総帥です。
最近本当に実感する、電話の迷惑さについて。
前書き
大前提
コミュニケーションは、手段・内容・タイミングがポイントとなる。
これらは相互に影響しあう関係にあって、内容で手段が限定されたり、取る手段でタイミングが決まったり、タイミングを選ぶと内容や手段が限られたり。
こういった関係性を意識しつつ、あるいは無意識に我々は選んでいる。
例えば、おめでとうを伝えたかったら手段は何でもいいが、ごめんなさいを伝えたかったら対面でリアルタイムになるし、業務連絡的なものであれば関係者みんなにメールで送ったり、失われたくない内容であれば文書として保存する、といった風に。
これが、ごめんなさいをSNSで伝えると軽すぎるし、業務連絡を口頭で済ませると言った言わないになってしまうし、張り紙にしてしまうとテレワークの人にはわからなくなってしまうし、口伝だと内容が変わったり失われてしまう。
だから、手段と内容とタイミングを元に適切なコミュニケーションを取ろうとする。
これは、国や地域を問わない。
国民性や文化や宗教などの違いはあれど、ずっと人はそうしてきた。
昔
太古の昔は、ほぼ直接会って話すだけで、手段自体が殆どなかった。
ごく狭い声が届く範囲だけが伝達範囲であり、距離の障壁は大きかった。
木や川に目印をつけたり岩や壁に壁画などの形で情報が残されることもあったが、伝えられる情報量は限られており、伝えきれなかったり受け手に伝わらないことも多数で、つまりは質が悪い情報しか残すことができなかった。
また、木も川も岩も壁も「その場所」にあるわけで、近くにいる人しか情報を得ることができず、距離の障壁は健在だ。
文字や言語が発明されてからは、情報の質が上がった。
質が上がることで、コミュニケーション効率や記録できる情報量は大幅に改善された。
紙や墨など記録できるメディアが発明されるまでは相当な時間を要したものの、岩や壁に刻むしかなかった情報を効率よく記録することができるようになった上、更に持ち運ぶことができるようになり、情報量と距離の問題はずっとマシになった。
飛脚や車両での運送が始まることで、ある程度は距離やタイムラグという障壁を克服することはできた。
ただし、リアルタイムの会話以外は、伝えられる量に限りがあったり、時差があるのが当たり前。
治安は現代よりもずっと悪いこともあるため運送中に失われてしまったり、紙や墨の質の問題や保護が完璧でないことから、変形・変質・紛失・汚損があったことは想像に難くない。
自動車や船便や航空便など動力を用いた運送や移動が普及することで、コミュニケーション量と距離の問題はかなり解決された。
タイムラグは依然として存在していたが、これまでよりはずっと短くなった。
ここで革命を起こしたのが電話であり、距離の問題は完全に解決され、コミュニケーション量は費やす時間で解決され、タイムラグは消滅した。
ファックスは情報量や保存性の向上をもたらし、近代のコミュニケーションの基本となった。
もちろん通信料金や安定性・安全性などの課題はあったものの、遠くにいる人と、リアルタイムに、たくさんの情報を欠落することなく、やりとりできるようになったわけだ。
昭和56年に生まれた俺が子供のころにはそうなっていたと記憶しているため、ここまでを「昭和のコミュニケーション」と呼ぶ。
少し前
依然として、電話とファックスは現役だ。
それ以外は今とあまり変わらないといえば変わらないが、手段やデバイスはそのままにショボくした感じで、しいて言えば2000年代半ばくらいまでスマホがなかったので、PCやガラケーがメイン。
高2くらいからネットを使い始めたのだが、当時は一部のオタクだけが使うようなイメージ。
その時の通信は今思えば信じられないくらい遅くて、yahooを開くのに2分くらい、低音質一曲ダウンロードするのに15分くらい要していたと想像してほしい。
連絡手段は、電子メールはもちろん、ICQというメッセンジャーが流行していたと記憶している。
通信が遅いため、高画質の画像や動画なんかはやりとりできず、低画質の画像や文字データばかりだった。
高校生の頃に始めて持ったケータイは、PHS。
電話やショートメール的なものは使うことができたが、電波は弱く割とすぐ圏外になるし(田舎ってのもあったが)、ショートメッセージは20文字も送ることができない上、登録できるアドレス帳の件数にも制限があった(あまり友達がいなかったので困らなかった)
数年して「携帯電話」に替えることで相当に改善はされたが、最初の頃は電子メールが利用できず、この文字数制限のあるショートメッセージ的なものしか使えなかったと記憶している。
2000年代が終わり2010年代になる頃には、あらゆるものが高性能になり、高速化し、安定化し、廉価になり、いわゆる「今」と同じになったかと思う。
「昭和のコミュニケーション」が終わってから2000年代くらいを、ここでは「平成のコミュニケーション」と呼ぶ。
今
PCをはじめとしたハードウエアは小型化&高性能化を極め、価格帯も落ち着いて、庶民でも利用できるようになった。
とりわけスマホの普及は大きく、多くの人が持ち運びできる高性能デバイスを手にした。
高速で安定した通信網はいたる所に張り巡らされ、ネットは一部のオタクが使うマニアックなものから庶民も使うカジュアルなものとなった。
その高速で安定した通信網の存在を前提として、高画質の画像や動画などのいわゆる「重いデータ」すら取り扱い可能となり、更にネットは誰かが公開した情報を見るだけのものから自身でも情報を発信する舞台となって、SNSに代表される人と人とがリアルタイムでコミュニケーションを取ることができる舞台にもなった。
