2023年6月8日勉強会レポート ITの入口

社内勉強会

ITという言葉がより身近になっている現代において、どれだけの人がITについて説明できるだろうか。スマホやパソコンを当たり前のように使っており、IT業界で働く人も多い中、おそらく各論的には理解できていることもあるだろう。しかし、そもそものITについての理解ができていなければ、各論もきちんとした理解ができていないことも多い。そのためにはITとは何か、体系的に学ぶ必要がある。そこで、そもそものITの入口を見ていこう。

 

ITとは

ずばり「モノ」、「中身」、「通信」、「考え方」の4つに分類される。

モノ

形があるもの、つまりハードウェアのこと。具体的にはスマホやPCの本体、キーボード、マウス等のことである。電話するにしても入力するにしても、まずはハードウェアがなければ使用することができない。次項で説明するソフトウェアとは、ニコイチの関係にある。

 

中身

形がないもの、つまりソフトウェアとデータである。

 

①ソフトウェア 

ソフトウェアは大きいものと小さいものに分けることができる。

まず大きなソフトウェアには、基本ソフトウェアと呼ばれるWindowsやiOS等がある。ハードウェアそのものを動作させる役割があるため、基本ソフトウェアがなければそもそもスマホやパソコンは使えない。そして、基本ソフトウェアが何かしらで不調が生じた場合は、ハードウェア自体が正常に動作しない。

対して小さなソフトウェアはアプリケーションと呼ばれ、Microsoft officeのツールやゲーム等のことである。アプリがあることで、目的に合わせてスマホやパソコンを使うことができる。アプリに不調が生じても、ハードウェアや大きなソフトウェアの動作自体に影響はない。

 

②データ

ただの情報である。基本的には、ハードウェアやソフトウェアの動作そのものには直接関係しない。

 

通信

身近なものとして、ネットワークとインターネットがある。

①ネットワーク 

コンピュータとコンピュータの繋がりや仕組みを指す。

 

②インターネット

世界規模で繋がるネットワークの名称である。

 

スマホやパソコンで検索エンジンを使用して情報収集ができ、電話やメール等を通じてどこにいてもタイムリーにどこかにいる誰かと意思疎通がとれるのも通信があるからである。

 

考え方

ザックリ言えば、ITときちんと付き合うための考え方。考え方は様々あるが、リテラシー、セキュリティー、ITIL、DXが代表的である。

①リテラシー 

一般常識と言い換えることもでき、ITをきちんと理解し使用するための基本中の基本である。ではITの一般常識とはどのようなことであるか、リテラシーがない・低い人の例が分かりやすい。いわゆるバカッターと呼ばれるようなSNSで炎上行為をしてしまう人や、パソコンのID/PWをそのパソコンに付箋で残している人等のことである。これらのような行為をしてしまう人は、最終的にどうなるのか想像ができていない。つまり、リテラシーがない・低い人=常識がなく、頭が悪い人と見做される。

 

②セキュリティー

セキュリティーとは、認証機能やウイルス対策、デバイス保管用の金庫等、害や不正からITを守るための考え方である。特にITの中身や通信は形がないだけに、物理的なセキュリティーだけには頼れない。また、どんなにセキュリティーを強化しても、そもそもリテラシーがなければ意味がない。リテラシーがきちんとある上でのセキュリティーであることを理解しなければならない。

 

③ITIL(アイティル)

ITと上手に付き合っていくための考え方であり、そのための知識やノウハウ等をまとめたガイドラインとも言える。リテラシーがある前提で、ITをより有効的に活用していくために必要な考え方であるため、特にIT業界で働く人はITILを学ぶことをオススメする。

 

④DX(デジタルトランスフォーメーション)

新しく生み出されたものにより、何かに変容をもたらす考え方。ただ「便利になる」だけではDXと呼べず、これまでの当たり前が変容することでDXと呼べるようになる。

例えばリモートワークもDXと呼べる。まずはリモートワークの前提として、パソコンの性能が上がりパソコン1台で様々な仕事ができるようになったこと、通信が当たり前のように高速化したこと、パソコンが低価格になったことで手に入りやすくなったことが挙げられる。これらの前提を踏まえ、リモートワークの普及によりどんな変容が起きたのか。例えば、通勤する必要がないため住む場所を仕事に縛られなくなったことや、介護や育児等で職場に行けず仕事ができなくなってしまった人も仕事ができるようになったこと等が挙げられる。

また、これらはポジティブな変容であるが、リモートワークにより懸念される変容も起きている。例えば場所に縛られず仕事ができるようになった反面、勤務態度が分かりづらいため、仕事の評価が成果重視になってしまうことや、オフィスワークと違い顔が見えないためタイムリーなケアが受けられずメンタル面に異常をきたす人が増加している問題などが挙げられる。

 

学び方

ITには4つの概念があることを認識できたところで、どのようにITを学んでいけばよいのか。ずばり、暗記はせず、「そういうもの」という浅い理解から入り、自分のレベルに合わせて徐々に深めていくことである。

 

まず、なぜ暗記ではいけないのか。単に忘れてしまう、本質的な理解ができないからである。学生時代の勉強を振り返ると、おそらくほとんどの人は暗記がメインではないだろうか。そのため、そのままの感覚で社会人になることで、社会人になってからの理解もおそらく暗記になってしまうことも少なくない。

 

では、理解するとはどのようなことであるか。理解とは「簡単に人に説明できること」である。前項の4つの概念がまさにそうであるが、ざっくりITは「モノ」、「中身」、「通信」、「考え方」に分けられる、と説明されると、端的で誰もが入りやすい理解である。ただITという言葉を説明するのは誰でも単語を調べれば分かるが、調べたところで単語の意味は理解できても正体はなに?となってしまうことも多くあるだろう。本当に必要な理解はITの正体である。このように、誰にでも分かりやすく説明できるようになる本質的な理解をすることが重要である。

 

本質的な理解をするためにも、まずは「こういうもの」という浅い理解から入ることが重要である。なぜならば、何事も初めて学ぶ内はそもそも実力がない。実力がないのに難しいことを深掘りしようとしてもなんのことかサッパリ分からないだろう。

多くの人が完璧に学ぶことを意識してしまうが、それは追々でよい。実力が上がれば当然理解できることも増えていく。例えるならば、小学生の時に見た漫画や映画を大人になってみたときに、小学生の時に理解できなかった内容が理解できるようになっているようなことである。それは大人になって多くの経験や知識を得たことで、物事を違う角度から見られるようになっていたり、繋がりを気にして見られるようになっていたりするからである。浅い理解から入ることはITを学ぶことだけとは限らない。どんな仕事にしても人間関係の構築にしても、多くのことに言える。

 

最後に

ITという言葉は日々当たり前のように耳にしたり口にしたりするが、とくかく広い言葉であるため単語そのものに抵抗はなくても関わりに抵抗感を持つ人も多くいると思われる。実際に私がそうであったが、現在のIT業界に勤めるまではITとほぼ無縁の業界で勤めていたため、ITに対する憧れとともに抵抗感も強くあった。しかし思い返せばスマホやパソコンは日常的に使っているし、公共施設でも何気なくデジタル化した設備を使えている。そのため、抵抗感はただの思い込みや決め付けに過ぎないと気付いた。ただ、やはりITは広く難しく複雑な印象はまだある。自分はそもそも頭がいいわけではなく、暗記思考、完璧思考が根付いてしまっている。この勉強会を通して、ITについてだけでなく、学び方もとても勉強になった。自意識過剰にならず、自分のレベルをきちんと認識して、これからもITに携わりたいと思っている。

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