小伝馬町の路地裏にある、テーブルひとつとカウンターだけの小さな店「さかな家 快海」。
こぢんまりとした店内は一人呑みに丁度良く、そこいらの寿司屋では足元に及ばないほど魚介が旨い。
おっさんが好きそうな佇まい。そんなわけで、余程味のわかる飲兵衛でなければ女性には向かないかもしれない。
まずは駆け付け一杯。お浸しや煮込みをつまみながら、焼き物を待つ。
椎茸、竹の子、ホッケ、ノドグロ(稀に)など。
巨大な蛤の酒蒸しやメバルの煮付けなんかも非常に良く、極太のアスパラボイルや焼き茄子もGood。ビールがすすむ。
太刀魚の焼きもの
ここいらで日本酒へ。
私は甘めでもすっきりめでも両方好きだが、ここは魚介の味を際立たせるべく超辛口の「刈穂」をオススメする。
もちろん焼酎でもハイボールでも良いのだけども、海のものを楽しむ時は、やっぱり日本酒でしょう。
そして刺身をオーダーする。
大食いな私の胃袋にも限界があるので選択に迷うこともあるが、種類も量も適当に盛り合わせてもらえる。
マグロはいつも旨いし、金目や太刀魚の炙りもたまらない。また、最近はウニが置いてあるのも良い。
つまみが旨いと酒がすすむもので、気がつくと三合くらいは軽く空いていたりする。
シマアジと金目鯛
バフンウニ。大抵どこもムラサキウニなので、食べられた日は幸運だった。ちなみに、これは少し食べた後。本当はもっと盛ってある。
小食で「酒は嗜む程度」な人の倍はオーダーして、これだけ楽しんでも勘定は大体5000~6000円くらいのもの。普通の人なら@3000も行かないのではないだろうか?
旨いものを楽しもうという時に金を気にしてはならないが、良いものが安ければ言うことはない。
ただ、下記の注意点があるので、足を運ぶ人は心の片隅に置いておいてほしい。
- 店は決して広くないので、入れない確率もそこそこある。(確か予約は可能)
- 最初の一杯は出してもらえるが、飲み物や氷のサーブはセルフサービス。ビールを注ぐのが下手な人は、いっそ誰かに
押し付けて任せてしまおう。 - 木曜くらいになると、店主がくたびれている
最初にお邪魔してから、もう何年もなる。
是非このままのクオリティを引き続き維持してほしいと思う。
【2012/06/26追記】
この間行ったが、やはり旨かった。
キンキの焼き物。高い店で頼むとこれだけでそこそこしそうだが、ここでは二千円くらい。ちゃんと利益は乗せているのか?
鮎うるか。「鮎のワタの塩辛みたいなもん」という説明を受け、聞いた時は雑な解説だなぁと思ったが本当にそんな感じだった。実に日本酒とよく合う。
ふらりと寄ったらカウンターに水槽があり、中で黒い何かが蠢いている。
・・・なんぞ?と思ったら、「どぜう」だった。生きているのを見るのは実に久しぶりだ。
メニューには「どぜうの唐揚げ」とあるが、それは無視して、「豆腐と一緒に鍋に入れて加熱したら豆腐の中にどぜうが逃げ込むって聞くけど、それやってよ」と言ってみる。
いいけどさーと応じてくれたが、どうやらそんなことにはならず、火にかけて直ぐ普通に煮えてしまったらしい。
見た目が若干残念である旨を聞き、急遽、柳川っぽく仕上げてもらう。
珍しいものを食べられて、それはそれで良かったのだが、刺身を食いそびれてしまったことに一抹の後悔が。。。
【2012/09/21追記】
少し早いが、今月頂いたものを。
まずはタカベ。この店は刺身が旨いのだが、焼きものも相当いい。
いつもうまいが、この日は脂のノリもVery goodだった。
何らかの炙り(忘れてしまった)と、イワシ。大阪湾のイワシうまい。
うなぎ。
今年はショボいわりに高いものばかりで「だったらいいや」とご無沙汰だったが、実に旨い。
安易にタレでなく、白焼きなのがまた良い。
ワサビ醤油で食せば、たっぷり乗った脂も重く感じない。
仕入れ次第で、いつでもあるわけではないだろうが、これで千円くらいなのでお得感満載。
戻りガツオ。
カツオには薬味たっぷり派だが、ここまで品質が良いとシンプルに食べるに限る。
【2012/09/28追記】
豚タン味噌焼きを食べ忘れたことが癪に障ったので、食べに行く。
まずは、「水ナスの刺身」。塩で頂く。
次に「つぶわさ」。旨かったのだが、頼む前に粒粒のワサビ的な想像をしていたため、微妙な気分に。
そして、ようやく「豚タン味噌漬け焼き」。しかし旨い。
私のような大食いにはよいかもしれないが、普通の客向けには半分でもよいレベルのボリュームで相当な食べ応え。
今日の刺身は、金目鯛と大間のマグロ。しかし素晴らしい。
