この記事は、様々なイベントで派遣スタッフとしてアルバイトをしてきた僕の体験談を書いたものです。
イベントにお客さんとして参加することがあると思いますが、裏で動いているスタッフがどういう仕事をしているのかこの記事を見て知っていただければと思います。
派遣バイトとは
そもそも派遣バイトと通常のアルバイトとで何が違うのでしょう。
通常のアルバイトは、企業に直接応募し採用選考の後にその企業と直接契約を結びます。
仕事についての指示においてもアルバイト先となった企業から受けることになり、勤務先および雇用主はアルバイト先の企業となります。
しかし派遣バイトは、応募し契約を結んだ派遣会社から紹介された企業で仕事を行います。
通常のアルバイトとの違いは、雇用主は派遣会社ですが勤務先は紹介された派遣先会社となります。
お給料に関しては通常のアルバイトと同じく雇用主である派遣会社から支払われます。
メリットとデメリット
メリット
派遣バイトのメリットとして1番最初に出てくるのはやはり、仕事を紹介されてからその仕事をするか決められるという点です。
派遣バイトは応募式でやりたい仕事を選ぶことができます。
派遣会社から紹介された仕事に対して、自分がやりたければ応募、あまり好みでなければ応募しないといった感じです。
派遣先の企業はどういう雰囲気なのか、仕事の内容は具体的にどういうことをするのか、何人で行うのかなどの仕事に関する情報が開示されてからするかしないか決められるのが派遣の良いところだと思います。
通常のアルバイトの場合、アルバイト先に知人などがいない限り事前に詳しい情報などが入ってくることは無いですが、派遣ならそういった心配がありません。
2つ目のメリットとしては時給が高いことです。
これは必ずしも他のアルバイトよりも高いとは言えませんが、高い傾向にあります。
その理由としては、派遣会社に入ってくる仕事は即戦力を必要としている事が多いからです。
派遣の場合、派遣会社がスキルチェックや経歴などをもとにマッチングした人に仕事を紹介するため派遣先会社は即戦力となる人に仕事を任せることができます。
さらには、急な応募があったとしても派遣会社から期限までに条件に合った人を紹介してもらえるなどが、高い時給が設定されている理由です。
3つ目はスキルアップを図ることができることです。
派遣バイトは働く場所によって様々な分野の業務や業種を体験することができます。
これらの経験でスキルアップを図り、派遣会社内でのキャリアアップを目指すことも出来ます。
未経験でも興味のある仕事があれば大きなメリットになります。
通常のアルバイトの場合は、業務に直接関係のない教育を受ける機会はあまり多くないでしょう。
デメリット
次にデメリットですが、それは派遣期間に制限があることです。
通常、アルバイトでは働く期間に制限はありませんが派遣の場合は労働者派遣法によって定められた派遣期間の制限があります。
派遣先の同一の事務所に対して派遣できる期間は、原則3年となっています。
つまり同じ派遣先の職場で働くことができるのは最長で3年というわけです。
これは60歳以上の人や派遣会社で無期雇用されている人は対象外で、同じ派遣先でも部署などが変わればさらに3年を限度として働くことが可能です。
この期間が終了した場合、派遣先企業と就業者の合意があれば派遣先企業への直接雇用を派遣会社が依頼することができます。
この依頼が通らなかった場合は別の派遣先企業が紹介されるか、派遣会社が無期雇用で就業させてくれるなどのケースがあります。
派遣のアルバイトには派遣会社のサポートが手厚いことや時給が高いケースが多いなどといったメリットもありますが、3年間の派遣期間がるなどのデメリットも存在します。
通常のアルバイトであれば期間などは気にせず同じ職場で働けますので、アルバイトが派遣に比べて劣るというわけでは決してありません。
経験したイベント
次世代ワールドホビーフェア
これは名前の通り、最新のおもちゃなどが多く展示される日本最大級のおもちゃやゲームのお祭りです。
この祭典は小学館グループの主催で1994年から毎年夏と年末および年始に開催されていて、夏は主に東京で、年末や年始は東京をはじめ大阪、名古屋、福岡でも開催されています。
