2021年9月28日勉強会レポート システムの全体像と連携

社内勉強会

はじめに

システム全体像や連携の話に入る前に、知るべき前提知識であるシステムやプログラムについて述べます。

 

システムとプログラム

プログラムとは、目的の達成のために処理を自動化したものを指し、システムとはプログラムやデータを関係のある単位でまとめた集合体です。

企業では、複数のシステムを目的ごとに役割分担し使用しています。

 

機能配置

企業内では複数のシステムが使われていることは既に述べました。

それらシステムはそれぞれに役割を持っています。

どのような役割を担わせるか定めることを機能配置と呼びます。

 

Exciterの場合、Backlogはタスク管理の役割、Google Driveはファイル管理の役割といった具合です。

このように機能配置が明確に定められているため、各システムが自らの役割を全うし、一つの業務を二つのシステムにまたがって行うといったような混乱が起こらないのです。

 

システム全体像

複数のシステムを使用している企業では、企業のどの役割を担っているシステムであるのかを決めている機能配置があるという事は既に述べました。

そのため、各システムを最適化するのに注力するのではなく、システム全体像や、システム間の連携にも気を配る必要があります。

我々システム屋はシステム全体像に気を配ることによって、企業の課題や、目標を達成でき、最終的には顧客の満足度を高めることができます。

 

システム間連携

システムはそれぞれに役割があるとすでに述べました。

とはいえ、同じ企業の活動をシステムが行う以上システム同士は互いに連携しています。

 

InboundとOutbound

システム間は互いにデータを取り出し、取り込み連携しています。

システムにデータを取り込む事を、Inbound。システムからデータを取り出す事を、Outboundと言います。

 

SAPは最高のシステムである一方、繊細なシステムなので他のシステムとの連携に関して厳しいルールがあります。特

にSAPにデータを取り込む際は(Inbound)、SAPのルールに従った形式のデータのみが読み込みと取り込みが許可されます。

 

マニュアル連携と自動連携

システム間の連携は勝手にシステム同士で行ってくれるわけではなく、開発や設定などの作り込みを行う必要があります。

また、ケースバイケースで柔軟に動作することはできず、あらかじめ定めた方法でしか動作しません。

これらの連携の手段について、大きくはマニュアル連携と自動連携の2つがあります。

 

マニュアル連携

システム間の連携を手作業で行う。

メリット:自動連携と違って導入費用がかからない・自動化するための導入する時間がかからない

デメリット:手作業で行うため人為的なミスが発生する可能性がある・手間がかかる・非効率

 

自動連携

システム間で自動的に連携を行ってくれる。

メリット:人為的なミスが発生しない・手間が省ける・効率的

デメリット:自動化のための導入費用がかかる・自動化するためのプログラムの導入時間がかかる

 

さらに、自動連携には二通りの連携方法があります。

リアルタイム連携:リアルタイムに連携を行う
メリット:連携を都度行うためデータが常に最新、連携の順序性を意識しなくてよい
デメリット:都度やり取りを行うため通信の負荷が増える、システムダウンが許されず運用が難しい、連携のタイミングを選ぶことができない
バッチ連携:任意のサイクルに沿ってデータのやり取りを行う
メリット:都度連携を行わないため通信負荷が低い、連携の頻度や時間を選ぶことができる(スケジューリング可能)、連携を行わない時間にシステムのメンテナンスが可能
デメリット:連携を都度行わないため次回の連携までデータが最新化されない、連携の順序性を担保する必要がある

 

ジョブ管理ツールとEAIツール

自動連携には、自動で連携を行うための頻度や時間などのスケジューリングおよびステータス管理を行うためのジョブ管理ツール、受け取り側システムが必要な形に連携データを加工するEAIツールがあります。

 

ジョブ管理ツール:連携をスケジューリングし、実行結果のステータスを管理するためのツールです

  • システム間連携の対象や実行タイミングを設定します

 

EAIツール(Enterprise Application Integration):それぞれシステムが持っているデータを自動的に絞りこみ、削除、組み換えるツールです

  • 連携を行うためデータの下処理を行います

 

まとめ

世の中には様々なシステムがありますが、いくら良いシステムを導入してもそのシステムだけでは意味がなく、企業全体として良い状態でなければなりません。

そのためには、個別のシステムではなく、それぞれの機能配置を踏まえた全体像とシステム間連携が不可欠です。

 

SAPを扱う我々にとっては、SAPだけしか見ない・見えないではなく、企業全体の未来を見据えてシステム全体像をデザインし、その中でSAPが担う範囲や役割を踏まえた構築を行い、システム間連携にも気を配ることが大切です。

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