【テレビ業界でのお仕事!】AD(アシスタントディレクター)経験談

就業

こちらの記事では、私が以前テレビ局で情報番組のADとして働いていたときの経験や仕事内容について紹介したいと思います。バラエティーやドラマのADの経験はないため、情報に偏りがあると思いますが、情報番組や報道番組のADを目指している方の参考になればと思います。

 

AD(アシスタントディレクター)とは

AD(アシスタントディレクター、以下AD表記)とはその名の通りアシスタント業務を行うスタッフを指します。私が担当していた番組では、上からプロデューサー、AP(アシスタントプロデューサー)、ディレクター、ADといった順で役職が存在しており、ADは番組内では一番下の役職となります。ディレクターだけでなく、プロデューサーやAPのサポートを行い、番組制作に関わる様々な業務をこなしていきます。

 

ADになる方法

ADになるためには、①テレビ局に入社する、②制作会社に入社するという2つの方法があり、私は制作会社に入社しADになりました。私の経験則ですが、テレビ局に入社する人より、制作会社に入社してADになる人のほうが多かったです。

 

制作会社とは

制作会社とは、テレビで放送される番組の制作や、スタッフをテレビ局へ派遣する会社です。テレビ局で番組は作られますが、制作会社の場合はスポンサーを探すことや、編成などについて一切関わりません。テレビ局から与えられた枠で番組を放送するための制作を行う会社です。

テレビ局に入社するよりも、簡単にテレビに関わる仕事をすることが可能です。しかし、制作会社の場合プロデューサーになることはほとんどなく、ディレクターやAPで役職が止まってしまうことが多いです。もちろん制作会社所属で番組のプロデューサーになる方もいますが、テレビ局員よりかは少ないと思います。

 

制作会社に入社するためには

制作会社を探すというのは当たり前ですが、いくつか注意が必要です。

 

①希望の番組やジャンルを定める

制作会社の数はとても多く、就活・転職サイトで検索をかけるとかなりの数が出てきます。ここで闇雲に応募をしてしまった場合、無駄足になることが多いです。

まずは自分が作ってみたい番組や、ジャンルを絞ることから始めましょう。ジャンルというのは、情報・報道番組、バラエティー、ドラマといったテレビの種類を指します。明確にこの番組で働きたいという意思がなくても、ジャンルを絞ることは可能だと思います。

 

②制作会社にエントリーする

ジャンルを絞った後は、そのジャンルに対応している制作会社を探し、自分の条件と合致する会社にエントリーしました。私は情報・報道番組の制作を希望していたため、かなり絞り込んで制作会社を探しました。

ここで注意。1つの制作会社で情報・報道番組、バラエティー、ラジオなど複数のジャンルを担当している場合がほとんどです。しかし複数ジャンル担当している会社の場合、自分の配属希望が通らないといった場合があります。私の同期にも、音楽番組を希望したが、情報番組に配属されてしまったという人がいました。必ず自分の希望が通るのか、配属希望の番組に人員の空はあるかといった確認は必ず行いましょう。

 

エントリー後は各制作会社に従い選考に進みました。ちなみに私は、就職活動を大学4年生の5月には開始し、10社ほどエントリーをしました。この10社は制作会社以外も含まれており、4社内定、2社不採用、4社辞退という結果でした。制作会社からは2社内定をいただき、担当番組が情報・報道番組のみを扱っている制作会社に就職しました。

 

仕事について

ここからは情報番組ADとしてどのような仕事をしていたのか、勤務時間等について紹介します。この内容はあくまで一例であり、担当番組によって仕事内容・勤務時間は大きく異なるので、注意してください。

 

仕事内容

私は月~金のお昼に放送している情報番組の水曜OA担当のADとして働いていました。主な仕事内容は、リサーチ・VTR素材集め・VTR作成・フリップ作成・新聞や雑誌記事など使用するための許可取り・インタビュー・中継・ロケハン・ゲストや取材先のアポ取り等を行っていました。毎回、上記すべての作業をやるわけではなく、OAの内容や担当するポジションによって仕事内容は大きく変動し、さらに突発的に発生する作業もありました。