これまでに存在していた距離・タイムラグ・情報量・保存性などの問題は、もはや完全に解消されたと言って差し支えない。
めでたしめでたし。おしまい・・・とはならない。
これまでは技術や速度や安全性などに問題があり、だからこそコミュニケーションの取り方は限定的で、少ない選択肢の中から選んでいたし、相手もそれで仕方がないと割り切っていた。
しかし、様々な問題点や課題が解決されたからこそ、それぞれが手段や内容やタイミングを踏まえて「適切なコミュニケーション」を取らなければならなくなった。
「昭和のコミュニケーション」や「平成のコミュニケーション」においては、○○だから仕方ないよね、そうなるよね、となっていたのが、そうでなくなったのだ。
内容や手段やタイミングから色々と選ぶことができるわけで、そのやり方には理由があるんだよね?となるわけだ。
逆に言えば、色々な選択肢がある中で、なんでそのやり方を選んだの?ともなるってこと。
つまり、コミュニケーションを取る人々は、皆、内容や手段やタイミングを考慮した上で行わなければならず、それこそが「令和のコミュニケーション」と呼ぶべきだろう。
そこで電話の問題ですよ
前置きが長くなった。オッサンの悪い癖だ。
電話は、前述の通り物理的な距離に関わらずリアルタイムにコミュニケーションを取ることができるわけだが、その長所の一つであった「リアルタイム性」は、今となっては致命的な欠点になってしまった。
というのも、電子メールやSNSをはじめとしたメッセージでは、相手の「今」を邪魔することなく「後」で確認したり返信したりすることができるわけだが、電話は相手の「今」やっていることや考えていることを遮断し、「今すぐ」の対応を強制するためだ。
「あ、あの人から連絡きた。あとで確認しよう」であれば自分のペースは乱れず、今やっていることや考えていることをキリがよいところまで進めて「後」で対応することができるが、電話は「今すぐ電話に出て、俺の用件を済ませることに協力しろ」になってしまう。
いや、そんなつもりはないんです、なんていう人もいるだろうが、そんな話は通用しない。
論点は「お前の考え」じゃなくて、相手に何が発生するか?なんだ。
前の項で、こう書いた。
様々な問題点や課題が解決されたからこそ、それぞれが手段や内容やタイミングを踏まえて「適切なコミュニケーション」を取らなければならなくなったのだ
つまり、お前が選んだ数ある手段の中で電話を選んだのは、それなりに理由があるんだよな?
メールや郵送やチャットやメッセンジャーでなく電話したってことは、なんか意図があるんだよな?ということだ。
ここまで言語化していなかったとしても、殆どの人は友人でも仕事関係でも電話がかかってきたら身構えるはずだ。
関係性にもよるが、よほど馴染みでない限りは「え、何で電話?」となるはずだから。
意図や理由があったとしても、今やっていることや考えていることが遮断されるのは、シンプルに迷惑だ。
まあそれが身内の入院だとか緊急の用件だったとすれば、仕方がない。
しかし、手段に電話を選ぶ輩の殆どは、文章を書くのが面倒くさいから口頭で済ませたいとか、後でメール送るのは忘れちゃいそうだから電話を今しておこうとか、自己都合だけで選んでいる。
会社宛てに掛かってくる電話なんて、90%近くが迷惑な営業電話だ。
(通常、今や取引先はメールやteamsが殆どだし、電話を選ぶとしても理由が真っ当な人ばかり)
何故、お前の都合に合わせなければならない?
何故、俺のやっていることや考えていることが遮られなければならない?
お前なんかの都合のために???
(特に営業電話は、お前の金稼ぎのためなんかに!?で怒りゲージ更にup)
つまり、今となっては、電話は連絡したい側の自己中な方法に成り下がってしまったのだ。
全部が全部とは言わないが、信頼関係がない場合は、殆どそうなんじゃないだろうか?
Exciterの方針
というわけで、何年も前からクソ迷惑な営業電話に辟易している。
もちろん弊社のwebサイトでも告知はするが、とりあえず下記に宣言をする。
「クソ営業電話」と判断済みの番号には出ない
アドレス帳に「クソ営業電話」という名前で登録している宛先があり、迷惑な営業電話はドンドン追加している。
(10年以上前からやっているので、件数はえらいことになっている)
基本的に、クソ営業電話という名称が電話に表示された場合、弊社では電話には出ない。
「クソ営業電話」と会話中に思ったら塩対応
アドレス帳に登録していないクソ営業電話が掛かってきて、会話中に「ああ、クソ営業電話だな」と判断した場合、塩対応する。
いきなり電話を切ることもあるし、怒鳴りつけることもあるし、説教することもある。
でも、仕方ないよね。
お前は、お前の金稼ぎのために、俺の作業や思考の邪魔をしたんだから。
飛び込み営業には塩対応
いまだに飛び込み営業をしてくるアホがいる。
保険やら、オフィス機器やら、福利厚生やら。
基本的には、激烈に塩対応。
舌打ちして無言でドアを閉めることもあるし、機嫌が悪ければ怒鳴りつけるかもしれない。
でも、仕方ないよね。
お前は、お前の金稼ぎのために、俺の作業や思考の邪魔をしたんだから。
株式会社Exciter代表。アラフォー。釣りとSAPが好き。
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