメリットを卒業生ならではの視点から提供し、後悔のない進路選択を促すことである。
近年、大学受験なしで有名大学に行ける付属校は人気が増加している。しかし、付属校進学を検討する際に考慮されていない隠れたデメリットが多数存在する。そのため、実際に卒業した自分だからこそ得られた情報を提供する。
自分のプロフィールは、某MARCH付属高校を3-5年前程度に卒業しており、内部進学はせず違う大学へ進学した。
最後に、注意点がある。この記事に記載された情報は、あくまで一つの高校の卒業生である自分が、当時知り得た情報と主観的な情報で構成されている。普遍的なものでも客観的なものでもないうえに、情報の確かさには責任を持たない。
背景
内部進学しなかった理由
より高いレベルの大学に進学したいという思いが断ち切れなかったからだ。入学当初、自分はより高いレベルの大学を受験しようと考えていた。しかし、少し時間が経つとその思いはなくなり、部活と遊びに明け暮れていた。その後、3年生の夏に高いレベルの大学に行きたいという思いが再び沸いたが、受験勉強を0からする気力も、浪人する勇気もなかった。そのため、推薦で付属の大学よりも少しだけレベルの高い他のMARCHの大学に進学するという非常に中途半端な結末になった。
ブログ執筆の背景
ずばり、他の大学に行きたいという思いがありながら、付属校に進学したことを後悔しているからだ。だからこそ、他大進学したいという思いが少しでもあるなら、付属校に進学するなと主張したい。その理由の詳細を、のちほど説明する。
内部進学のしくみ
多くの付属校の場合、定められた進学基準をクリアすれば、内部進学が可能である。多くの場合、進学基準は以下のようなものだ。
進学基準=内申点(評定)の基準+特殊な基準(外部の英語試験のスコアなど)
例えば、内申点が5段階中3以上かつ英検2級の取得などである。
多くの学校の場合、8~9割以上の学生がクリアできる水準であるため、さほど難しい基準ではない。しかし、学校によっては厳しい基準を設けている場合もあるため、詳細は調査するべきである。
一般的な付属校のメリット・デメリット
結論、メリットは大学受験の回避による恩恵、デメリットは学費が高い・付属校受験自体のリスクである。
メリット
付属校に入り、内部進学することで以下のような大学受験にかかるコストを回避できる。
- 勉強時間:MARCH~早慶を受験する場合、3000~4000時間程度
- リスク:第一志望合格率=約10~30%
- 金銭的な負担:教材費、予備校費、受験費用などで総額100万円程度
デメリット
一般的に言われている付属校進学によるデメリットは以下のようなものだろう。
- 学費の高さ:
- 付属高校(MARCH+早慶の付属校の学費):約80~100万円
- 公立:約10万円(東京都の場合)
- 付属校受験自体のリスク:
- 学力試験を課してくる場合、その独自試験に対策する必要があり、併願する高校への勉強時間が減ってしまう。
卒業生が感じたデメリット
結論から言うと、多くの人の場合大学から入るより高校から入るほうが難しいにもかかわらず、他の大学への進学も難しく、大学受験の代わりにやることもないというデメリットがある。
他の大学に進学することが難しい
心理的要因と物理的要因の2つに分けて説明する。
心理的要因については、付属校に在学しているとそもそも大学受験する気にならないうえに、受験勉強のモチベーションを保てないからだ。ほとんどの生徒が内部進学する、つまり大学受験をしない環境にいると、そもそも受験するモチベーションがわかない。また、もし受験する場合でも、周りの生徒が遊んでいる中ひとりで受験勉強するモチベーションを保つことも難しい。実際の経験談として、高校入学当初はさらに高いレベルの大学入学を目指して勉強している人が一定数いたが、ほとんどが1年もたてば勉強せずに遊んでいた。
物理的要因については、学校の仕組みすべてが内部進学を前提としているからだ。授業は受験を前提にしていないため、授業内容のレベルは高くなく進行速度も遅く、受験では不利になる。教師も外部進学に協力的ではないしノウハウもない。推薦の枠も、同レベルの公立や付属校ではない私立に比べて少ない。
付属校に入れる場合、よりレベルの高い大学に入れる可能性がある
もう少し具体的に言うと、高校受験時に付属校に入れる場合、大学受験時によりレベルの高い大学に入れる可能性がある。どういうことかというと、様々なケースがあり一概には言えないが、入学難易度は、付属高校入学>大学入学である場合が多いからだ。そのため、高校受験時に付属校に入れる偏差値があるならば、大学受験時により高いレベルの大学に入れる可能性が高いということだ。
例えば、MARCH付属高校の偏差値は大体67~72の範囲である。高校の偏差値から5-10引けば大学の偏差値が出ると言われているため、仮に7引いたとして、60~65となり早慶の下位学部~上智・理科大程度の偏差値になる。
実際の経験談として、中学3年時点で自分と同程度の学力で付属校に行かなかった知り合いの多くは、自分の付属大学よりも高いレベルの大学に合格した。
ただし、高校受験のほうが“内申点“が占める割合が大きいため、学力(試験本番での得点能力)は低いが、内申点が高いタイプの人間であればおすすめ。
高校在学時にやることがない
大学受験をしないため、受験にかけるはずだった膨大な時間が余る。その時間を使って、なにかしたいことはあるのかを考えるべき。
大学受験にかける時間によって得られるものはたくさんある。学歴はもちろん、忍耐力、計画力、論理的思考力、言語力・・・など。この貴重な体験を超えるだけの何かがあなたにないのであれば、もう一度付属校進学を考え直した方がいいかもしれない。
ただし、3年生の最後まで部活などのやりたいことに集中できる環境ではある。そのため、やりたいことが明確ならおすすめ。
まとめ
結論、ほかの大学に行きたいという気持ちがある人は絶対にいってはいけない。
【デメリットのまとめ】
ほかの大学への進学が難しい
付属校に通いながらほかの大学を受験することは、かなり厳しい道のりになる。
より高いレベルの大学に行ける可能性がある
現状、付属校に合格する確率が高いのであれば、そのまま勉強し続けてさらに高いレベルの大学に合格できる確率も高い。せっかくの可能性をつぶしてしまうことになる。
やることがない
高校時代に何か熱中したいものがあるだろうか?それは大学受験を捨ててでもやりたいことだろうか?もう一度問いなおしてみてほしい。もしやりたいことがないなら、もう一度考え直した方がいいかもしれない。
【総帥コメント】
単に、選択を間違えたこと、それを後悔しているってだけでは。。。
「より高いレベルの大学に行ける可能性がある」のは「やることがない人」でなく、「勉強する人」だね。
だいたいの人は、受験勉強しなくても内部進学できる、受験勉強に時間とパワーを割かない分だけ部活やバイトや趣味に打ち込むのだろうね。
付属高校に進学したという判断は誤りだった、それを後悔している、それはわかる。
ただ、もし付属高校に行かなかったとしても、そこまで勉学に注力していただろうか?
なんらかの「やること」があって充実した高校生活を送っていた同級生はいたはずで、やることがなかったのは付属高校の問題ではなく、自分の問題だよね。
ちょっと認識がおかしいと思うよ。
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