有名企業が多数参加し、テレビゲームやおもちゃなどがブースごとに分かれて展示され体験や購入もでき、各ブースでは決まった時間にステージでのイベントも存在します。
僕は東京で開催される際に参加しました。
イベント系に参加する際のほとんどは早朝での現地集合が多く、この日の集合時間も朝の7時でした。
東京での開催といっても会場は千葉の幕張メッセなので、移動の時間も考慮し5時には家を出ていたと思います。
海浜幕張駅についた時、駅前にはたくさんの人たちがいました。
こういったイベントには派遣会社から紹介を受けた人たちが多く参加しているので、それぞれの会社から派遣された人たちでグループができていました。
中には物販の列に並ぶために早朝から来ているお客さんもいたのでその時間帯の駅前はとても混雑していました。
スタッフパスを受け取り、いざ会場入り。
今回担当になったブースは、タカラトミーさんの『ゾイド』と呼ばれる商品のブースでした。
イベントは2日連続で行われ、僕は2日間とも参加しました。
僕の仕事はこの商品のグッズ販売所でお客さんをひたすら呼び込むことでした。
商品の名前は知っていましたが物に触れたことが無かったので、うまく呼び込めるのか不安でした。
商品一覧が書かれているパネルを持ってブース周辺を歩き呼び込んでいましたが、お客さんがたくさんいる中大きなパネルを持っての仕事はとても大変でした。
しかし、結果は上々。
売り上げも良く、すぐ横で開催していたイベントステージにもお客さんがたくさん入っていたようでした。
他メーカーのブースの様子は分からなかったので比較は出来ませんでしたが、売り上げはかなり良かったらしく途中の休憩時間にはブースの責任者の方に褒められたりもしました。
呼び込み以外にも、後半からお客さんが予想以上に入り始めたのでお客さんを誘導するチームに人が足りずそちらの仕事を手伝いに行き導線の確保などをしていました。
本来は販売所での呼び込みだけでしたが、状況によって仕事内容が変化することや、自分たちの成果が目に見える形で感じられるなどすごくやりがいのある仕事でした。
大きなイベントに仕事として参加したのは今回が初めてで、これを機に大きなイベントにも参加してみたいと思うようになりました。
東京ゲームショウ
1996年から毎年開催されているコンピューターゲーム関連の日本最大級の展示会で、世界三大ゲーム見本市の一つでもあります。
開催日程は4日間で最初の2日間はビジネスデイと呼ばれ、原則的にゲーム業界関係者や報道関係者、流通関係者のみに公開されます。
後半の2日間は一般公開され、未発売のゲームの試遊やイベントステージで行われるゲームの大会、ゲーム作品関連の物販などゲーム好きなら一度は行ってみたいイベントです。
また、来場者にはコスプレをすることが許可されており、会場内や外に人気ゲームキャラのコスプレイヤーが集結するのもこのイベントの見どころの1つです。
この日の集合時間も朝の7時。
場所も前回と同じく幕張メッセだったので朝の5時に出勤、前回のホビーフェア同様、入り口でスタッフパスを受け取り入場しました。
今回担当させていただいたのは、スクウェア・エニックスさんの『ファイナルファンタジー』のイベントブースです。
これは前回のホビーフェアの時もそうでしたが、ブースに立つ際イベントごとの専用シャツが渡されます。
今回はスクウェア・エニックスさんのロゴが入ったシャツを着ました。
僕たちは派遣された社員で僕個人に至ってはバイトという形でしたが、このシャツを着た人たち全員が企業の関係者になります。
少なくともお客さんから見た僕はただのバイトではありません。
緊張しすぎるのも良くないですが、このシャツを着ると身が引き締まります。
さて、お仕事についての話ですが、僕が担当したイベントブースは東京ゲームショウ前に発表された新作の映像を見ることや制作人の作品についての話を聞くことができるブースでした。
僕は担当ブースの一部をまとめる役を任されました。
誘導がスムーズに行えているのかの確認、ブース内の入客数管理、周辺スタッフへの状況に応じた指示などを行っていました。