この後で常連さんと朝まで飲みに行って散財したわけだが、四半期の終わりによい打ち上げができたことを嬉しく思う。
【2012/10/14追記】
少し時期は早いが、カキの天ぷら。
小ぶりながら旨い。
ししゃも。
写真だとわかりづらいかもしれないが、デカい。
普段口にしているのは何なんだという次元。
今日の刺身は、ししゃもとマグロ。
ししゃもを頼んだら、「焼きにする?刺身にする?」と聞かれてびっくりした。
両方食うしかないでしょう。
ししゃも拡大。旨いこと旨いこと。
まさか生で食べられるなんて思ってもいなかったので、いたく感動した。
マグロ拡大。今日のは少しトロっぽい。
基本的には肉も魚も赤身が好きなのだが、たまには脂を楽しむのも良いものだ。
オマケで出してくれたヅケマグロ。
ヅケなんてのは刺身で食べられない品質のものを食べるための手段だと思っていたが、その認識は完全に間違っていた。なんて旨いんだろう。
下手したら、その辺の刺身よりずっと良いくらいのレベル。これは嬉しかった。
【2012/11/10追記】
「とろサバ」。焼いても旨し。
「クジラの刺身」。
クジラ置いてあるなんて珍しいね、と大将に行ったら、「レバ刺しに近い」んだそうで。
何言ってんだこいつと思ったのが正直なところだった。
クジラは父親が食べていたのを思い出す。お前も食うか?なんて言われて少し貰ったこともあったが、旨いなんて思ったことは一度もなかった。あの世代は何故こうも有難がるのだろうかと不思議に思っていたが、ここは一つ試してみた。
美味しい。非常に美味しい。
食感こそ異なるが、胡麻油とニンニクで食べると、あの懐かしいレバ刺しを食べた時の感じとクジラ自体の旨さに参ってしまった。
クジラに対して、いままでその価値をわからなかったことをお詫びする。
コチだっただろうか?
旨かったことは記憶しているが、正直あまり覚えていない。
「なめこの天ぷら」。
秋だし、こういうものが良いやね~という一品。
「キンキ」。
実に旨い。やっぱり焼き魚最高。
ビントロの炙りと、白身の方は失念。
撮ってすぐ更新しないと、どうしても忘れてしまう。
【2012/11/18更新】
今年の営業日も30を切った。
あと2~3回は行っておこうかな?
アズキハタの塩麹漬け焼き。
「ハタって、こんな食感だっけ?」となること受けあい。
塩麹に漬けると、また全然違ってくるもんだなと。
タコとマグロ。
タコも良かったが、この日のマグロは今まで生きてきた中でも最高のクオリティ。
肉質自体も熟成具合も、何もかもが完璧だった。
【2012/11/28追記】
嫌なことがあり、自棄酒を煽りに行く。
「ふろふき大根の味噌そぼろ」。
このそぼろ、なんとマグロとのこと。
マグロメンチじゃ定番すぎて面白くないから、だそうで。
「白貝の酒蒸し」。
日によって貝は違うが、この日は白貝。
日本酒にしてから頼めばよかったか。
「銀だらの煮付け」。
脳が蕩ける味。焼きも旨いが、煮るのもたまらない。
「アズキハタの刺身」。
この日はマダイ・本マグロ・白子など迷うラインナップだったが、その中で選んだのはこちら。
【2012/12/19追記】
この日も、たくさんのプリン体を召し上がりに。
安心してウニを頼める店は、寿司屋を含めても非常に数が少ない。
【2013/08/25追記】
刺し盛り。
この日は、ノドグロ、青柳、マグロ。
この透き通り具合。
どんだけ旨いかわかるでしょ?
【2014/04/09追記】
貼り忘れていた写真があったので。
これは、カワハギの肝に火を通して、ポン酢で頂いたもの。
俺たちの愛した快海は、死んだ。
でも、みんなまたどこかで会えるし、酒も飲めるって、根拠もなく信じています。
コメント
快海に通っていたものです。
会社が移転して足が遠ざかっていたのですが、久しぶりに行こうと思っていたとこです。
人数が結構多いので予約しようと思ったのですが・・・電話がつながらない・・・
もしやと思い色々と検索したらこの記事が・・・
快海は閉店してしまったのでしょうか??
こんにちは。
お店自体は、しばらく休みだったのですが、昨日4/16より営業しています。
というのも、3/28で長らく大将だったKさんが卒業されて、いまはオーナーのIさん&愉快な仲間たちで営業されています。
私は昨日行きました。
あそこでお会いできることを楽しみにしています。
やけにガタイと態度のデカい男がいたら、私です。
こんにちは。
ご連絡ありがとうございました。
そういうことでしたか!!
大将が卒業してしまったのは、残念ですが・・・
さっそく伺ってみます。
やたらと声がでかい男がいたら、私です(笑)