はじめに
この記事では、中国から来た私が、日本に来てから三年間の間に経験したアルバイトの体験談を書いたものである。
外国人として、日本でアルバイトができることをこの記事を見て知っていただければと思う。
アルバイトをするきっかけ

日本に来て最初の半年間は、留学生が日本の大学に入るためのテスト(EJU)の準備するために勉強に集中し、アルバイトをしなかった。EJUテスト(筆記試験)が終わった後、日本語の読み書き能力は大分上達したが、聞く・話す能力はあまりないことに気づいた。校内テスト(筆記試験と面接)も近づいていたので、アルバイトを通して聞く・話す能力を上達させたかった。
アルバイトの経験歴
2019年7月~9月:うどん屋さんのスタッフ
2020年1月~3月:オフィス清掃スタッフ
2020年9月~2021年6月:コンビニスタッフ
2021年1月~2022年1月:歯科助手
2022年2月~:IT会社のアシスタント
うどん屋さんのスタッフ
アルバイトの経験が全く無かったため、最初はTOWNWORK(仕事を探すアプリ)を使って、気軽な気持ちでアルバイトに応募した。その結果、飲食業である某うどん店でのアルバイトが決まった。日本語学校の授業が終わってから、週に3回ほど17時~23時まで働いた。時給は1,000円ぐらい(当時の法律に定めた最低時給)だった。当時、仕事をする中で話せる日本語は「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」しか話せなかった。店長やスタッフ同士と簡単な会話さえ出来なく、接客することはほぼ不可能だった。店は駅構内にあり、キッチンでひたすら慌ただしくお皿を洗っていた。そのためあまり日本語の勉強にはならず、アルバイトを始めて3か月後に、辛さしか感じず辞めてしまった。
オフィス清掃スタッフ
テストがすべて終わり、大学先も決まり、使えるお金に余裕も欲しかったため、またアプリを開いてアルバイトを探した。前回の経験があり、今回は飲食業のアルバイトは一切考えなかった。そこで応募したのはシェアオフィスの清掃スタッフである。私がやってきたアルバイトの中で給料が一番高く、時給は1,300円だった。
平日5日間、各日17時~22時まで働いた。仕事内容はガラスカップを洗うこと、そのガラスカップの回収と補充、コーヒーマシンの片付け、オフィス内の掃除機掛けとゴミの回収・分別だった。最も辛い仕事内容としてはガラスカップの回収と補充、コーヒーマシンの片付けだと感じた(一箱のカップとコーヒーマシンが思ったよりも重く、女性にとっては運搬がきついと感じた)。しかし、仕事が始まってから二週間後、コロナウイルスが流行し始めたことにより、水やコーヒーなどの飲み物の提供が禁止され、仕事内容は掃除とゴミの分別だけになった。
当時、私はこのアルバイトを友人に紹介し、一緒に働くことになった。オフィスの掃除は従業員らがそれぞれ各一階ずつ分担して行っていたが、ゴミを分別する場所は一緒であった。そこで毎日ゴミを分別しながら友人と従業員のおばさんたちと会話したことがとても楽しく、日本語の会話もその時に少し上達した。
当時決まった大学が自宅から遠かったこともあり、引っ越しが原因でこのアルバイトを辞めてしまった。
コンビニスタッフ
大学に入学し、大学生活が徐々に安定してきたので、またアルバイトを探し始めた。コンビニのアルバイトは留学生の中でとても人気があり、私もレジの仕事をしたことがなくチャレンジしたかったため、家の近くの某コンビニに応募し、働き始めた。仕事内容は主にレジと商品の補充で、時給は1,080円だった。実際に働いてみて、コンビニのアルバイトは想像よりつまらないと感じた。そして、従業員がたくさんいる状態で、22時~0時の時間帯にしか入れない。この時間帯は、酔っぱらった怪しいお客様がたくさん来るので、お客様と接することも少し億劫になってしまった。また夜も遅く、翌日の朝から授業があるため、起きられなくなった。それが原因でこのアルバイトを辞めてしまった。
歯科助手
2021年の冬休みに入り、コロナが流行したことが原因で中国に帰れない状況だった。また、コンビニの勤務があまりに入れないこともあり、もう一つのアルバイト先を探し始めた。私はさまざまな業種に挑戦したかったので、試しに歯科助手の仕事に応募した。自分のイメージでは、歯科助手の仕事は医療系の資格が必要だと考えていたが、資格の無い初心者の方も大丈夫だと院長先生が言ってくれた。しかも外国人なので、歯科で使われる日本語についてたくさんの不安を感じていたが、そのことについても院長先生は「日本人でも初めての人は聞いたことがない単語ばかりなので気にしなくて大丈夫」と言ってくれた。
仕事内容は、先生に言われた器具や薬を渡したり、バキュームで患者さんの口腔内の唾液を吸い取ったり、レントゲンを撮ったりなどした。時給は1,080円からスタートし、一年で50円昇給する。最初の1ヶ月は覚えることがとても多く苦しかったが、慣れたら逆に楽な仕事だと感じた。デメリットとしては患者さんの歯を削るところを見ることに抵抗があることや、また血が時々出るので、血に敏感な人はこの仕事は無理かもしれないと感じた。色々な歯の知識を勉強しながら、一年この仕事をやり続けて、引っ越しが原因で辞めてしまった。
IT会社のアシスタント
将来IT業界での仕事をしたいと考えるようになり、もっとITについて学びたいと思ったため、今年の2月から働き始めた。仕事内容としては、主にITに関する内容や働く上で重要な考え方などの内容についての勉強会に参加し、内容について資料を作成する仕事である。私のアルバイト経験の中で一番頭を使う仕事かもしれない。今も慣れるように頑張っている。
感想
中国では未成年者が仕事をすることは非合法で、企業も大学生をあまり雇ってくれない。日本よりも中国の方がアルバイトをできる場所が非常に少ないと思う。日本に留学してから三年間、コロナで学生生活があまり楽しめず、本当に悲しい思いもしたが、色々なアルバイトをやっている内に、自分の能力もどんどん伸びていった。
自分のアルバイト経歴は他の留学生よりも多く経験していると思う。留学生のアルバイトは飲食店とコンビニのアルバイトしか募集していないと考える人が多いが(他の職業はあまり雇ってくれない恐れがある)、チャレンジしたら、そうでもないかもしれない。
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