2022年1月11日勉強会レポート 考える力の練習問題

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当レポートは、01/11勉強会にて行った「考える力」の練習を基に、各人の回答と、それに対する解説を述べ、その後に回答のポイントを述べる。

 

練習問題

以下から可能な限りの考察を行う。

➀今年のコミケには11万人が来場した
➁献血車が4台来た
➂590人が献血を行った

 

回答と解説

(一人目)

コロナ禍でもコミケの需要はある

事実「コロナ禍で11万人が来場した」から導きだす事の出来る事実「コミケの需要はある」は、事実であるため、客観的な根拠である。

 

4台で590人をこなした献血車は稼働率が高い

事実「4台の献血車で590人の献血を行った」と、事実に基づく推測「稼働率が高い」。

実際に、どれくらいのスピードで献血を行ったかは提示されていないが、1日に1台あたり、147人の献血を行った献血車の「稼働率が高い」という推測は適切である。

 

この日に初めて献血を行った人がいるかもしれない。だから、来年も期待できそう

事実「11万人中590人が献血を行った」に基づく推測「来年も期待できそう」。

コミケの来場者は年によって客層が変わるとは考えにくいため、「来年も期待できそう」という推測は適切である。

 

(二人目)

来場者のうち1%強の人が献血を行った

正しくは、「0.5%の人が献血を行った」である。定量的なデータは決定的な事実になるが、数字を間違えてしまっては何の意味も果たさない。

 

1台当たり147人の献血を行ったという事は、イベントが10時間と仮定すると、献血車は1時間当たり約14人の献血を行う必要があった。だから、献血車4台は適切な数であると考えた。

事実「1台当たり147人の献血を行った」と、仮定「イベントが10時間と仮定する」と、仮説に対する推測「献血車4台は適切な数である」が混ざっている。これら事実、仮定、仮定に対する推測は混ぜてはならず、切り離して考える必要がある。

 

母数が多い分、色んな種類の血液型が集まったことは間違いない

「590人が献血を行った」という事実はあるが、その集まった血の型が色んな種類であるという事実はない。これは、何の事実にも基づいていない、推測に過ぎない。

 

(三人目)

11万人が来場し、590人が献血に協力したという事は、イベントメインで来た人と、付き添いの人がいるはず

そもそも、話の前後が結びついていない。

 

人が沢山集まると、献血の協力が得られやすいので、需要がありそうだ

「人が沢山集まる」は事実だが、だから協力者が多かったという事実はない。そのため、そこから需要がありそうと推測するのは適切ではない。

 

献血車の台数が足りなかったのではないか

「献血車の台数が足りなかったのではないか」と言っているのは、何の問題に対しての解決策を言っているのか、明確ではない。まずは、問題を要素分解し、要素分解した問題に対する解決策を考えるべきである。

 

 

回答のポイント

◎事実あるいは、事実に基づく推測と、一個人としての意見を切り離して考える

考察は基本的に事実をベースにして考える。逆に、一個人の意見をベースに考えた事は、話し手の意見にすぎず何の根拠も持たない。

一個人としての意見を述べる際には、「根拠はないけど~」といった枕詞が必要である。

 

◎「事実」と「事実に基づく推測」を混同しない

事実は客観性を持った根拠になるが、事実に基づく推測は話し手の思想によって大きく左右される。つまり、事実に基づく推測は主観的であり客観性を持たない。

事実に基づく推測を述べる際には、「あくまでも推測だけど~」といった枕詞が必要である。

 

 

まとめ

仕事を行う上で、一個人としての主観的な意見なのか、事実に基づいた客観的な根拠であるかは特に切り離して考える。

事実に基づいて、導きだされた結論は考え抜いた最終形態であるため、その結論が覆されることはあまりない。一方で、一個人としての意見に基づいて、導きだされた結論は、そもそも何の根拠もないため、すぐに覆されてしまい、最悪の場合には、手戻りが発生する可能性もある。

 

私は、特に事実に基づいた根拠と、一個人としての意見を混同して考えてしまう。これは、仕事をする上で、絶対にやってはいけない事であり、意識的に変えないと駄目である。さもないと、誰からも信用を得ることは出来ず、仕事をする上で人の事を困惑させ、足を引っ張ってしまう。

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