この記事では、大学生だった私が訪問販売インターンを始めた理由や、実際訪問販売の業務を経験してどうだったのかについて紹介したいと思います。長期インターンを始めたいと考えている人や、漠然と何かに挑戦したいと思っている方の参考になればと思います。
業務内容
私は大学1年生の冬から約1年間、訪問販売のインターンを行っていました。業務としては個人のお宅に訪問し、太陽光発電設備の説明をして、商談のアポイントメントを取り、商談担当者に繋ぐというアポインター業務を行いました。
出勤は主に土日祝日で、営業のエリアは主に関東地方や東北地方でした。かなり遠方にもエリアがあったので、出勤するときは基本的に各地にある会社の事務所にて泊まり込みで出勤をしていました。
また給料は完全歩合制で、自分がとったアポが契約につながったら数万円~十数万円をもらえるという形でした。
始めた理由
私がなぜ訪問販売のインターンに挑戦するに至ったのかについてお話しようと思います。まず普通のアルバイトや他職種のインターンではなく営業を選んだ理由ですが、主に2つありました。
1つ目は就活に役立つと思ったからです。就活では必ずガクチカ(学生時代に力をいれたこと)を話す機会があります。もちろん普通のアルバイトでもよいのですが、どうしても話すことに困りそうだなと感じたため、もっと別のことをしたほうが良いのではないかと考えました。
2つ目は、ビジネスマンとしての活躍を目指す自分にとって、営業経験は必要不可欠だと考えたからです。大学1年生だった私には、将来どんな職業に就くのかの具体的なイメージはありませんでしたが、とりあえず仕事のできるかっこいいビジネスマンになりたいな~と思っていました。そして仕事ができると言われる人は、たとえ職種が営業でなくても、プレゼンや交渉を通じて相手を説得し、心を動かす能力に長けている必要があります。私は元々自分の意見を主張したり、人を説得したりすることに苦手意識があり、コミュニケーション力に大きな課題があったため、営業を通じて改善していきたいと考えていました。
そして、営業の中でも特に訪問販売のインターンを選んだ理由は、泥臭いこと、辛いことに対する免疫が私には必要だと思ったからです。私はビジネスマンとして活躍するための頭の良さやセンスの鋭さ、斬新な発想力というものに、自信が全くありませんでした。そんなただの凡人が社会で生きぬくためには、理不尽な辛い状況でも折れずに業務を遂行できる泥臭さを身につけなければならないと考えたところ、訪問販売のインターンが一番適した環境だと思い、挑戦することにしました。
やってみてどうだったか
正直業務自体はかなり辛かったです。暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も雪の日も出勤し、一日中歩き回るため体力的にかなりきつい仕事でした。また、当然ですが突然訪問をして良い顔をする人はほとんどおらず、初日から怖そうな人に怒鳴られました。覚悟をしていたつもりでしたが、やはり精神も削られる仕事だなと感じていました。最初の方はアポ0で1日を終えることも多く、結果だけみれば無価値な日々が続いていました。
また私は同じ時期に入った仲間と比べても結果が出るのが遅く、アポが契約までいって初めて給料が入ったのは始めてから半年後でした。その間金銭面だけではなく、結果が出ないことへの焦りもあり、精神的にもプレッシャーがかなり大きかったです。(一度本気で辞めようと思ったときの話は別途記事でご紹介するかもしれません)
しかし職場の雰囲気はとても良く、誰かがアポ獲得の報告をしたときには盛り上げたり、結果がでなくてもポジティブに励ます文化があったため、全く結果の出ていない自分も居心地の悪さを感じることはありませんでした。周りの仲間や先輩(ほとんどみんな大学生)は結果が全く出ない自分にもとても良くしてくれたため、期待に応えたいという思いでなんとか出勤し続けていました。
そして徐々に結果が出始めてからは自分なりのスタイルに自信が持てるようになり、コンスタントに結果が出せるようになりました。この頃も業務自体の辛さには全く慣れることはありませんでしたが、アポが契約につながった瞬間の喜びは人生で感じたことのないものがありました。
ちなみに私の最終的な営業パフォーマンスとしては、
- 1日の平均アポ数…2アポ
- アポ→商談への接続率…11%
- 商談成功率…40% (基本的には商談担当者が追う数値ですが、自分のアポの質によっても成功率は左右されるため、二人三脚で数値の向上を目指していました。)
- 1ヵ月あたりの平均契約数…0.8
でした。おそらく1ヶ月あたりの平均契約数は中の下~真ん中くらいだと思います。土日祝日だけの勤務とはいえ、終日拘束されるかつ平日も練習する必要があったことを考えると、時給換算では確実に普通のバイトより劣っていました。
得られたもの
《自信》
すぐに投げ出すことなく、一定の成果を出すまでやり切った自信はかなり大きなものがあったと思います。入ってくる新人の人はそれなりにいるのですが、体感2割くらいは初日に辞め、3ヶ月以上続く人は半分もいなかったです。そんな中私は結果が全く出ないにも関わらず訪問販売を続け、私は営業に向いてないなと思いながらも無理やり結果を出すことができたことは1つ自信になりました。
《目標》
周りの仲間もほとんどが学生という中で、尊敬できる、目標となる人にもたくさん出会えました。特に自分の上司は学生ながら訪問販売だけで年収1000万以上稼ぎ、それと並行して事業や副業を行い、学費や生活費、家賃なども全て自分で払いながら生活しており、とにかくすごいなと思っていました。私は営業のフィールドでは絶対勝てないですが、別のフィールドで頑張って将来的には肩を並べられるくらいまで自分を高めていきたいなと思っています。
《コミュニケーション力》
コミュニケーション力はかなり改善されたと思います。特に私は人の話を正しく認識できなかったり、話のテンポが全く合わせられなかったりと社会に出る上で支障になりうるほどコミュニケーション能力の低さが目立ちました。しかし訪問販売を通じて、コミュニケーション力が武器になるところまでは高めることはできなかったものの、標準的なレベルまでは改善できたのではと思います。
《考え方》
自責思考や感謝の気持ちといった、仕事をする上で大事な考え方を学べました。訪問販売ではどうしてもほとんどの人には断られてしまうため、いかに自分が改善できる部分に目を向けられるかが大事でした。また門前払いせずに話を聞いてくれる人には自然と感謝の気持ちを持つようになり、普段の生活でも自責思考や感謝の気持ちを意識するようになりました。
《仲間》
今でも連絡を取り合うような仲間ができました。私は大学で部活などに所属しなかったため、同じ目標に向かって頑張ったり本音で相談したりできるような人は周りにいませんでした。そんな中で一緒に大変な営業を頑張った仲間と今でも仲良くできていることは自分にとってとても大きいことだなと思っています。
《思い出》
喜怒哀楽、全てにおいて濃い経験ができたと思います。とてつもなく辛かった日々もありましたが、その分結果が出た時の喜びはひとしおでしたし、ある種の青春のようなものを感じられた時間だったと思います。
《確定申告の経験》
個人事業主での契約だったため、給与所得とは異なる確定申告をすることになりました。扶養のラインが異なることを知らずに扶養から外れたことでトラブルになったことも含め、よい経験だったかなと思います。
最後に
訪問販売はとても辛く、またやりたいとはあまり思いませんが今となってはやってよかったと心から思います。あの時挑戦をした、そしてすぐに辞めなかった自分を褒めたいです。以前の私のように訪問販売にネガティブなイメージしかない人こそ、挑戦する価値がある仕事だと思います。きっと一生物の何かが得られるはずです。
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