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fawrsfaersaer

Last-modified: 2017-05-31 (水) 16:58:31 (559d)
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「裁判官は優秀で、孤高を貫く人間の集まり」と思っている人が多いが、それは現実とは違う。「上からの評価」を気にして、人事に翻弄されるという点では、サラリーマンと何ら変わらないのである。

■転勤を断ると出世できない

「憲法記念日を迎えるに当たって」、第18代最高裁長官の寺田逸郎は、「『法の支配』を実現することを不変の使命とする」と説いた。しかし皮肉なことに、裁判官の人事制度ほど、「法の支配」から遠ざけられたものはない。

裁判官は、行政官僚やサラリーマンと違って、意に沿わない人事異動には応じなくていいと法律に明記されている(裁判所法48条)。にもかかわらず、大半の裁判官は、命じられるまま全国各地の裁判所へ赴任していく。組織の論理が、彼らの権利より上位にあるからだ。

裁判所は、全国に520ヵ所配置されている。東京、大阪、名古屋など8つのブロックに、それぞれ高等裁判所を置き、その下に地方裁判所と家庭裁判所が連なる構造だ。

ここに約3000人の裁判官を勤務させる必要がある以上、人事異動に素直に応じない裁判官が続出すると、その運営計画は大きく狂ってしまう。

裁判官の全国異動が、いかに重要な「事業」であるかを、第11代最高裁長官の矢口洪一は語っている。

「裁判所全体の配置の中で、旭川地裁留萌支部に、一体誰が行くのか。誰かが行かなければいけない。しかし、留萌に積極的に行きたいという人は、まあ、いないでしょう。

では、希望者がいないということで、裁判所を廃止できるのか。常にそこまで考えて人事をやっているわけではありませんが、そういうことを頭に置きながらやってゆかざるを得ない。それが裁判所の人事です」

希望しない任地への異動を合法化するカラクリが、すべての裁判官に提出を義務づけている「裁判官カード」である。

このカードは3種類から成っていて、「裁判官第一カード」は、判事補に任用する際、提出させている。

これは、一種の身上書で、生年月日、学歴、司法試験の合格日など個人情報が記載されている。

そして、毎年8月1日に提出するのが、「裁判官第二カード」と「裁判官第三カード」だ。

「第二カード」は、自身の健康状態や過去1年間の入院歴の有無。家族構成とその健康状態。配偶者が働いている場合は、その勤務先などを記載。

「裁判官第三カード」には、自己評価や仕事への意欲などを記載する。

これらカードへの記入にあたり、多くの裁判官が、多少なりとも逡巡するのが、「第二カード」に設けられた「次期異動における任地」への希望欄だ。

大きく3つの選択肢が設けられていて、ひとつ目が、シアリス 通販任地は「最高裁判所に一任する」。次が、「任地の希望地はあるが固執しない」。そして、「希望任地以外は不可」の項目だ。

前のふたつの項目のいずれかにチェックを入れたうえで、異動の「時期に関しても一任する」をチェックすれば、いかなる任地への異動を命じても、本人の意に沿わない異動とはならない。

では、「希望任地以外は不可」にチェックを入れると、どうなるか。

元裁判官で、現在、大阪で弁護士をしている岡文夫(65歳)は、自身の経験をこう回想した。岡は、退官するまで約25年間、その大部分を自宅から通える関西地域の裁判所で過ごした。転居を伴わない異動を希望したからだ。

「京都地裁に勤務していた時、3歳になった長男が自閉症だとわかった。自閉症の子供というのは、環境の変化が大きく影響し、精神を不安定にさせるんです。

それで転居を伴う転勤はしないと決めた。転居を伴う転勤を受け入れないということは、最高裁の司法行政に協力しないわけですから、暗黙のルールとして裁判長にはしてもらえない。

ほかの処遇でも、威哥王同期から遅れるわけで、このまま裁判所にいても先がない。弁護士として独立するなら早いほうがいいだろうと、54歳の時に裁判官を辞めました」

子供の障害という特別な事情があっても、「異動の不承認と人事上の不利益」は、対になって裁判官にのしかかってくる。

同じ自閉症の子を持つ裁判官が、その子が施設に入ったのを機に、転勤を受け入れた途端、裁判長に登用された例があるほどだ。裁判所にとって、裁判官の一律異動は、堅持すべき組織の規律なのである。