応募採用に関して、色々と思うところがあるので書いてみる。
背景
うちみたいなクソ零細でも、それなりに応募はある。
2020年からの統計だと、だいたい毎年60~70人ほど、2021年なんて230人もあった。
(2021はコロナ時期で飲食店の働き口が減り、特に学生のバイトが多かった)
しかし、応募の70%弱は門前払い、20%ちょいは面接前にNG、つまり87%くらいは面接に至っていない。
採用率は、たったの13%ほどに過ぎない。
途中から関連業務は殆ど事務の子にやってもらっていたが、面接自体は俺も出席する。
つまり、無駄になった時間や手間が相当あるということ。
仕方がないといえばそれまでだが、ウンザリするような「やり損」も少なくない。
ということで、ちょっと書いてみようと思った次第。
弊社で実際にあったこと
まず、「応募しっぱなし」。
これが殊のほか多い。
たぶん、気になった求人に手当たり次第エントリーしてサクサク進んだところがあればOK、それ以外は放置、というパターンだろう。
「応募しちゃったけど、やっぱり辞退します」の一言でもいいから、なんか言えよ。
こういう雑なことをされるせいで、こちらもいくらか雑になってしまう。
だからやってしまう失敗もあるのだが、それは後述。
次に、「ちゃんと求人を読み込んでいない」。
これもよくある。
いくらか連絡を取っていくうちに、噛み合わないこともしばしば。
首都圏の人が求人対象で面接は対面と明記してあるのに、富山やら新潟やらから応募してきたり、面接の当日になってからWeb面接のURLが送られてないけど?とか連絡してきたり。
面接で求人の時給どおりなことを説明して、了解の上で雇用契約書も書いたのに、即座に賃上げ要求、断ったら即辞め。
最後に、「面接バックレ」。
これも意外とあって、単純に忘れているのか、悪意あるスッポカシなのか。
もちろんこれがダントツで殺意が沸く。
端的に伝えたいことは、応募者側に問題があるケースがめっちゃあるよ!ってこと。
そこで思ったこと、失敗したこと
俺は応募者に対して、決して雇用をするウチが偉くてお前ら応募者は下なんて思っていない。
なんだけど、上記のようにあまりにも雑に対応が多く、俺の方も雑になってしまった時期があった。
その結果、まともな心ある応募者から、やんわりと「だらしない会社は願い下げだよ」とされてしまったことがある。
これは反省したね。
1つは雑な連中に引っ張られて俺まで雑になってしまったこと、もう1つはそのせいで本来一番欲しいはずの心ある応募者をキャッチできなかったこと。
このネット社会の中でもしGoogleマップにでも書かれてしまえば、グウの音もでない不都合な事実なのに。
だから、応募者から雑に扱われるのは仕方がないと一定割り切って、こっちは淡々とやるしかない。
こっちにとっては数ある応募者で失礼な奴が多いとしても、応募者にとっては「ウチの会社」なんだから。
企業側の都合と事情
これまでとはまた別の話。
有料の求人媒体を使っている会社はまた事情が違うのだろうが、ウチは無料の媒体を使っている。
リクルートのAir workというツールで、ここで求人を公開すればIndeedにも連携される仕組みだ。
そして、もう応募の元はIndeed一強。
他のツールを使っていたこともあったが、99%がIndeedだ。
ポイントは2つ。
まず、そもそも求人自体にレギュレーションがあること。
例えば、年齢や性別を記載することができない。
雇用機会均等法なのか何なのかしらないけど。
性別は置いといて、年齢は応募採用において相当に重要なファクターだ。
にもかかわらず、記載することができない。
具体的には、ウチでは未経験者でも社員として採用している。
ただ、将来性のある20代の若手または他業種でしっかりやっている30代というのが需要なのだが、それを記載することができない。
結果、50歳近くのIT業界でもない派遣社員が応募してきたりする。
しょうがないよね、求人に年齢制限が書いていないんだから。
これ、求職者にも事業者にもマイナスに作用している。
また、学生のバイトやインターンに関しても、実は年齢が大切。
大学生で言えば、1~2年は何をやっても経験になるわけだから、何をやっていてもいい。
つまり、やってもらえることは幅広いし、それが成長の種になるユルイ時期。
3年は一番大事な時期で、どっち方面で何をやるか決めたり就活が大切。
だから、うちのバイトなんかしている場合じゃないし、あまり時間を割けないから振れる作業も限られる。
4年は、就活が終わっているか否かにもよるが、内定が取れていれば、進む業界に関わることをどれだけやれるかが大切=やりたいことと任せたいことのマッチングが第一だし、一方で学生のうちにしっかり遊んでおくことも大切、そのための金稼ぎも大切なわけだし、内定先からこの資格を取っておけなんて言われることもあり時間の使い方がシビア。
この需給がマッチすることが肝要なわけで、そのキーとなる年齢を求人に書けないとシンドイ。
余談だが、性別の話もある。
いままでの傾向として、男は年齢を問わず実力以上のプライドを持ち、その割に打たれ弱い奴が多い。
まずやってみて、ダメ出ししたら傷つくのかすぐ辞めるパターンは圧倒的に女より多かった。
女の子は、腹の中でどう思っているのかは知らないが、ダメ出ししても粘り強い子が多かった印象。
まあ、男はわかりやすくて単純という長所もあるので、一概にどっちが良いとは言えないが。
次に、ツール利用上のレギュレーションがあること。
これは、Air workやIndeedがNGとすることができないということ。
具体的に言えば、こちらとしては学生のインターンとフリーター枠のバイトと社会人の副業では期待する要素もやってもらうことも違う。
なんだが、これらをそれぞれ3つの求人に分割するのはNG。
なぜなら、ほとんど内容が同じである重複した求人が3つある、とAIに判定されてしまうからだ。
だから仕方なく1つの求人にまとめるのだが、求めるものが異なるのに1つにまとめてしまうから不明確になる。
結果、求職者側と企業側でアンマッチが生じる。これも、どちらのためにもなっていない。
これは、新卒の社員採用、未経験者の社員採用、同業他社からの中途採用においても同様で、1つにまとめる羽目になった。
こちらも同様に、求めるものが違うのに1つにまとめるからアンマッチが生まれている。
じゃあ、どうする?
求人ツールや求人内容に定められたレギュレーションによって、求人内容が曖昧になり、結果として求職者側にとっては俺いけるんじゃね?とかここよさそう!などの誤解が生じて誤ったエントリーが生まれ、企業側から見れば望まない応募者からのエントリーが事務手間となる。
仕方がないといえば仕方がないのだが、そのレギュレーションが結局誰のためにもなっていないなら廃止すべきだ。
次に、応募者が雑なこと、というか雑な応募者が多いこと。
これは、企業側が雑なこと、あるいは雑な企業側が多いことと表裏一体だ。
鶏と卵の話で、一概にどちらに非があるとも言えない。
ただ、雑なアクションを取ってしまうと、鏡のように相手も自分に対して対応が雑になることは忘れてはならない。
そして、いつだって割を食うのは真面目に対応している人たちだ。
応募者側は、雑なエントリーをしているから、企業側から雑に扱われるんだよ。
企業側は、応募者に雑な対応をしているから、いい人が取れないんだよ。
これは、自分に対する戒めでもある。
株式会社Exciter代表。アラフォー。釣りとSAPが好き。
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