準備や下調べの段階ではずっとパソコンに向かって作業していましたが、OA直前やOA中はひたすら走り回り、スタジオとVTR・フリップ作成場所を行き来するという、かなり体力が必要な場面もありました。とても忙しかったとき、どのくらい動いたのかiPhoneの歩数計を確認したことがありますが、1日で2万歩、階段で38階分を動いたと記録に残っていました。もちろん毎回このように動き続けることはなく、5000歩いかない日などもあり、日によって動きの差が大きかったです。

 

出勤日数、時間

出勤についてですが、週5日・月~金出勤の土日休み、火曜から水曜は帰宅せず会社に泊まり、寝ずに作業するといった勤務状況でした。祝日は関係なく月~金は必ず出勤していました。出勤時間は日によって異なり、一番早い出勤時間が朝の6時、一番遅いときはお昼の2時でした。また勤務時間も泊りの日であれば最長32時間勤務、一番短いときは2時間勤務とかなり不規則でした。

 

基本的には1番組だけの担当でしたが、半年ほど番組の掛け持ちをしていた時期もあり、その番組も情報番組でした。週に1度だけ朝8時から夕方4時頃まで合流し、主にVTRの許可取りや中継などを担当していました。

 

楽しかった仕事・きつかった仕事

テレビの仕事は大変なことが多かったですが、その中でも楽しいと感じる瞬間が多々ありました。それは自分が作成したフリップやVTRがOAに載った瞬間です。全国放送の番組だったため何十万人の方に見られることはとても緊張しましたが、他では味わえない達成感がありました。

また、私が担当していた番組はあまりエンタメ系のネタを扱う機会が少なかったのですが、人気を博したドラマ・アニメ、タレントについて扱ったときは、準備は大変でしたが普段会えないタレントさんへの取材や、裏情報を聞くことができてとても楽しかったです。また貴重な経験でいうと、メジャーリーグで活躍した選手と一緒にドラフト会議の会場に実際に足を運び、取材と中継を行ったことがありました。野球選手にはあまり詳しくありませんでしたが、この話を野球好きの人にすると大抵いいな、とうらやましがられます。

 

きつい仕事の中、特にきつかったことは、1日で50人に街頭インタビューするために1日中取材をしたことと、災害現場での取材・中継です。

2019年の5月に令和へと元号が変わったとき、令和最初のOAにて街行く人々に令和はどのようなものになってほしいかという願いを100人分紹介することが決まりました。方向性が定まったのがOAの1日前だったため、私ともう1人のADで手分けして50人分の街頭インタビューを行いました。朝から晩まで重たいカメラを片手に、休憩もろくに取れず街行く人に声をかけるのは本当にしんどかったです。カメラで撮影すると伝えると大抵の方に断られることが多く、50人のインタビューを取るために200人ほどに声をかけました。世の中は10連休という大型連休を過ごしている方も多かったので、なぜ私は寝ずに働いているのかと考えてしまい、精神的にも打撃を大きく受けた仕事でした。

もうひとつは、災害現場での取材・中継で、九州で大雨が降ったときでした。3日程九州地方に滞在し、朝から晩まで取材と中継を行っていました。カメラなど機材や取材に必要な小道具を片手に、警報級の雨の中1日ずっと外に出て仕事をしたことは本当にきつかったです。

 

まとめ

ADについての紹介はいかがだったでしょうか。仕事内容や勤務スタイルは番組や人によって大きく異なるため、すべてのADを目指す方の参考にはなりませんが、ADを全く知らない方々や、情報番組に携わりたいと思っている方の参考になればと思います。

テレビの仕事は普通の仕事に比べてしまうと、大変そうとイメージを持たれがちですが、その分ほかの人にはできない経験をたくさんすることができます。ADは年代が若くないとなれない仕事です。1度挑戦してみたいという方は、ぜひ1歩を踏み出して欲しいと思います。

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