基本的にはイベントを見に来たお客さんの誘導と導線の確保、イベント出演者の案内などが仕事でした。
僕が参加した時はスクウェア・エニックスさんから新作の発表がいくつかあり、このブースは他に比べて特に盛り上がっていました。
お客さんの数も多く、ブース責任者の方は常に忙しそうでスタッフ全員の統率を取るのが多変そうでした。
休憩時間中には他のブースを回る事もでき、僕は気になる場所を回り物販で買い物などをしました。
スクウェア・エニックスさんでは、僕がいたブース以外にも最新ゲームの試遊や関連商品の販売などもしていました。
1日目は担当ブースが終わった段階で終業となり夕方の5時には会場を出ることができましたが、僕はもう少し残りこのイベントを楽しんでから帰宅しました。
2日目は担当したブースの片づけを手伝っていたので帰るのは夜の8時頃だったと思います。
スクウェア・エニックスさんから差し入れを頂いたりもしました。
前回の次世代ワールドホビーフェアでは自分があまり知らない商品のブースでのお仕事でしたが、今回の東京ゲームショウは自分の好きなゲーム会社のブースだったのでより一層気合が入っていました。
1人のゲーム好きとしては、スタッフパスを提げて参加していることにどこか優越感のようなものを感じていたのも事実です。
ゲームショウの時には担当ブースの一部をまとめる役でもあったので、他のスタッフさんの状況を見ながら自分の仕事もしなければならずとても大変でした。
ホビーフェアの時にはもともと担当していた仕事以外の事も状況に応じて行い、臨機応変に対応しました。
最後に
ここまで書いてきた2つの仕事は基本的な作業は同じでしたが、他の人に指示を出し動かすことや状況に応じ仕事内容が変わるなど異なる部分もありました。
1つの会社にアルバイトとして雇用され、この様なさまざまな体験をすることができるのは派遣の強みです。
ましてや自分の好きな、あるいは興味のあることに接しながら仕事ができるということは素晴らしいことだと思います。
今回記事は僕が雇用されていた派遣会社がイベントでの仕事がほとんどなのでこのような内容になりましたが、派遣会社によって紹介される仕事は異なります。
僕が行っていたようなイベント系から工場などでの力仕事系、商品にひたすらラベルを貼るだけの作業などもあり実に様々です。
僕が1回体験したのはレンタル自転車を貸す仕事です。
これは名前の通りレンタル自転車を借り来た方に貸し、どれだけ借りられたか,客層,返却された自転車の軽い点検などを行う仕事でした。
近くで開催されているイベントに参加するお客さん向けにこのようなサービスを提供していて、長時間の野外での仕事で当時は11月だったので寒さもあり大変でした。
イベント系の派遣会社といってもこのようなイベントに直接的な関与が無いお仕事もありました。
これは通常アルバイトはせず派遣バイトのみで生計を立てようとしている人へアドバイスですが、派遣会社への登録は2社以上にするのが好ましいです。
なぜなら1社のみでの登録の場合仕事の紹介頻度が低いためです。
僕は通常のアルバイトをする傍ら派遣でのバイトもしていたので登録は1社のみでした。
僕と同じように普段は他のアルバイト、または会社で働きながら派遣での仕事をしたいという方は問題ないですが、派遣の仕事のみで生計を立てようとした場合1社ではどうしても仕事が少なくなってしまいます。
現に派遣会社に登録している人で、2社以上に登録しているのは8割を超えているという結果が出ています。

前述でもあったような派遣先企業への直接雇用を狙うとなれば、なおさら2社以上への登録は必要でしょう。
多少の制限はあるものの、それを気にしないとすれば自分にあったものを選び様々な仕事を体験できるという特徴を持つ派遣バイトの話でした。
先にも述べたように、派遣での仕事は他に仕事を持っている人でも空いた時間で仕事をすることができます。
この記事を読んでいる方で、調べて気になる仕事があれば登録してみるのはいかがでしょうか?
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